徒然日記
経常収支黒字の現実(逢坂誠二の徒然日記)
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1)経常収支黒字の現実
2024年度、日本の経常収支は30兆円超の黒字となり、過去最大を記録しました。見かけ上は「経済好調」と映るこの数字ですが、その内実を読み解くと、日本経済の将来に対する深刻な脆弱性が浮かび上がります。
今回の経常黒字の主因は、日本企業が海外子会社から得た配当や利子などによる「第一次所得収支」が41兆円超に達したことです。この黒字は、主に円安の進行によって円建ての収益が増えたことが要因であり、「企業の国際競争力」や「国内産業の成長」によってもたらされたわけではありません。円安による黒字増は、為替水準の変化ひとつで容易に反転する不安定な構造です。
一方で、かつて経常黒字の基盤だった貿易収支は4年連続の赤字です。スマートフォン、医薬品などの輸入が輸出を上回る状況が常態化しており、日本の製造業が国際的な競争力を失いつつあることを示しています。特に基幹産業だった家電・半導体・医療分野での国際的存在感の低下は深刻です。
さらに憂慮すべきは、6兆7千億円を超える「デジタル赤字」の急拡大です。米グーグル、アップル、マイクロソフトなど海外IT企業への依存が進み、日本国内からの対価支払いが増えています。これは、日本がデジタル技術・サービスの開発・輸出で競争力を持てていないことの象徴であり、将来的に国家の競争優位性を著しく損ねかねません。
2000年代以降、日本企業のグローバル化が進み、利益の多くが海外で生み出され、国内に戻される形となっています。一方で、国内の生産基盤は空洞化し、雇用や税収、技術蓄積といった「国内経済の実質的な豊かさ」には必ずしも直結していません。結果として、国内に住む人々の生活は潤わず、分配の不公平が拡大しています。
経常黒字という一見朗報に見えるデータの裏には、日本経済の「産業競争力の劣化」「為替依存」「技術革新力の弱体化」といった構造的脆弱性が横たわっています。これらを克服するためには、国内の研究開発・教育への投資を強化し、製造業・IT産業の再生を図るとともに、国民一人ひとりが実感できる「実質的な豊かさ」を取り戻す政策が必要です。
単なる統計的な黒字に惑わされることなく、中長期的視点からの産業・経済政策の再構築が今こそ求められています。
日本の将来を明るいものにするには、以下のような取り組みが不可欠だと考えています。
*国内のデジタル産業育成(クラウド、AI、データセンターなど)
*海外収益の国内投資への還流
*中小企業の輸出力強化
*エネルギー・医薬品などの自給体制整備
*税制など再配分の仕組みの見直し
*教育への投資
*1次産業の活性化
高齢社会であっても、日本が持続的に豊かさを維持できる国であるために、これらの改革に力を入れて参ります。
【25年5月14日 その6472『逢坂誠二の徒然日記』8169回】
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