徒然日記

憲法議論/逢坂誠二 #7727

【24年2月27日 その6030『逢坂誠二の徒然日記』 #7727】

夜明け前の都内、雲が少なめです。今は4度程度。南西の空に月齢17を過ぎた月が浮いています。多少の星も見えます。日中は11度程度、終日、晴の予報です。

1)憲法議論 憲法といえども、決してすり減ることのない「不磨の大典」ではありません。したがって一字一句変えてはならないというものではありません。社会の変化に応じて、不断の見直しが求められています。
その見直しを行う主体は、憲法で命令される側の国会ではなく、主権者である国民自身です。ここに立憲政治の核心があると考えています。 ところが最近の憲法議論を見ていると、この立憲政治の核心が揺らいでいます。
1月30日、岸田総理は施政方針演説で次のように述べました。
「総裁任期中に改正を実現したいとの思いに変わりはなく、議論を前進させるべく、最大限努力したいと考えています。今年は、条文案の具体化を進め、党派を超えた議論を加速してまいります。」
本来「まな板の上の鯉」である公権力の側の総理自身が、期限を区切った上で、「条文案の具体化」と「議論を加速」することに言及したことに、私は大変驚きました。私は、本来の当事者である国民自身の議論を喚起することこそが重要であり、そのための素材を提供するという謙虚な姿勢で、憲法議論に臨みたいと思っています。
「私たちは、立憲主義を深化させる観点から未来志向の憲法議論を真摯に行います。」
これは、立憲民主党の綱領の一文です。綱領の素案は私が書きましたが、この一文もそうです。
立憲主義: 権力者(国会議員、公務員、裁判官など)の権力濫用を抑えるために憲法を制定するという考え方です。
立憲主義を深化させるとは、権力者の権力の濫用を抑制する方向で考えを深めることです。
未来志向、この言葉は難しいのですが、いくつかの思いを込めています。
未来志向といえば、過去を一切不問に付すかのように聞こえるかもしれませんが、もちろんそうではありません。
日本国憲法の、国民主権、基本的人権、平和主義、この三大原則を守ることは当然です。日本国憲法の平和主義は、先の戦争への反省に基づいて基本原則として採用されたものです。三大原則を守るということは、過去への反省を前提にした未来志向であることはいうまでもありません。
日本国憲法の成り立ちについて色々なご意見があることは十分承知しております。特に安倍元総理は、繰り返しそのことを指摘していました。 その一方、今の日本国憲法は施行後70年以上が経過し、この憲法のもとで日本の様々な営みが行われてきたのは厳然たる事実であり、その事実を消し去ることはできません。したがって成り立ち云々をことさらに強調するのは意味を成さないとも言えます。
未来は、過去の積み重ねと今の延長線上にあり、時代や社会は動いていいます。
過去を踏まえた上で、時代の変化などに合わせて憲法をより良くするために、変えるべきところがあれば積極的に対応する、これが私の思う未来志向の憲法議論です。
今私が危惧しているのは、憲法を変えること自体が目的化している議論が多いのではないかということです。 立憲主義を深化させる観点から、憲法議論をまじめにひたむきに行うことは、憲法の役割、その意義を常に確認する点からも極めて大切なことです。 しかしとにかく憲法を変えたい、どこか変えやすいところからとりあえず変える、こうしたことが目的化する議論は不見識だと私は思います。
特に数の力で、議論を押し切る姿勢は慎まねばなりません。
私は、いずれかの日には、憲法改正の必要があると思っています。
しかしその際には、多くの国民が納得する結果となるよう、私たちは努める必要があると考えます。よもや国民の対立を煽り、国民が分断されるようなことはしてはなりません。

さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2024.2.27===

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