徒然日記
学習指導要領(逢坂誠二の徒然日記)
午前5時の函館、路面は濡れて多少雲がありますが、晴れの朝です。朝の気温は8度程度。日中は、午前は晴れ、午後は雲が多くなりそうです。予想最高気温は14度程度です。今日はやっと五稜郭公園に桜を見に行くことができそうです。
1)学習指導要領
一昨日、東京学芸大学の大森直樹教授から学習指導要領について話を伺いました。
大森教授は、今年予定されている学習指導要領の改訂を見据え、現行の課題を「カリキュラム・オーバーロード(過負荷)」という視点から整理し、改訂に向けた提案を行っています。
主な話と提案事項は以下の通りです。
「カリキュラム・オーバーロード」とは、教育課程の時数や内容が過剰となり、子どもや教員に過大な負担をかけている状態を指します。特に2017年改訂以降、平日6時間授業が常態化し、これが子どもの生活や学習の質に悪影響を与えていることが、教員への調査結果からも明らかになっています。
調査によると、小・中学校ともに、2008年および2017年の標準時数下における教育課程が「子どもの生活に合っていない」とする回答が多数を占めており、教師の準備時間や放課後の活動時間も著しく制限されている実態が浮き彫りになりました。さらに、学習指導要領や教科書の内容が年々増加し、教育現場では「教えるべきことが多すぎる」という声も上がっています。
こうした問題意識を前提として、大森教授は以下のような改善策を提案しています。
1. 授業時数の見直し
– 小学校では、授業を1日5時間・年間875時間に抑えるべき
– 中学校では、週5日のうち6時間授業は2日以内とし、週27時間・年間945時間に抑えるべき
– これにより、子どもの生活時間や教員の授業準備時間にゆとりを生み出すことができます
2. 特別活動の保障
– 現在35時間とされている特別活動(児童会活動・生徒会活動・学校行事等)の時間を70時間に拡充することを提案
– 特別活動の時間をしっかり確保することで、子どもの社会性や協働性を育む場面を保障すべき
3. 教科時数の単位統一(35の倍数)
– 教科ごとの標準時数を35の倍数で統一するべき
– これにより、時間割作成が容易になり、児童生徒の生活リズムが安定
– 教職員の事務作業負担も軽減される
4. 積み増し抑制と柔軟運用の再確認
– 「標準時数は上回るべき」とする誤解を正し、「標準は上回っても下回ってもよい」という本来の制度理念を徹底すべき
– 2003年の文科省通知以降の過剰な授業時数確保圧力を是正する必要があり
5. 学習内容の精選
– 学習指導要領の過剰な内容、特に「思考力・判断力・表現力等」に関する過度な目標設定を見直すべき
– 教科書の分量も適正化し、子どもが無理なく学べる内容に精選する必要があり
6. 全国学力調査の抽出化
– 全国学力調査を悉皆調査から抽出調査に切り替えるべき
– 「時数を減らすと点数が下がる」といった強迫観念を和らげ、現場の過剰な競争意識を是正することが求められる
大森教授の話は、単なる働き方改革の観点にとどまらず、子どもの生活と学びに合った教育課程を目指すべきだと強調しています。そして、かつての1980年代のように、教員と子どもに裁量とゆとりがある学校を取り戻すことが急務であると指摘されました。
1時間半に渡って濃密な話を聞かせて頂き、大変勉強になりました。大森教授に感謝です。
【25年4月27日 その6455『逢坂誠二の徒然日記』8152回】
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この問題の焦点をわかりやすくまとめてくださりありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。