徒然日記
どうして今、物価だけが上がって生活が苦しいのか(逢坂誠二の徒然日記)
昨朝、函館市内二ヶ所で街頭に立ち、その後、市内回りを行い、今日の国会に備え上京しました。
午前5時の都内は雲が少なく既に気温27度、熱帯夜だったようです。日中も晴れ、最高気温は39度の見込みです。
1)どうして今、物価だけが上がって生活が苦しいのか
<長く続いた「物価も賃金も上がらない時代」>
日本は1990年代のバブル崩壊以降、物価も賃金も上がらない「デフレ」の状態が約30年続いてきました。バブルがはじけて企業は大きな借金を抱え、まずはその整理を優先しました。設備投資や賃上げを控えるようになると同時に、将来の人口減少や経済の先行きへの不安もあり、企業の慎重な経営が続きました。その結果、会社がため込んだお金(=内部留保)が増えていきました。
また、正社員ではなく派遣やパートといった非正規雇用が増えたことも、全体の賃金が上がらなかった理由の一つです。こうした要因が重なり、物価も賃金もなかなか上がらない状態が長く続いたのです。
<なぜ政府と日銀は物価を上げたかったのか?>
このままデフレが続くと、企業は「どうせモノが売れない」と思って投資や雇用を控えます。消費者も「今買うより、もっと安くなるまで待とう」と支出を先送りし、ますますお金が使われなくなります。そうなると経済は縮小し、国の税収も減っていきます。
こうした悪循環を断ち切るために、政府と日銀は物価が少しずつ上がる状態(=インフレ)を目指しました。それがいわゆる「アベノミクス」です。
<アベノミクスで目指したことと、その限界>
アベノミクスでは、日銀が大量のお金を市場に出して金利を下げ、企業などがお金を借りやすいようにしました。そうすれば企業が設備投資をし、消費も増え、物価が上がる――という好循環を想定していたのです。
しかし実際には、企業の多くは「モノが売れる見込みがない」と判断し、投資を控えました。それは当然のことかもしれません。長い間、賃金の上がらない社会の中で、日本人のモノを買う力が落ちているのですから、モノの売れ行きも伸びませんでした。つまり、お金を使いやすくする政策は取られたものの、消費を喚起する対策がなかったため、設備に投資しようとする意欲は強くならなかったのです。
<日銀が国債をたくさん持ったことで起きた問題>
アベノミクスの中で日銀は、政府が発行する国債を大量に買い取りました。その結果、金利が低く抑えられた反面、「もし今後金利を上げたらどうなるか」という問題が出てきます。
金利が上がると、日銀が持っている国債の価格が下がるため、日銀は損失を抱えるリスクがあります。政府もまた、国債の利払いが増えて財政負担が大きくなるため、金利を上げることに消極的です。こうして日本は、金利を自由に動かせない状況に陥っています。
<外からのショックで物価が一気に上がった>
こうした中で、2022年以降、ウクライナ戦争やコロナ後の物流混乱が起き、エネルギーや食料の価格が世界的に上がりました。さらに、アメリカが金利を上げる中で日本は低金利を続けたため、円が売られて円安が急激に進みました。
円安になると、海外からの輸入品の値段が上がります。ガソリンや電気代、食料品など、日常生活に関わるモノの価格が次々と上昇し、物価全体が一気に上がることになったのです。
<賃金は上がらず、生活だけが苦しくなった>
今回の物価上昇は「モノが売れているから値段が上がった」のではなく、「コストが上がったから仕方なく値段を上げた」ものでした。そのため、企業の利益が大きく増えたわけではなく、賃金も十分には上がりません。
一部の大企業では5%以上の賃上げが実現しましたが、中小企業や零細企業では人件費を上げる余裕がなく、賃金が据え置かれたままのところも多くあります。しかも、年金生活者や非正規労働者には賃上げの波が届かず、生活は一段と厳しくなっています。
<今こそ「呼び水」が必要>
現在の物価上昇は、政府と日銀が目指していた「健全なインフレ」とは異なる、苦しい形で進んでいます。この状況から抜け出すには、家計に直接届く政策――たとえば給付金や減税――といった「呼び水」が必要です。
井戸から水をくみ上げるとき、ポンプを設置するだけでは水は出ません。呼び水を注いで、はじめて水が上がってくるのです。アベノミクスはポンプを設置するところまでは行いましたが、消費を動かすための「呼び水」がなかった、私はそう感じています。
つまり企業にだけ着目をして、日本経済の6割を占める個人の消費に目が向いていなかったのです。自民党政治の限界かもしれません。
【25年8月5日 その6555『逢坂誠二の徒然日記』8252回】
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「アベノミクスはポンプを設置するところまでは行いましたが、
消費を動かすための「呼び水」がなかった、私はそう感じています。
つまり企業にだけ着目をして、日本経済の6割を占める個人の消費に
目が向いていなかったのです。自民党政治の限界かもしれません。」
おっしゃる通りですね。自民党政治の限界でしょう。
なお、アベノミクスで資金の過剰が生じ、大企業が潤沢な資金を手にした際、
彼らはそれを海外への設備投資や金融投資に使いました。その結果、
国内産業の空洞化と大企業の空前の内部留保が進んだという見方もできると思います。
いずれにせよ、大企業を先頭に、国内投資をしなければ、この国は凋落一方ですね。
逢坂さんに期待しております。
もっと声高に国民に呼びかけてください。
うらべ
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