徒然日記
日米関税合意の実態が見えない(逢坂誠二の徒然日記)
午前4時、日の出前の都内の空、薄雲が広がっていますが晴れです。気温は既に26度程度で、今日も熱帯夜だったようです。日中も晴れ、予想最高気温は36度の見込みです。北海道でも猛暑状態が続きます。
1)日米関税合意の実態が見えない
トランプ関税について、一昨日、合意したとのニュースが流れました。詳細の決定文書を見ていないため、どんな状況なのかは全くわかりません。評価しようがないのが現実です。
アメリカから一方的に発表される内容を断片的に読む限り、私には日本が大幅に譲歩したようにしか見えないのですが、それすらも確信が持てません。日本にとってプラスになったことあるのか、その点も全く分かりません。今後の日本経済に大きな影響が出ることだけは確かだと思われます。
以下の「*」はアメリカの発表です。
*日本からの輸入品には15%の関税を課す
当初、アメリカが要求した25%が15%に下がったのは事実ですが、結局は以前よりも高い関税率になり、日本の輸出には不利になったと思われますが、間違いでしょうか。
*日本はアメリカの基幹産業の再建と拡大のため日本円で80兆円の投資を行う
*アメリカがこの投資から得られる利益のうち90%を確保
==具体的な分野として==
*LNG=液化天然ガスなどのエネルギーインフラと生産
*半導体の製造や研究開発
*重要鉱物の採掘や加工
*医薬品の製造
*民間用と軍事用の船舶の建造
80兆円は何年間で投資するのか? 民間資金か政府資金か資金の性質は何か?など、よく分かりませんが、儲けの9割をアメリカに供与する資金とは随分と気前が良いものです。
半導体や医薬品にも投資するとのことですが、これは日本国内にこそ必要な投資です。現在の日本国内の年間設備投資額は100兆円程度ですがこれにどのような影響が出るのか、日本の産業がもぬけの殻になるような懸念を感じます。
==アメリカの生産者のため、市場アクセスを拡大==
*農業や食品の分野では、日本が、即時に、アメリカ産のコメの輸入を75%増やす
*アメリカ産のトウモロコシや大豆、バイオエタノールなど日本円にしておよそ1兆2000億円分を購入
*エネルギー分野では、アメリカから日本へのエネルギー輸出を大幅に拡大
*日米両国がアラスカ産のLNGの購入契約について検討
*製造業と航空宇宙産業の分野では、日本がボーイング社の航空機100機を購入
*アメリカ製の防衛装備品を年間で数十億ドル分、追加購入
*自動車分野ではアメリカ製の自動車とトラックに対するアメリカの自動車基準が日本で初めて承認
コメはミニマムアクセス米(年間77万トン)の範囲内での輸入とのことですから輸入総量は増えないように思われます。現在MA米77万トンのうち約半分がアメリカからの輸入です。他国からのMA米輸入を減らし、アメリカから輸入を増やすのが今回の合意内容と受け止めて良いのか、まだ不透明です。
MA米以外の輸入には、1キロ当たり341円の関税を日本はかけていますが、これと今回の合意は無関係なのか、それもよく分かりません。
農産物の1兆2千億円の輸入は、年間なのか、一回限りなのか、それも不明です。日本の農業生産額は約10兆円弱、北海道は1兆円程度です。今の輸入量に加えて1兆2千億円を毎年輸入するとなれば、北海道の生産額と同じ額の追加輸入となります。
現在、日本はアメリカらから約2兆円の農産物を輸入しておりますが、これが3兆円以上になるというのが、今回の合意なのか、その内容をきちんと精査する必要があります。
今年4月に決定された「食料農業農村基本計画」では、2030年を目標に食料自給率を今の38%から45%に引き上げるとされています。今回の輸入の増加で、この達成はどうなるか、ここも不透明です。
防衛装備品の年間数十億ドルの輸入ですが、仮に年間60億ドルと仮定したば場合9千億円弱です。現在、アメリカから年間1兆円程度の防衛装備品を輸入していますが、これが2兆円近くになるという意味なのでしょうか。
またデジタル分野では日本の対米赤字は年間5兆円とのデータもあるようですが、貿易の公平性というならこうした点の議論がなかったのかも気になるところです。
最終的な、合意文書が公開されていないため、あくまでも推測でしかありませんが、今回の合意で日本に有利なことな何一つもないように、私には見えます。
【25年7月25日 その6544『逢坂誠二の徒然日記』8241回】
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