徒然日記
21年1月17日 その4895『逢坂誠二 の徒然日記』(6592)
6434人が亡くなった阪神淡路大震災から
26年目の朝を迎えました。
その日、神戸からニセコに修学旅行に来ていた
高校生の家族の安否を確認したり、
当時の役場の篠原係長が機転をきかせて、
彼らがニセコを離れる際に
水を持たせたことなどを思い出しています。
あれから随分と時間が経過しましたが、
改めて備えを確認せねばなりません。
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コロナワクチンの承認への期待が高まっています。
昨年12月18日には、ファイザーのワクチンが、
日本での薬事承認申請を行っています。
田村厚労大臣は2月中旬頃には
承認されるとの見通しを示しています。
私も多くの方から
ワクチンの接種開始を望む声を聞きますし、
私も、それを望む一人です。
今回のファイザーのワクチンは
メッセンジャーRNAを使った、
初の実用化ワクチンとなります。
ワクチンで問題になるのが、副反応です。
(普通の医薬品で言うところの副作用です。)
通常、ワクチン開発は10年もかかると言われていますが、
ファイザーに限らず今回のコロナワクチンは、
極めて短期間で開発が進んでいます。
報道によれば、
ファイザーの第3相臨床試験(P3)で、
有効率90%以上の予防効果があったようです。
このP3は4万4千人近い方が登録した治験です。
日本国内では、
昨年10月20日から20~85歳の
日本人160人を対象にP1・P2試験が行われています。
この海外のP3結果と国内のP1・P2結果も合わせて
厚労省は承認の判断をすることになる、
私はそう見ています。
つまり日本ではP3は行わないということです。
ここで留意が必要なことがあります。
アメリカでの緊急使用許可は、
通常の医薬品承認とは異なり、
特例として患者に未承認医薬品の使用を認める措置で、
正式な承認ではないことです。
レムデシビルも同様でした。
アメリカの緊急使用許可後、
WHO が行った臨床試験では死亡率の改善効果が認められず、
レムデシビルの使用を推奨しないとWHOは勧告しました。
最終的にアメリカ食品医薬品局(FDA)とWHOで
レムデシビルの有効性に関する見解が割れているのです。
(日本ではアメリカの緊急使用許可をもとに正式承認しています。)
今回のワクチンもそうなるとは言いませんが、
緊急使用許可はフルセットの承認ではなく、
限定された臨床試験データによって
判断していることを認識すべきです。
加えて日本人への試験が160人しかいないこと。
こうしたことから現時点で
私は以下のような印象を持っています。
*
ワクチンの有効性はある
*
副反応のリスクは確定していない
特にワクチン接種後にウイルス感染した際に
症状が悪化する抗体依存性感染増強(ADE)については、
時間が経過しなければ、どうなるか分かりません。
*
日本人への安全性は未確定
医薬品もワクチンも同様ですが、
副作用や副反応のリスクと、
病気のリスクを天秤にかけて接種などを
判断するのが通例です。
ワクチンへの国民期待は高い一方、
日本で十分なP3試験を行うことは難しいと思われます。
厚生労働省はこうしたことも
確実に説明した上でワクチン接種の
準備を進めるべきです。
また実際にその作業にあたる自治体も
相当に苦労しております。
その点にも十分に配慮しなければなりません。
昨日の道連の常任幹事会では、
我々も実施主体となる市町村からも情報収集を行い、
不都合な点への確実な対応を行うことも確認しております。
今日もブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2021.1.17===