徒然日記
10月20日 その1902『逢坂誠二の徒然日記』
昨夜、最終便で帰函した。
その後、いつもお世話になっている方と会食をしたが、
帰宅が遅かったため、今朝は遅めの始動だ。
空には雲もあるが、
青空が広がっている。
気温は7度程度だ。
午後には徐々に雨、
その後は強風などの予報が出ている。
日中の最高気温は18度程度だ。
1)剥き出しの地球
昨日、登山家で写真家でもある阿部幹雄さんから、
新著『剥き出しの地球 南極大陸』(新潮社)を頂いた。
阿部さんには、
ニセコ時代から雪崩対策などでお世話になっている。
2007年から3年続けて、
南極観測隊員としても活躍している。
今回の著書は、
南極の写真集でもあり、
観測とそれをとりまく報告だ。
多くの方々に読んで頂きたいとの思いから、
日本語と英語が併記されている。
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昨日、私の東京事務所で著書を手渡されたが、
本人の目の前で、
思わず前頁に目を奪われるほど、
魅力的な内容だ。
帰函する最終便の中で、
じっくりと写真を眺め、
解説文も隅々まで読んだ。
3次にわたる南極観測は、
二つの大陸が衝突してできた
ゴンドワナ超大陸の衝突境界である、
セール・ロンダーネ山地を中心に行われた。
その時間軸は億年単位だ。
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剥き出しの地球、このタイトルを見て、
グッと来た。
南極は、地球全体の変化を先取りする、
地球にとってのセンサーのような場所だ。
まさに地球の現状が、
剥き出しになっているのが南極なのだ。
阿部さんによれば、
セール・ロンダーネ山地で見えるものは、
岩と氷だけだという。
その意味でも、地球が剥き出しになっている。
剥き出しになっているがゆえに、
そこには生の地球がある。
剥き出しであるがゆえに、
そこは弱い。
南極には、慎重に丁寧に接する必要がある。
南極を傍若無人に扱えば、
南極は、きっと我々の命を一気に奪ってしまうだろうし、
地球そのものの命をも奪ってしまう。
この本からは、そんな南極の現実が、
ビシビシと伝わってくる。
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今回の観測隊は、
昭和基地のような、いわゆる基地ではなく、
全ての期間をテントで暮らしたという。
常に氷点下、さらに強風吹きすさぶ南極で
三ヶ月もテント暮らしとは信じられない。
観測の最初に飛行機で、
必要な物資を運搬して以降、
観測終了まで物資の補給はない。
滞在中は、全ての物資を
スノー・モービルで運搬しながらの観測が続く。
だから食料も軽量化が条件だ。
阿部さんが開発に工夫した、
フリーズドライの食事に関する話題が載っているが、
実にワクワクする内容だ。
雪や氷を解かして水を調達する。
しかし、常に氷点下のため、
簡単に雪や氷は解けない。
お湯沸かしは、
太陽光による電力を活用する。
南極での暮らしは、
少ない資源を最大限効果的に活用し、
地球に極力ストレスを与えない、
ことに留意しなければならない。
南極だけではなく、
今後、全ての地球人に必要なのが、
省エネ、省資源型の生活だ。
南極観測隊の暮らしは、その先進事例だ。
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書き始めるとキリがないので止めるが、
とにかくこの本を、
多くの方に手にとって頂きたいと思う。
私たちの今と将来を考える大いなる気づきが、
随所に潜んでいる。
阿部幹雄著
『剥き出しの地球 南極大陸』(新潮社)
今日は、秋の土用入りだ。
さあ今日も、しっかりと前進します。
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2012・10・20 Seiji Ohsaka
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