徒然日記

人間のための経済(逢坂誠二の徒然日記)

【25年4月12日 『逢坂誠二の徒然日記』8137回】
昨夜、最終便で帰函しました。午前5時の函館、空全体に雲が広がっています。気温6度程度。日中は晴れ、14度程度になる見込みです。

1)人間のための経済
「市場における自由な経済活動が、社会の活力を生み出し、国民生活を豊かにするのは自明のことです。しかし、市場にすべてを任せ、強い者だけが生き残ればよいという発想や、国民の暮らしを犠牲にしても、経済合理性を追求するという発想がもはや成り立たないことも明らかです。
私は、「人間のための経済」への転換を提唱したいと思います。それは、経済合理性や経済成長率に偏った評価軸で経済をとらえるのをやめようということです。経済面での自由な競争は促しつつも、雇用や人材育成といった面でのセーフティネットを整備し、食品の安全や治安の確保、消費者の視点を重視するといった、国民の暮らしの豊かさに力点を置いた経済、そして社会へ転換させなければなりません。」

以前も何度か引用した2009年10月に鳩山由紀夫総理大臣が国会で行ったこの所信表明演説は、日本の経済や社会のあり方に対して大きな問いを投げかけています。「人間のための経済」という考え方は、単にお金を増やすための仕組みとして経済をとらえるのではなく、すべての人の暮らしと幸せを中心に経済を考えようという提案です。

日本では、「自由な競争」や「経済の効率」が重視され、企業が利益を出すことが最も重要だとされてきました。その一方で、働く人の不安定な雇用や、地域による格差、生活の苦しさが見えにくくなっていました。特にリーマンショック以降、多くの人が職を失い、「競争に勝てなかった人は仕方ない」というような空気が広がっていたのです。

鳩山総理の演説は、そうした空気に対して、「それで本当に良いのか」と問いかけています。経済の自由な活動を認めつつも、誰もが安心して暮らせるように、国が責任を持って支え合いの仕組みを作ることが必要だというメッセージが込められていました。たとえば、失業した人を助ける制度、職業訓練や教育の充実、食品の安全や治安の確保、そして消費者としての立場を守る取り組みなどです。

私はこのような考え方に強く共感します。大企業が儲かり、株価が上がっても、病気や孤独、貧困、教育の格差、将来の不安に悩む人が多い社会は「豊か」ではありません。人が安心して暮らせる社会こそが、本当に豊かな社会だと思います。そして経済は、そのための手段にすぎません。

もちろん、鳩山政権は理想を語ることはできましたが、それを具体的に実現する力が十分ではありませんでした。財源の確保や政策の優先順位の整理が難しく、結局は短い政権で終わってしまいました。そのことは残念ですが、それでも「人間のための経済」という考え方自体は、今の日本にも必要な視点だと思います。

現在の日本では、物価が上がり続ける一方で、給料がなかなか上がらない人も多くいます。非正規で働く人の生活は不安定で、若者や高齢者の孤独、孤立の問題も深刻になっています。こうした課題に向き合うためには、鳩山総理が提案したように、経済の成長だけではなく「人への投資」が必要です。教育や職業訓練に力を入れること、すべての働く人の賃金をしっかりと上げること、非正規労働を減らして安定した雇用を増やすこと、孤独や孤立を防ぐ社会的なつながりを支える政策などが求められています。

「人間のための経済」という言葉には、誰もが安心して暮らし、自分らしく生きられる社会をつくろうという願いが込められています。トランプ大統領による世界への揺さぶりがあります。こうした時期だからこそ、「人間のための経済」を、今を生きる私たちがもう一度かみしめ、未来の社会づくりに活かしていくことが必要だと、改めて私は考えています。

【25年4月12日 その6440『逢坂誠二の徒然日記』8137回】
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