徒然日記

使用済み核燃料【25年12月25日 『逢坂誠二の徒然日記』8394回】

午前5時の函館、雲が広がって星は見えません。3度程度でしょうか。日中は5度程度、終日、曇りの予報です。
昨日、東京での仕事を全て終えました。年末年始は地元を歩きます。

1)使用済み核燃料
原発を利用すれば、必ず使い終わったあとの「使用済み核燃料」が生じます。

使用済み核燃料は、放置すれば熱と放射線を発し続けるため、極めて長期間にわたる厳重な管理が不可欠です。当然、多額のコストも必要です。原子力発電は多くの課題を抱えていますが、この使用済み核燃料問題は、その中でも最も根源的で、避けて通ることのできない課題の一つです。

政府は、使用済み核燃料を再処理し、新たな燃料であるMOX燃料を製造して再利用する、いわゆる核燃料サイクルを推進しています。本来その目的は、使用済み核燃料の量や管理負担を軽減することにあったはずです。

核燃料サイクルには、二つの柱があります。
一つは、高速炉を用いて、使用した以上の燃料を生み出すという構想です。しかし、この構想の中核とされた高速増殖炉「もんじゅ」は破綻し、実用化の道は閉ざされました。
もう一つが、一般の原子炉でMOX燃料を使用する、いわゆる軽水炉サイクルです。しかし、軽水炉でMOX燃料を使用しても、当然、新たに「使用済みMOX燃料」が生じます。この使用済みMOX燃料は、通常の使用済み核燃料よりも性状が複雑で、管理や最終処分は一層困難になります。

本来、使用済み核燃料問題への対策として導入されたはずの核燃料サイクルが、結果として、より処理の難しい使用済みMOX燃料を生み出している現状は、問題の解決とは言えません。むしろ、課題を形を変えて将来に先送りしているに過ぎないと言わざるを得ません。

国際的に見れば、使用済み核燃料は再利用せず、長期にわたり安全に管理・処分するという考え方が主流になりつつあります。日本においても、理論上の「理想のサイクル」に固執するのではなく、現実に処理と管理の責任を果たせる道を、正面から議論することが求められています。

私は、使用済み核燃料問題に向き合う原則として、次の二点が重要だと考えています。
 *使用済み核燃料は再使用せず、長期間にわたり責任をもって管理・保管すること
 *これ以上、使用済み核燃料を極力発生させないこと
この原則に立ち返り、将来世代に過度な負担を押し付けないエネルギー政策への転換を、考えてまいります。

【25年12月25日 その6697『逢坂誠二の徒然日記』8394回】
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皆様のコメントを受け付けております。

  1. おっしゃる通りだと思いますし、使用済み核燃料の問題は他ならぬこのブログで逢坂さんから学びました。
    立憲民主党のエネルギー政策も基本的にはこの認識に立ったものと理解しています。

    ところが特に最近、党の最高顧問や前代表が相次いで原発建て替えを肯定する発言をしていますね。

    新しい原発なら使用済み核燃料の問題はないとでもいうのでしょうか?
    新しい原発なら「安全」だと、何の根拠、責任をもって言えるのでしょうか?
    原発をこれから立て替えて稼働させ、一体どうやって2050年までに「再生可能エネルギーによる発電割合100%」を実現するのでしょうか?

    意図は国民民主党や公明党への擦り寄りなのか何なのかわかりませんが、内容もさることながら、党の要職にある人/あった人が、現行の党の政策とはほぼ正反対の主張を、党内での正式な議論や決定を経ずして講演やらSNSやらでなし崩し的に発信する。安保法案の合憲性についてもそうでしたが、これではもはや立憲民主党がどのような現状認識で何を目指している党なのか全く見えず、政党の体をなしていないと思います。

    一昨日、そして昨年の大晦日の人口減少についての記事は私にとってはこれ以上ないほど明快で、これが理解されないというお話に驚愕しましたが、背景にはそんな立憲民主党への不信もあるのではないでしょうか。

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