徒然日記
社人研推計の早急な修正(逢坂誠二の徒然日記)
函館の朝です。ウクライナとアメリカの首脳会談が激しい口論の末、決裂、合意文書への署名に至りませんでした。今後、どのような方向に進むのか全く予断を許さない緊迫した状況になっています。
1)社人研推計の早急な修正
日本の出生数の低下が止まりません。昨年1年間に生まれた子どもの数は、速報値で72万人余りと前年より3万7000人余り減少し、統計を取り始めて以降、最少です。国立社会保障・人口問題研究所の予測では、外国人などを含めた出生数が73万人を下回るのは2039年と推計しており、想定より15年早く少子化が進行しています。
社人研の人口推計は、政府や自治体、企業の政策や戦略の基盤となる重要なデータです。しかし、今回のように15年もズレが生じたという事実は、従来の推計モデルが現実に即していなかったことを示しています。
したがって、最新のデータを基にした修正推計をできるだけ早く公表し、それを基に政策の見直しを進めることが急務です。急激な人口減少、さらに推計のズレは、「危機が現実化している」ことの表れです。来週、厚労省、社人研と話をします。
2)再び原発の避難計画
日本の原子力発電所はすべて、過酷事故が発生しないことを前提に立地されてきました。そのため、原発の建設時には過酷事故が発生した際に住民が安全に避難できるかどうかを十分に検証することなく進められてきたのです。
私がニセコ町長時代に、議会からの要請もあり、泊原発の事故に備えて防災計画(避難計画)の策定を始めようとしました。すると道庁から、避難計画の策定は「慎重に」との連絡が非公式に入りました。
その理由は、日本の原発は重大な事故は起きないことが前提であり、また避難計画の策定義務は原発から半径10kmの範囲の自治体に限られ、直線距離で30km弱に位置するニセコ町にはその義務がない、というものでした。道庁からの連絡には、事故も起きない、策定義務もないのにあえて避難計画を策定すると、いたずらに住民の不安を煽ることになるという雰囲気が強く感じられました。
役所用語で「策定は慎重に」というのは、「策定するな」ということをやんわり伝えているのだと理解しました。結局、ニセコ町では避難計画を策定しませんでした。これが30年近く前の現実です。
しかし、東日本大震災後の福島第一原発事故を受けて、日本の原発でも過酷事故が発生する可能性があることを政府も認めるようになりました。これを受け、30km圏内の市町村には避難計画の策定が義務付けられています。
もちろん、30年前には策定を控えるよう求められたニセコ町にも策定義務が課せられ、現在では避難計画を策定しています。しかし、私の目から見れば、避難用バスの確保が困難なことをはじめとして、実効性のある避難計画とは到底思えません。
このように、過酷事故に対応する実効性のある避難計画を策定することは非常に困難であるにもかかわらず、現在、全国の自治体で避難計画の策定が進められています。その背景には、市町村が国からの有形無形の支援と称する圧力を受け、計画の策定を迫られているという指摘があります。
日本の避難計画の問題は、単に自治体の対応力にとどまらず、国の政策そのものに起因しています。現行の避難計画策定の枠組みでは、過酷事故時の避難が実際に可能かどうかを厳しく検証する仕組みがなく、計画の策定自体が目的化しているのです。
このような状況を踏まえ、原子力規制委員会の審査基準の中に避難計画を含めるべきとの議論があります。しかし、現在の原子力規制委員会は、独立した立場を失い、国の原発推進政策と歩調を合わせているとの指摘もあります。規制委員会の審査が形骸化している現状では、避難計画の審査が適合性審査に加わったとしても、実効性の確保にはつながらない可能性が高いのです。
1984年、アメリカのニューヨーク州でショアハム原発が完成しました。しかし、住民から避難計画の実効性を巡る懸念が相次ぎ、この原発は一度も稼働することなく、1989年に廃炉が決定されました(正式な廃炉は1994年)。国民の命を守るために、こうした判断をするのが政府や政治の役割であり、このような政府なら信用できます。
しかし、今の日本の政府は、避難計画の実効性が確保できない地域に対しても、無理に策定を進めさせています。政府の影響下にある規制委員会への信頼は十分とは言えません。しかも、原子力規制庁の幹部には経済産業省出身者が多数を占めています。
したがって、現時点では市町村が避難計画を策定する現在の方式のほうが望ましいと考えます。その理由は、国からの市町村への圧力があるとはいえ、市町村が強く反発すれば、その圧力に抵抗する余地があるからです。規制委員会の審査事項に含まれてしまうと、市町村がいくら反対しても、審査に合格すれば口を出すことができなくなります。
もちろん、将来的には原発を推進する国から真に独立した機関が、地域住民も参加できる形で避難計画の審査を行い、計画の実効性が担保できない原発については廃炉を判断できる仕組みを検討することが重要です。
【25年3月1日 その6398『逢坂誠二の徒然日記』8095回】
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