徒然日記
23年3月27日 その5693『逢坂誠二の徒然日記』(7390)
1)地域の資源を地域に住む我々が楽しむ
以前も書いたような気がしますが、改めて書きます。
全国の皆さんから地域づくりについて相談を受けることがあります。地元に良いものがあるのに売れないから何とか販売数を伸ばしたい。もっと観光客が増えるような取り組みをしたいなど、色々な相談があります。新しい販路を開拓して販売数を増やす、観光PRを強化して入り込み数を増やすなどの取り組みは重要なことです。それを否定するものではありません。しかし私はもっと大事なことがあると考えています。
まずは地域に住む人たち自身がその地域の真の魅力、長所、アピールポイントを知るこことです。私ならば、道南地域の何が魅力なのかを徹底的に考え尽くすことです。夜景、五稜郭など、一般的に指摘されているものは、当然、函館の魅力です。しかしその魅力ももっと掘り下げる必要があります。函館山からの夜景が最もポピュラーですが、それ以外の場所、例えば、きじひき高原からの夜景も実に魅力的です。その他にも、函館夜景を楽しめる場所が複数あります。このように魅力と言われているものをさらに掘り下げることで、地域の魅力の幅がさらに広がります。
食べ物も同様です。函館の名物はイカです。(最近は漁獲量が減っていますが。)イカ刺し、イカ塩辛、イカ焼き、イカ飯など代表的な食べ方がありますが、もっとバリエーションを広げるのも魅力を進化させる一つの方法です。とにかく地域の魅力を自分たち自らが探すことが大事なのです。過疎、これは魅力ではないように思われますが、見方を変えるとこれも長所になり得ます。まず地域や地域の資源を徹底的に眺めて、何か魅力か、長所かを考えることが大事です。この魅力、長所を考える際には、既成概念にとらわれずに、よそ者の視点で考えることが重要です。
次にそれを売り込むことが一般的な地域づくりのパターンです。もちろんそれをやるなとは言いませんが、私はその前にやるべきことがあると考えています。それは地域の魅力や長所を、その地域に住む方々が徹底的に利用することです。美味しいワインがあるならば、地域でそれをどんどん飲むことです。心に刺さる風景、場所があるならば、その風景などを、その地域に住む人が徹底的に楽しむことです。
ドイツにフランケンワインという美味しい白ワインがあります。最近は日本でも流通するようになりましたが、以前は、ドイツ、それもフランケン地方に行かなければ、なかなか飲む機会がありませんでした。とても美味しいワインなので、産地で飲み尽くして輸出する余裕はないというのです。そんな話を聞くとドイツに行って飲みたくなってしまいます。
レストランや商店もそうです。よそから来る方が利用できないくらい、地元の人がどんどん利用し、地元でしか食べられないものを楽しむことが重要です。地域の魅力や売り出したいものなどを、地域に住む方々自らが楽しむことが重要です。私は、これが地域づくりの一つの勘どころだと、私は考えています。(をもちろん地域ではほとんど販売されていないものであっても、その地域の名物として他所で売られているものもありますが、それはそれで結構なことです。)
こうすることによって地域外の皆さんに、その地域に対する羨望のような気持ちを抱いてもらえるかが鍵です。
道南の魅力を徹底的に洗い出す
その魅力を道南に住む我々自らが利活用する
道南以外の地域の皆さんが道南に対する羨望の気持ちを抱く
そうすることで来訪者が増えたりモノが売れたりする
少し単純化して書きましたが、この流れをうまく作ることが大事だと考えています。
単にモノが売れる、単に来訪者が増えるではない、地域に根ざした潤いを実現する必要があります。
これまで私が見てきた国内外の活性化の事例には、このことが共通しているように思います。
さあ今日も ブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2023.3.27===
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