徒然日記

電子文書と紙文書【25年11月16日 『逢坂誠二の徒然日記』8355回】

午前5時の函館は気温が零度近くまで下がっています。雲が少なく、西にはオリオン座が見えます。日中も概ね晴れで、11度程度になる見込みです。

1)電子文書と紙文書
紙文書のスキャン動画について、予想以上のご意見を頂きました。

肯定的なものから批判的なものまで幅広く、今の社会における電子化の“こなれなさ”を、改めて実感する機会にもなりました。しかも私がやってもいない、電子データを印刷し、それをスキャンしたと書き込んでいる方が多いのには、驚きです。動画も見ずに単に批判だけの書きこ込みをしているということなのでしょうか。やれやれです。

電子化は、時代の趨勢であり、私自身その推進側にいます。新聞や雑誌・書籍、業務文書など、電子で対応可能なものは、極力そちらを活用しています。しかし一方で、紙と電子それぞれのメリット・デメリットを、考え込む場面も多くあります。(このことは以前にも日記で触れたかもしれません。)

まず保管性は、紙と電子の差が最も大きく表れるところです。
紙文書は千年単位で残る実績があります。一方、電子文書を千年保存する方式が存在するのか、私には分かりません。事実、私が大学生の頃に作った電子データの多くは、今となっては読み込みすらできません。たった半世紀前のものがこの有り様ですから、電子データの保存は、国レベルでの大規模な取り組みが本来必要な課題と言えます。

次に一覧性です。
紙文書は複数ページを並べ、一度に俯瞰できます。新聞紙の見開きのように、視界に情報が一気に飛び込んでくる強みがあります。タブレットでも画面分割はできますが、同時に開けるのはせいぜい3つ程度で、画面サイズも限られます。「一望できる」という点では、紙に軍配が上がります。

また、電子文書は能動的に探さなければ存在に気付きませんが、紙文書は“そこにある”だけで目に入ります。情報に偶然出会う可能性が残されているのです。

とはいえ、電子文書には紙にはない大きな利便性が数多くあります。
何より、軽い。以前は資料や新聞、書籍を大きな鞄に詰めて国会に通っていた結果、腱鞘炎になりました。しかし今はタブレット1枚で済みます。

検索性能の向上も大きな進化です。PDFが登場した当初は検索も書き込みも不自由でしたが、現在は手書き・タイピング・貼り付けなど多様な注記が可能で、検索の精度も不十分ですが随分と改善しました。
電子文書は、紙が持ち得ない機能を備えています。

ただし、電子化が趨勢であることと、電子文書が万能であるかどうかはイコールではありません。

特に、公文書の観点から見た場合、最大の課題は「長期保管」です。
これは極めて難しい問題であり、本来は国として総力を挙げて取り組むべきテーマです。電子化を進めるのであれば、保存性と原本性、形式の標準化など、大きな制度設計が不可欠です。
紙と電子、それぞれの長所と限界を直視しながら、社会としてどのようなバランスで電子化を進めるのか。

今回の動画への反応は、その問いを、改めて考え直すきっかけにもなりました。

【25年11月16日 その6658『逢坂誠二の徒然日記』8355回】
ohsaka.jp/support.html
go2senkyo.com/donate/agree/123556
#逢坂誠二 #立憲民主党 #立憲 #立民 #政治家 #国会議員 #衆議院議員 #函館 #五稜郭 #函館 #電子文書 #紙文書

  
  

皆様のコメントを受け付けております。

記事に投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です