徒然日記
20年9月28日 その4784『逢坂誠二 の徒然日記』(6481)
9月も最後の週です。
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人口減少が、今の日本の大きな課題であることは論を待ちません。
しかし人口減少の原因は何であるのか、
あまり的確に把握されていない印象があります。
女性の社会進出、核家族化の進行などが原因だ
と言われることがあります。
だから子育て支援策を講ずるべきとの指摘も多くあります。
幼稚園や保育所の充実など
公的子育て支援策を講ずることが重要だ
と今も言われています。
しかし少子化の本質的な理由は、
女性の社会進出でも核家族化でも無い
と私は認識しています。
このことに関し、
広井良典先生の『人口減少社会のデザイン』(東洋経済新報社)
で分かりやすく説明されています。
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結婚カップルの子どもの数はさほど減っていません。
1997年:2.19
2005年:2.09
2010年:1.96
2015年:1.94
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一方、未婚化、晩婚化が進んでいます。
20代後半女性の未婚率:
1970年は20%弱、2015年60%以上
30代前半男性の未婚率:
1970年は10%強、 2015年は47.1%
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またOECDの調査によれば、
OECD各国ではかつてと異なり最近は、
「女性の就業率が高い国の方が概して出生率も高い」
との傾向があります。
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20代から30代の男性に関する2011年の内閣府の調査です。
年収300万円未満の既婚者:
20代8.7%、30代9.3%
300万円以上400万円未満の既婚者:
それぞれ25.7%、26.5%
30代男性の結婚率:
非正規雇用27.1%、正規雇用60.1%
==以上、引用終了==
これらの事実から、
「不安定な雇用や少ない収入を理由とする未婚化、晩婚化」が
日本の少子化の大きな要因と言えるのだと思います。
もっと端的に言えば非正規雇用が少子化の要因です。
結婚後や就業女性の子育て支援も必要な政策ですが、
結婚したいけれども結婚できない方々への
支援が必要だということが分かります。
少子化対策のために子育て支援が必要だ
と紋切り型のように言われますが、
少子化対策のためには
雇用の安定と収入の確保が必要なのです。
政策の力点を変えなければなりません。
今日もブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2020.9.28===
少子化の根柢の理由が、大変よく理解できました。まさに目から鱗の感です。