徒然日記

安い円と外国人観光客(逢坂誠二の徒然日記)

【25年4月8日 『逢坂誠二の徒然日記』8133回】
昨日は終日、札幌で道連と各種団体との政策懇談会に出席し、夜の便で上京しました。午前5時の都内、雲は少なく東の空は明るくなっています。気温7度程度。日中も晴れ、21度になる見込みです。

トランプ関税の影響により世界が株安状態になっています。

1)安い円と外国人観光客
日本の多くの地域で外国人観光客が増えています。多くの事業者の皆さんがその恩恵を受けています。本当に嬉しいことなのですが、私の気持ちは少々複雑です。

というのも、いま日本を訪れる外国人の多くは「日本が安い」と感じています。ホテル、飲食、交通費に至るまで、どれもが自国と比べて驚くほど安価で、「信じられないコストパフォーマンス」と評されることもあります。その象徴的な例が「ラーメン」です。

たとえば、東京ではラーメン1杯が700円から900円程度で楽しめます。しかし、ニューヨークでは同じようなラーメンが20ドル〜25ドル(約3000円〜3750円)もします。これは、同じ料理であっても日本円の価値がどれほど低くなっているかを如実に示す事例です。

このような状況は、円の実質的な購買力(REER)が過去最低水準にまで落ち込んでいることと深く関係しています。日本円の購買力がここまで低下した背景には、いくつかの構造的な要因があります。

まず、日本は1990年代以降、ずっと物価の上がらない状態が続きました。その間、欧米諸国では着実に物価が上がっていたため、相対的に日本円の価値は下がっていきました。さらに、アベノミクスによって、市場に大量の円が供給され、円安が進行しました。

また、日本経済そのものの成長が長く停滞していることも見逃せません。少子高齢化、内需の縮小など、構造的な課題が山積する中で、日本円は「強い通貨」から「割安な通貨」へと立場を変えてきました。今の日本円の実質的な購買力は50年前よりも低いと言われています。

外国人観光客が「日本が安い」と感じ、多く訪れてくれることは、たしかにありがたいことです。しかし、その背景には、日本円の価値がかつてに比べて大きく下がってしまったという現実があります。

観光による消費が増えるのは歓迎すべき動きですが、その“売れ方”が通貨や経済の弱体化を前提とした「安売り」によって実現しているとすれば、手放しでは喜べません。なぜなら、それは日本が本来持つ価値を“安く買い叩かれている”状態とも言えるからです。むしろ「日本が本来持つ価値が正当に評価されるような経済・社会の仕組み」を築いていくことが必要です。

同時に、「なぜ日本がこれほど安くなってしまったのか」という現実を直視しなければなりません。安さに依存した魅力ではなく、持続的に価値を生み出せる経済構造の再構築が求められています。そのためには、実質賃金の底上げ、企業による長期的な価値創造を重視した経営、若手の能力を適切に評価・登用できる雇用制度の改革、さらに再分配を意識した税制や社会保障の見直しといった、中長期的な視点での改革が不可欠です。

円の価値が本来の力を取り戻し、日本の豊かさが“安さ”ではなく“質”で評価されるような経済の姿を、私たちは考えるべきときなのです。

【25年4月8日 その6436『逢坂誠二の徒然日記』8133回】
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