徒然日記
円安はなぜ進んだのか(逢坂誠二の徒然日記)
午前4時半の都内、空に雲はなくスッキリと晴れています。東の地平線が徐々に明るくなってきました。朝の気温は10度。日中も晴れ、21度程度の見込みです。
1)円安はなぜ進んだのか
昨日、安い円と外国人観光客のことについて言及しました。この30年あまり海外の物価が上がる一方、日本の物価が上がらなかったため、日本円のモノを買う力が弱くなったことは理解できるが、そもそも安倍政権以降の円安はなぜ起きたのか?との質問が複数寄せられました。
今日は、そのことをなるべく分かりやすく書いてみたいと思います。
(1) 日銀の政策が大きく変わった
2013年、日本銀行は「景気をよくしたい!」という目的で、大胆な金融緩和(お金をたくさん市場に出す政策)を始めました。具体的には、国債を大量に買い入れて、市場にお金を流し込み、金利を下げたのです。
*お金がたくさん出回ると、1円の価値は下がりやすくなります
*金利が低いと、外国の投資家は「円を持っていても利息がつかないから、ドルのほうが得だな」と思って円を売ってしまいます
この政策によって、円の価値がじわじわと下がっていきました。
(2) アメリカとの金利の差が広がった
一方でアメリカは、物価の上昇(インフレ)を抑えるために、金利を上げていきました。特に2022年には急激に金利が引き上げられました。
*アメリカの金利が高く、日本の金利が低いと、多くの人は「ドルを持っていたほうが得」と考えるようになります(銀行でも、利息が高いところに預けたくなるのと同じですね)
*その結果、円を売ってドルを買う人が増えて、ますます円安になります
さらに、こうした動きの中で「金利の低い円でお金を借りて、金利の高いドルで運用する」という「キャリートレード」も活発になりました。これも円が売られる要因になります。
(3) 「円は魅力がない」と思われた…
ここ数年、日本でも物価は上がってきていますが、日銀はずっと金利を上げていませんでした。その結果、「インフレなのに金利が上がらない=円を持っていても得にならない」と考える人が増えていきます。そして、「このまま円の価値はもっと下がっていきそうだな…」という予想(いわば不信感のようなもの)が、さらに円安を進めてしまうのです。
(4) 輸入の増加も関係している
2022年ごろから、エネルギー(石油やガスなど)の世界的な価格が上がりました。日本はその多くを輸入に頼っているので、円をたくさん使って海外から買わなければなりませんでした。
*日本からお金(円)が出ていくと、円の価値は下がりやすくなります
*輸入が多くて、輸出よりもお金が出ていく「貿易赤字」が続くと、これもまた円安を引き起こします
(5) 円安のピークとその後
2022年には、一時的に1ドル=150円を超えるような歴史的な円安が起きました。
そして2024年3月、日本銀行はようやく長年続けてきた特別な金融政策(アベノミクス)を終了し、少しずつ金利を戻し始めました。これによって、円安には少し歯止めがかかったといわれています。ただし、アメリカとの金利差はまだ大きいため、「すぐに円高に戻る」とは言えない状況が続いています。
まとめ
*円安は、日本銀行の政策(アベノミクス)、アメリカとの金利差、物価上昇、輸入の増加など、いくつかの要因が重なって起きた
*特に「金利の差」と「お金の流れ」が大きなカギ
*2024年に日銀が政策を変えたことで少し変化が出てきたが、今後どうなるかはまだ分からない
ここ10年あまりの円安は、こんな背景が絡み合って進んできたのだと、私は見ています。分かり難いですね(^^;;
【25年4月9日 その6437『逢坂誠二の徒然日記』8134回】
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