徒然日記

年収の壁(逢坂誠二の徒然日記)

【24年11月5日 『逢坂誠二の徒然日記』7979回】
今日は早朝の便で帰函し、函館市内を歩きます。夜明け前の都内、今朝もオリオン座、木星が見えます。12度程度です。日中は19度程度で、晴のち曇りの予報です。

1)年収の壁
一生懸命働いて収入を増やしても、ある一定の収入を超えると、税や保険料の支払いなどが増加して、逆に手取りが減ってしまう場合があります。そこで、このある一定の収入を超えないように、働く時間をみずから調整することが古くから行われています。私が給与を担当していた1983年頃も、秋から年末にかけてパート職員から、休暇が欲しいと要望される場面が多々ありました。手取り収入が減らないように年収を抑えようと意識する金額の境界値が、いわゆる「年収の壁」です。

最初の年収の壁は「103万円の壁」です。基礎控除の48万円と給与所得控除の55万円をあわせた103万円を年収が超えると所得税が発生するため、年収がこれを超えないように、働く時間をみずから調整する場面が頻発します。しかしこれによって、働きて不足や年収の抑制を助長することになります。

そこで基礎控除などの合計をいまの103万円から178万円に引き上げることを国民民主党が主張しています。確かに税負担が軽くなれば消費などの経済の活性化につなながる可能性もありますし、働く時間を抑制しなくなるため人手不足にも一定の効果があるかもしれません。

103万円の控除額は1995年から30年近く据え置かれたままなのですが、今回の引き上げ幅の75万円はこの間の最低賃金の上げ幅である1.73倍に合わせて算出した額のようです。

一方、年収の壁は103万円だけではありません。

106万円の壁:一定の条件の場合、社会保険料が発生
130万円の壁:社会保険料が発生
150万円の壁:配偶者特別控除の減少が発生
201万円の壁:配偶者特別控除が受けられない

これらの収入金額を超えると本人の手取りが減ったり、世帯全体の税などの負担が増える可能性があります。

つまり基礎控除などを75万円引き上げただけでは、年収の壁は簡単には解消しないことになります。

所得税と住民税、社会保険料など、全体を見渡すことが必要であり、給付と組み合わせることも検討すべきです。

年収の壁の解消は重要なことですが、もう少し慎重に制度設計をしたいと思います。

【24年11月5日 その6282『逢坂誠二の徒然日記』7979回】
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