徒然日記

ラピダスへの懸念/逢坂誠二 7903回

昨日、党の役員会のため久々に上京しました。夜明け前の都内は、雲が多めですが、雨の雰囲気はありません。気温は25度までしか下がらず、日中は34度になる見込みです。早朝の便で帰函します。

1)ラピダスへの懸念
千歳市で工場を建設中のラピダスは、2ナノ半導体の国産化を目指しています。量産化開始目標は、3年後の2027年です。私も何とか成功してもらいたいと願っています。

しかし色々な懸念があります。その一つは、資金調達です。

量産化までの総投資額は5兆円と言われています。トヨタなどの民間出資額は73億円、政府からの支援額は9200億円です。今後、さらに約4兆円の資金が必要になります。

この4兆円については、金融機関等から融資を受けるのが一般的な手法です。

しかしまだ販売実績もないばかりか、2ナノの量産化のメドもたっていない企業に、これほど多額の融資を行うのは考え難いことです。

そこで政府は、この融資に対し政府保証をつけることや法制化も検討しているといいます。4兆円もの融資に政府が保証するのですから、当然、国会審議も必要になります。

国会審議に当たっては、この事業がどのような経過で決まったのか、事業計画、実現の可能性など、政府保証の妥当性を判断する情報の提供が不可欠です。しかしこの間の政府の対応を見ていると、競争上の地位を害するおそれがあるとして、情報の開示には消極的です。

情報も示されない中で、国会審議を行い、政府保証の妥当性を判断するのは、無責任な結果にならざるを得ません。

何とかラピダスに成功してもらいたいと願うばかりなのですが、あまりにも先が見えず苦慮しています。

さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
【24年8月21日 その6206『逢坂誠二の徒然日記』7903回】

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皆様のコメントを受け付けております。

  1. こんにちは。

    ラピダスへの大きな期待と懸念、御もっともと思います。同感です。
    ビジネスとして成功するのか否か、まだ誰も確信を持てる人はいないと思います。
    技術的に開発に成功することと、事業として成功することは別ですし、また、
    下記の論説にもありますように、日本の電子関連企業は意外とビジネスが下手な
    ようです。成功して当たり前、失敗知れば笑われると言う事でしょう。

    ―――(引用)―――――――――――――――
    「彼はその理由として、新しい技術は不確実性を伴い歩留まりも悪く、
    そのうえ、新しい技術だけでは数を取ることができない。だから自分たちは、
    まず日本という実験場が新技術の実験を始め、そこで技術的な課題があぶり出され、
    技術が安定した後、ビジネスとして大きな規模になると判断できた段階で日本と
    同じものに大きく投資する、それがもっとも効率が良い方法なのです。
    新しいことは、日本という研究所に任せておけばよいのです、と話されました。」
    https://president.jp/articles/-/85029
    ――――――――――――――――――――――
    台湾、韓国の企業はラピダスの行方を見定めてから動くでしょう。

    北大では、熊本大学から半導体担当の副総長を招聘し、今になって半導体技術者
    育成などと言ってますが、ラピダスがコケれば、自学の学生たちの人生を潰す
    ようなことにも成り兼ねません。万が一、そうなっても、卒業生たちが回復で
    きる道をつくっておく事も、大学当局の大事な責務になりますね。

    千歳空港周辺の論地や畑の多くが、ラピダス他の工場建設現場となり、湧き
    かえっているようですが、10年後に廃墟となった姿は見たくないものです。

    うらべ
    ―――――――――――――

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