徒然日記

5月19日 その2876 『逢坂誠二の徒然日記』(4520)




昨朝は、函館市内で
定例の朝食勉強会だった。

安保法制などについて、話をさせてもらった。

参加者の皆さんの反応は、色々だが、
全体的には、その内容について、
それほど深く周知されていない印象だ。

きっとこれが多くの国民の現実なんだと思う。

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昨日午後には、議員会館入りし、
超党派のLRT議連で、新型路面電車について、
鉄道総合技術研究所などから話を聞いている。

路面電車は言うまでもなく函館の重要なインフラだ。

そのあり方も含め、多面的に情報を収集したい。

1)いわゆる大阪都構想
いわゆる大阪都構想が、否決されて1日が経過した。

昨朝の新聞各紙は、大きく紙面を割いて報道した。

否決されたが、今回の一連のことの持つ意味は大きい。

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地域の自治のかたち、あり方を、
その内容の是非はともかくとして、
地域自らが考えて発信したこと。

それを発信だけにとどめずに、
国政の場にも働きかけて、
実現のための手立てを手に入れたこと。

これは凄いことだ。

これまでいくつもの自治のあり方が提起されたが、
ここまで具体的なプロセスに
引き上げたケースは、ほぼないものと思う。

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2012年に制定された
「大都市地域における特別区の設置に関する法律」では、
全ての関係自治体の議決によって協議会が設置され、
そこで特別区設置の具体的内容を盛り込んだ
協定書が策定される。

この協定書を再度、関係自治体で議決した後に
住民投票に付されることになる。

議決→法定協議会→議決→住民投票という、
ステップを踏むことになり、
市町村合併よりも手続きが多い。

市町村合併も、
住民生活に色々な影響を与えることになるが、
特別区の設置はそれ以上に影響が大きいため、
最終的には住民の判断を仰ぐことが
適当だと考えたためだ。

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しかし、住民投票など
多数決による直接的な民主主義には留意すべき点がある。

それは、住民の皆さんが、その内容について、
賛成意見や反対意見、問題点などを
少しでも深く理解しておくことだ。

この理解の程度が、多数決の結果に大きな影響を与える。

当該課題に対しあまり理解がないままに投票に臨めば、
雰囲気に流された人気投票的なものになりかねず、
後に後悔することになる可能性もある。

そうなっては後の祭りなので、
十分に理解を深める取り組みが重要なのだ。

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その理解を深める過程が最初の議決、
さらに法定協議会の議論、
そして二度目の議決だ。

ところが今回は、法定協議会から
二度目の議決に至る過程での議論は、
残念ながら十分とは言えなかったようだ。

本来、その過程の中で丁々発止の議論を行い、
その内容を市民も共有する取り組みが、
もっと必要だったのだと思う。

このためには一定の時間を要する。

ここを丁寧に行なうことは迂遠であり、
即、住民投票に持ち込んだ方が、
結果が早く出ると思いがちだが、
それは違っている。

この過程を丁寧に行い、
市民に分かりやすい確実生の高い
協定書を作成することができれば、
市民は賛成しやすいだろう。

逆にこの過程が不十分なら、
判断を市民に丸投げする格好に近くなる。

そうなれば市民には
実現される自治のあり方がよく分からず、
結果的に現状を変えない
との判断に傾く可能性が否定できない。

とにかく多数決の場合は、
事前の理解や学習を十分にに行うことが、
結果的に急がば回れとなることが多いし、
その過程の中で、特別区の内容も
より具体的で練られたものに進化させることができれば、
市民はより判断しやすいものと思う。

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今回の住民投票期間中に、
市民独自の学習の機会や場が、
後半になるに従って増えたと聞いている。

これは喜ばしいことと思うと同時に、
事前の学習が十分ではなかったことの
表れなのかもしれない。

扱うべき課題が大きく複雑になればなるほど、
十分な学習が必要だ。

それが無ければ市民は不安になって、
当該課題について否定的な判断を下す傾向が
強くなるのだと思う。

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これほど多くの皆さんが関わって、
これほど全国的な関心が高まった住民投票は、
過去になかったように思う。

今回の住民投票は、
いずれかの時期には実施されるであろう
憲法改正の国民投票の実施に対しても、
事前準備をどうすべきなのか、
選挙運動はどうあるべきなのかを含め、
数多くの示唆を与えている。

今回、構想が否決されたからといって、
大都市をはじめとする
自治の問題が解決されたわけではない。

継続してあるべき自治の姿を、
さまざま場面で考えなければならない。

さあ、今日もしっかりと前進します。
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      2015・5・19
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