徒然日記
政治不信が国を誤らせる【25年9月19日 『逢坂誠二の徒然日記』8297回】
今日は早朝の便で新千歳に向かい、ラピダスの視察を行います。
1)スルメイカのTAC
長らく不振が続いていたスルメイカ漁ですが、最近は水揚げが好調に推移する地域が増えており、2025管理年度の漁獲可能量(TAC)19,200トンが不足する事態となっています。
このままでは、イカ漁のみならず定置網漁も休漁せざるを得ない状況も想定されました。
そこで昨日、水産庁の担当者から状況を聞き取り、TAC総枠を6,600トンを増やす方向を確認しました。今日19日の水産政策審議会資源管理分科会に諮問され、決定すれば初の期中改定となります。イカ漁の先行きは不透明なところもありますが、今回の増枠によって、漁の継続が可能となり、関係者にとって大きな朗報であり、地域の漁業を支える重要な一歩です。
2)政治不信が国を誤らせる
94年前の昨日、1931年9月18日、奉天郊外で柳条湖事件が起こりました。南満州鉄道の線路が爆破され、中国側の犯行と発表されましたが、実際には日本軍による自作自演でした。これを口実に関東軍は、日本政府や昭和天皇の意思を無視して軍事行動を開始し、短期間で満州全域を占領しました。
翌1932年、清朝最後の皇帝であった溥儀をトップに据え、関東軍主導のもと「満州国」が建国されます。しかし国際社会はこれを承認せず、国際連盟はリットン調査団を派遣しました。調査団は日本の行動を否定し、満州を国際管理下に置く案を示します。これに反発した日本は1933年に国際連盟を脱退し、国際的に孤立していきました。このことが後に日本がナチス・ドイツに接近し、欧米諸国との対立を深めるきっかけとなります。
当時の日本国内では、昭和恐慌による深刻な不況が広がっていました。農村では娘の身売りや東北地方の飢饉が社会問題となり、都市でも失業や貧困が深刻化していました。政党政治は政争や汚職で国民の信頼を失い、政治への不満と閉塞感が強まっていました。関東軍参謀の石原莞爾は、満州の豊富な資源を利用すれば食料や雇用問題を解決でき、不況を打開できると考えていました。そのため軍の行動は国民に支持されると確信していたのです。
また、メディアも重要な役割を果たしました。新聞各社は号外を乱発し、関東軍の進撃を写真付きで大きく報じました。真相を知りながらも伝えず、戦士した兵士3名を「肉弾三勇士」と称して美談として取り上げるなど、軍の行動を正当化する空気をつくりました。その結果、国民の多くは軍を支持し、軍部の独走を後押しすることになりました。
満州事変は、日本が国際社会から孤立し、軍部の暴走を抑えられなくなる転機でした。やがて日本はドイツやイタリアとの関係を強め、アメリカやイギリスとの対立を深めていきます。そして事変から10年後、日本はついに太平洋戦争へと突き進むのです。
この背景には、昭和恐慌による不況と農村の困窮、失業の増大がありました。政治はそれを解決できず、国民の不信感と閉塞感が募りました。その中で「満州の資源で不況を打開できる」という軍部の主張は、受け入れられやすかったのです。さらに新聞をはじめとするメディアが軍を称賛し、美談を広めたことで、世論は軍の行動を後押ししました。こうして政府や天皇が軍を抑えきれないまま、既成事実が積み重なり、軍部の影響力が拡大していきました。
社会の不安定、国民生活の窮乏、政治への不信。これらが戦争を引き起こし、拡大させた大きな要因といえます。
だからこそ今、政治を停滞させ、国民の政治不信を深め、過激な主張を生むようなことをしてはなりません。与野党の枠を超えて速やかに議論し、社会の安定と、安心できる国民生活を実現していかなければならないのです。さあ議論を開始し、結果を出そう。
【25年9月19日 その6600『逢坂誠二の徒然日記』8297回】
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