徒然日記

食料・農業・農村基本計画(逢坂誠二の徒然日記)

【25年4月13日 『逢坂誠二の徒然日記』8138回】
午前5時の函館は、昨夜の好天と打って変わり、街全体が霧に包まれ弱い雨が降っています。路面の車のライトで光っています。朝の気温は8度程度。日中も雲が多く雨がちで、気温も8度にまでしか上がりません。

1)食料・農業・農村基本計画
一昨日、「食料・農業・農村基本計画」が閣議決定されました。国際的な不安定要因や国内の人口減少を背景に、食料安全保障の強化がこれまで以上に重要な政策課題として位置づけられています。中でも私が以前から重視してきた「食料自給率の向上」「農業人口(担い手)の確保」「飼料および肥料の安定的な確保」は、我が国農業の基盤を維持・強化するための中核的なテーマとして、計画の中に明確に盛り込まれました。

まず、食料自給率についてです。カロリーベースの自給率は、1980年代には60%台を維持していたものの、長期的に低下し、2023年度には38%まで落ち込みました。今回の計画では、2030年度に45%への引き上げを目指すとしています。これは生産額ベースで69%、摂取熱量ベースで53%という目標と合わせて、従来の減少傾向に歯止めをかけ、段階的な回復を図るものです。

米・麦・大豆・野菜といった基幹作物の増産や、備蓄・スマート農業の導入による生産性向上といった施策が示されていますが、報道や専門家の中には「この目標は過去にも掲げられながら実現できなかった」との指摘もあり、目標の現実性については慎重な見方もあります。現実には人口減少や高齢化が進む中で、生産基盤の維持自体が厳しくなっており、政策の具体化と財源措置が不可欠です。

次に農業人口の確保です。2000年に約240万人いた基幹的農業従事者は、2024年には111万人と半減し、70歳以上が大多数を占める状況です。計画では49歳以下の担い手数(2023年時点で4.8万人)を2030年まで維持する目標を掲げています。これは現実的な範囲で減少傾向に歯止めをかけ、持ち直しを図るものと受け取れます。

就農支援制度の整備や、親元・雇用就農への支援、地域ぐるみの環境整備など、担い手確保に向けた政策も盛り込まれています。一方で、こうした取り組みが十分な成果につながるかどうかについては、計画倒れを懸念する声も聞かれます。特に、地方では農地の集約・維持の担い手すら確保が難しい地域もあり、地域間格差の是正と丁寧なフォローが求められます。

また、飼料と肥料の確保は、近年の国際リスクやコスト上昇を受けて重点分野とされました。飼料については、自給率を27%から28%に引き上げ、約100万トンの備蓄を維持するとしています。水田を活用した青刈りとうもろこしの生産や、飼料用米からの転換、地域資源の活用など、循環型の飼料体系づくりを目指しています。

肥料では、輸入依存度の高いリン、窒素、カリについて国内資源の活用比率を大きく高めるとともに、りん安・塩化加里の3か月分備蓄、スマート施肥技術の導入も掲げられています。これらは方向性として妥当であり、実行されれば国際リスクに対する備えとなりますが、そのためには制度設計の精緻化と技術導入を支える財政措置が必要です。

今回の計画は、全体として「減少に歯止めをかけ、回復への足がかりを築く」方向でまとめられており、現実的な政策として一定の評価ができます。しかし、報道各社や専門家の論調でも共通して指摘されているように、計画に盛り込まれた数値目標や構造転換の方向性が実現されるためには、相当の政治的意思と財源が求められます。

真に食料安全保障を確立するには、農業を戦略産業と位置づける法制度の見直し、流通改革、農村インフラの整備など、複合的で長期的なビジョンが必要です。今回の基本計画はその第一歩であり、今後の政策実行と進捗管理が真価を問われることになります。私自身、引き続きこの計画の動向を注視し、より実効性のある政策の実現に向け、全力を尽くしてまいります。週明けに、農水省と計画の進行管理について、打ち合わせを行います。

【25年4月13日 その6441『逢坂誠二の徒然日記』8138回】
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