徒然日記
1月9日 その1627『逢坂誠二の徒然日記』
夜明け前、
函館は多少雲があるようですが、
穏やかな天候です。
雪も降っていません。
今の気温はマイナス5度程度、
日中は零度程度になる見込みです。
1)町会新年会
昨日、函館市内の町会の新年会に、
高橋亨道議、斉藤佐知子市議とともに
出席させて頂きました。
冒頭には、
唱歌「1月1日」を参加者全員で歌い
会がスタートしました。
最近では「1月1日」も、
あまり聞かれることはなくなりましたが、
私も懐かしい気持ちで歌わせて頂き、
新年らしい新たな気持ちになりました。
来賓としての挨拶は、
町会長から「おめでとう」だけではなく、
普段聞けない話もして欲しいとの要望もあり、
社会保障と税の一体改革など、
政策に関し、いくつか話をさせて頂きました。
2)成人式
江差町の成人式に出席し、
新成人の前で挨拶をしています。
実に楽しい成人式でした。
式典は、
いわゆる混乱もなく整然と進み、
良い感じでした。
その後、全員での写真撮影に、
私も参加させて頂きました。
新成人の皆さんの高揚感からか、
全員の整列に時間がかかったのですが、
この間の、若者のやり取りが、
今の時代を反映している瞬間があり、
実に貴重な時間となりました。
来流会にも参加しました。
ビールを呑む仕草などは、
大人びた感じがしますが、
会話とのアンバランスがあり、
それもまた微笑ましいひと時でした。
私の挨拶では、
・きちんとコミュニケーションができること
・故郷を大事に思うこと
・20歳代が人生を決めること
などを話しています。
3)新春の集い
今年も8区管内13箇所で、
「おおさか誠二新春の集い」を開催します。
昨夜、第一回目を長万部町で行っています。
寒い中でしたが、
白井町長をはじめ多くの皆さんに参加頂きました。
消費税、年金、TPP、郵政改革、新幹線など、
広範に渡って、質問が出たり、意見交換をしたりと、
実に有意義な新春の集いとなりました。
参加者の皆さんから、
夏にも意見交換をする場を設けて欲しいとの要望もあり、
是非、実現したいと思っています。
参加された皆さん、本当に有り難うございます。
4)遠因の発見
雑誌「北海道自治研究」の2011年11月号に、
「遠因の発見」と題する文を掲載して頂きましたので、
紹介します。
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「遠因の発見」
3月11日以降、私の頭から原子力発電所のことが離れません。私は、最終
的には廃炉しかないと考えています。少なくとも北海道においてはそうすべきで
す。フルMOX燃料による大間原発建設は凍結すべきです。
使用済み核燃料問題に解決の道がありません。これ以上、処理できない使用済み
燃料を産出すべきではありません。日本初の原子力発電の稼働は、1963年、
東海村での試験炉です。この時点でも、当然、使用済み核燃料の最終的処理方針
が決まっていませんでしたが、いずれ処理方法が確立されるとして、見切り発車
したのです。それから約50年、未だに処理方法が確立されていません。原子力
発電所のことを「トイレのないマンション」と呼ぶのは、このためです。
この原稿を皆様が目にするころ、環太平洋連携協定(TPP)交渉がどんな成り行
きになっているか判然としませんが、私は、今のTPP交渉への参加は反対です。
TPPにより、関税の自由化が進み、関係国との貿易の自由度が増します。安いコ
ストで生産されるなど競争力の高いものが有利に販売され、そうでないものは駆
逐される、これが自由貿易です。その結果、日本の経済がどう変化するのか、具
体的予測はついていません。確実に言えることは、競争が激化し、今まで以上
に、勝者と敗者が明確になることです。その結果、富の偏在が助長され、格差の
拡大が進みます。
TPPのもう一つの側面は、社会的規制の撤廃です。各国には、食品安全、社会保
障、医療制度、裁判制度などに関し独自のルールがあります。それぞれの国の歴
史、文化・伝統、産業の構造などが違っているから、独自のルールを設けている
のです。この違いこそが、各国の特色でもあり、個性でもあり、国をまとめる一
つの原動力でもあります。TPPは、こうした各国独自のルールをなるべく共通化
させる方向に進みます。これは、自由貿易や自由競争をする上では便利なことか
もしれません。しかし、その結果、各国の歴史や文化・伝統を踏まえた違いや特
色を失うことにつながりかねません。つまり主権国家としての、主権のあり方に
関わる問題とも言えるのです。
今の世界の多くも、日本のこれまでも、自由競争を基調にして成り立っているの
が現実です。世界の多くのルールが共通化される方向に進んでいるのも事実で
す。そのことによって、私たちの生活も随分と豊かになりました。ですから私
は、頭から自由競争などを否定しているわけではありません。しかし「自由」と
いう美名のもとでは、負の側面が見落とされます。負の側面を真正面からとら
え、国民の皆様にできる限りの説明をしたうえでなければ、TPP交渉に参加すべ
きではありません。
TPPは交渉ごとであり、その結果には、有利不利、あるいは勝ち負けがありま
す。勝てる見込みのない戦に入らない。これは極めて現実的な判断基準です。
1985年9月、プラザ合意が発表され、結果として、円の価値が倍増しまし
た。輸出が需要創出の大きな柱であった日本が、プラザ合意による人為的円高に
よって、日本の輸出産業は競争力を失うことになります。日本の経済のルールが
一変したのです。
1989年12月、東西冷戦が終結しました。当然、西側の一員であった日本の
外交や世界での立ち振舞いのルールが変わりました。1980年代後半までに、
経済も外交も、日本のおかれた環境が劇的に変化したのです。少子高齢化が世界
最高水準で進んでいます。公的債務も先進国中で最悪の状態です。
ルールが変更されたのですが、それに対応する新しい日本の国のあり方、目指す
べき方向が確立されていません。明治の日本の目指す方向は、文明開化や富国強
兵でした。戦後の日本は、経済の復興であり所得倍増でした。しかし、今の日本
には、国民全体が共有できる、国が目指すべき、明治や戦後のような大きな方向
が定まっていません。
福沢諭吉の『文明論之概略』の中に次の意味のくだりがあります。「近因は結果
の直接の原因なので発見しやすく、数も多いが一般性に欠ける。遠因は発見しに
くいが、一度発見すればもう動くことはない。」
ここ20年あまりの政治の混迷の一つ理由は、財政赤字克服や経済活性化など、
近因にばかりにとらわれて、遠因を探ることがなかったからです。ルールがいず
れ変化することに気づき、早くから手を打とうとしたのが故大平正芳総理です。
1979年大平総理は、長期政策に関する9つの研究会を設置し、田園都市構
想、環太平洋連帯構想や総合安全保障構想などを提唱しました。残念ながら、大
平総理は道半ばで急逝され、その構想の進化、浸透が叶いませんでした。
私たちは、今こそ、これまで成しえなかったルール変更後の「日本の中長期的な
あり方」を議論すべきです。これは骨の折れる作業ですが、これを行うことが、
福沢諭吉の指摘する「遠因の発見」につながり、ひいては安定的な国家のあり方
に繋がっていくのです。
国のあり方に対する大きな方針がないことが、原子力発電所やTPP問題混迷の真
因なのです。
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5)インタビュー記事
雑誌「ガバナンス1月号」(ぎょうせい)に、
地域主権改革に関する
私のインタビューが掲載されました。
是非、お読みください。
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今日は満月です。
今日もしっかりと前進します。
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2012・1・9 Seiji Ohsaka
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