徒然日記

核燃料サイクルの動向(逢坂誠二の徒然日記)

【25年5月8日 『逢坂誠二の徒然日記』8162回】
昨朝、函館市内の街頭に立ち、その後、上京しました。午前5時の都内、空全体に雲が広がっていますが、風も弱く穏やかな感じです。気温は14度程度。午前9時頃から晴れ間が広がる見込みです。日中は22度程度と見込まれています。

1)核燃料サイクルの動向
昨日、アメリカとイギリスの核燃料サイクルに言及しましたが、改めて核燃料サイクルの世界の雰囲気に言及します。

核燃料サイクルとは、原子力発電で使用された核燃料を再処理し、再び発電に利用することで、資源の有効活用や廃棄物の減容を目指す政策です。しかし、現実には再処理の高コストや技術的困難さ、さらには核不拡散への懸念などから、世界的に見てもその実現は限定的であり、多くの国はすでにサイクル政策から撤退、あるいは縮小へと転じています。

フランスは、世界で最も先進的な再処理政策を展開している国の一つであり、ラ・アーグ再処理工場で使用済み核燃料からプルトニウムを回収し、MOX燃料として再利用しています。しかし、使用済みMOX燃料の再処理は行っておらず、将来的には地層処分を前提としています。つまりサイクル、循環にはなっておりません。

日本も核燃料サイクルの維持を国策として掲げていますが、六ヶ所再処理工場は30年以上の建設延期を繰り返し、いまだに稼働していません。また、MOX燃料の利用は一部の原発に限られており、プルトニウムの消費も計画通りに進んでいません。さらに、使用済みMOX燃料の再処理施設も存在しないため、実質的に出口のない政策となっています。

ロシアは高速増殖炉を活用しながら、独自の再処理・再利用技術を推進していますが、経済性や安全性の問題から、その拡大には慎重です。中国は商業規模の再処理施設の建設を進めていますが、まだ実用段階には至っていません。

一方、アメリカは1970年代に民生用の再処理を中止し、使用済み核燃料の直接処分を原則とする政策を採用しています。イギリスもかつては再処理大国でしたが、セラフィールドの再処理施設を閉鎖し、核燃料サイクルからの撤退を明確にしました。ドイツも原子力発電自体を段階的に廃止し、再処理を含めた核燃料政策を終了しています。

このように、再処理と再利用による核燃料サイクルは、もはやグローバルスタンダードではなくなりつつあります。技術的困難性、経済性、国民的理解、核不拡散といった多くの障壁を乗り越えるには至っておらず、多くの国が「直接処分」への転換を図っています。今後は、地層処分施設の整備とともに、より現実的で持続可能な核燃料政策への転換が、国際的な共通課題となるでしょう。

このような状態であるにも関わらず、日本はまだ核燃料サイクルにこだわっているのです。早期に政策転換を行い、将来に備える必要があります。

【25年5月8日 その6466『逢坂誠二の徒然日記』8163回】
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