徒然日記

22年12月29日 その5605『逢坂誠二の徒然日記』(7302)

夜明け前の函館は極弱い雪が舞い、路面が薄っすらと白くなっています。気温は氷点下3度程度ですが、湿り雪です。日中は雪から曇り、氷点下2度程度とあまり気温の変化はありません。

1 )国会を機能させない
政治家の役割は、社会の様々な利害を乗り越えて、国民の命と暮らしを守るために、将来を見据えてあらゆる対策を講ずることです。日常の国民生活、経済活動の中では、予見し難い課題を探知し、危機に遭遇しないために予防的な行動を提起するのも政治の役割です。
大きな発電所を中心とする今の電力システムを、再生可能エネルギーを中心とする小規模分散型の新しいエネルギーシステムに移行すること。これによって少しでも地域でお金が回る地産地消型の社会に転換すること。年齢や職業に関係なく学びたいと思ったら誰でもが学ぶことのできるよう教育の機会を拡充すること。個々人の学習の度合いや境遇に応じて柔軟に対応できる多様な教育を実現すること。これは一例ですが、こうした政策を通して希望の持てる社会像を指し示すこと、これも政治が行うべきことです。
しかし今の政治を見ているとどんな社会像を描こうとしているのか、全くの五里霧中状態です。
細かいことに見えるかもしれませんが、経済産業省と原子力規制庁との関係は日本の現実を象徴するような出来事です。
原発の運転期間の見直しに関し、原子力規制庁と経産省は、規制委員会で議論になる以前の7月28日から両者が直接会って法案検討の議論を開始し、 9月末までに7回実施されたとのこと。電話でのやりとりは数十回に及ぶと言います。さらに最悪なのはその面談記録もないのです。この実態を与党や政府の政治家がどの程度知っていたのかはわかりません。知っていたとすれば政治家としての役割の放棄です。知らなかったとすれば、官僚たちの暴走です。
日本の原子力行政は、規制と推進が一体化して、健全に機能していませんでした。そこで3.11以降、政治の判断として、規制(原子力規制庁)と推進(経済産業省)を分離して、特に規制側には強い独立性を持たせたのです。これをぶち壊すのが、今回の規制庁と経産省の談合です。
国会に来て17年が経過しますが、常に情報非公開、談合、ルール破りなどが横行しています。国会を機能させないことが、これが日本の本質に思われてなりません。
予備費の乱発、安保3文書、原発利用期間の延長など、いずれも国会の関与を避けています。国会を機能させないことは、一見すると政策の実行が早く、政府や与党には都合が良いのかもしれません。しかし民主主義は過程が命です。開かれた場で議論したという痕跡が重要なのです。結局は、急がば回れであり、議論の積み重ねが社会も人も成長させるのです。

さあ今日もブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2022.12.29===
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皆様のコメントを受け付けております。

  1. こんにちは。

    日本政府の情報公開、聞きしに勝るお粗末というか、悪辣ですね。
    ご存じだと思いますが、ジャーナリストの神保さんと情報公開クリアリング
    ハウスの三木さんの対談動画です。ご参考までに。
    ―――(引用)―――――――――――――――――

    概要

     情報公開請求にかけては日本の第一人者の三木由希子氏とジャーナリストの神保哲生が情報公開をテーマに月1回お送りしているディスクロージャー&ディスカバリー。

     今回は三木氏が理事長を務めるNPO法人「情報公開クリアリングハウス」が原告となっている新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の情報公開訴訟を取り上げた。

     2020年初頭に新型コロナウイルス感染症の蔓延が始まって以来、日本では基本的なコロナ対策はすべて新型コロナウイルス感染症対策専門家会議で議論され、政府はその決定を追認する形が取られてきた。その意味では、少なくとも過去2年あまりにわたり、この専門家会議がすべての日本国民の生殺与奪を握ってきたと言って過言ではないだろう。

     しかし、それだけ大きな権限を持ったこの会議の議事録が保存されていないと聞いたら、どう思われるだろうか。

     公文書管理法の行政文書管理ガイドラインでは、政府の専門家会議は発言者名と発言内容を含む「議事の記録」を作成しなければならないとされている「懇談会」にあたる。ところが、コロナ専門家会議だけは、発言者名のない議事要旨しか作成されおらず、菅官房長官は2020年6月1日の会見で「議事の記録」は、「発言者と発言内容が1対1で紐付いていないこともあり得る」との考えを正式な政府見解として示してしまった。これによって、これまでの有識者会議の公文書管理の基準がなし崩し的に変えられてしまう恐れが生まれている。

     元々、公文書管理法は行政機関の文書の作成義務を定め、意思決定に至る経緯を合理的に跡付けることができる記録の作成を義務付けているが、具体的な運用は各省庁の判断に任されてきた。しかし、東日本大震災と福島原発事故への対応をめぐり、政府の記録が作成されていなかったことが問題となり、それ以来、会議の議事録については発言者と発言内容を含む「議事の記録」の作成が義務付けられるようになった。

     ところがここにきて政府が新型コロナ専門家会議の記録で、発言者と発言内容が紐づいていなくてもよいという珍見解を出してしまったことで、あれだけの犠牲を出した東日本大震災と福島原発事故の教訓として一度は確立されていたはずの「議事の記録」の基準が大きく後退しかねない状況だ。

     三木氏の情報公開クリアリングハウスが専門家会議の「議事の記録」の情報公開請求を行ったところ、政府見解通り発言者名が記載されていない「議事要旨」が公開された。これを受けて三木氏らは、自分たちが請求した発言者名が記載された「議事の記録」が公開されていないとして情報公開訴訟の提訴に踏み切った。公文書管理法の行政文書管理ガイドラインは発言者名と発言内容を含む「議事の記録」を作成しなければならないことを定めているからだ。

     情報公開法に基づく開示請求に対しては、文書の公開・非公開のほか、「文書の特定」という決定も含んでいる。本来特定されるべきものとは異なる文書が特定された場合、その決定の取り消しを求める訴訟が提起できるのだ。三木氏らの主張は、ガイドラインで「議事の記録」には発言者と発言内容を含むとされているため、今回公開された発言者名が記載されていない議事要旨では「議事の記録」の要件を欠いており、公開を求めた文書には当たらないというものだ。判決は2023年1月20日に東京地裁で出される。
    https://www.videonews.com/disclosure_discovery/3
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