徒然日記
19年12月10日 その4491『逢坂誠二 の徒然日記』(6188)
昨日で200臨時国会が閉会しました。
昨夕の総理の記者会見を見て、
本当に気持ちが悪くなりました。
「令和の時代を迎えた日本も今、新しい時代への躍動感にみなぎっています。」
総理は冒頭の発言で
このようなことを話しています。
妙に高揚している感じがします。
リーダーたるものもっと抑制的、
謙抑的であるべきです。
時代の良さを無理に繕っている雰囲気に、
痛々しさを感じます。
そして憲法にも言及しましたが、
これも大きな勘違いをしています。
「憲法改正というのは、決してたやすい道ではありませんが、必ずや、私自身として、私の手でなし遂げていきたいと、こう考えています。」
「憲法改正を私の手でなし遂げていきたい」
というこの一言で、総理が立憲主義や国民主権を
理解していないことが分かります。
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2007年元旦の年頭所感で安倍総理が
「憲法改正国民投票法案について、本年の通常国会で成立を期す」
と述べました。
4日の年頭記者会見では
「憲法改正をぜひ私の内閣で目指していきたい。参議院選でも訴えたい」
とも述べたのです。
憲法改正の主役は国民です。
しかし総理はそうしたことを理解せず、
「憲法改正をぜひ私の内閣で目指していきたい」と
自身が主役であるかのような発言をしたのです。
これによって円満だった憲法調査会の議論が、
一気におかしなものになってしまいました。
そして憲法改正国民投票法案が
強行採決されることになりました。
当時、憲法調査会のメンバーだった私には、
今もこの強行採決によるしこり、違和感があります。
憲法改正に前のめりになる安倍総理の発言が、
実は憲法議論の阻害要因になっていることを
なぜ総理は理解できないのでしょうか。
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今国会では日米貿易協定について、
十分な議論がないままに
国会で承認されました。
この協定、TPP11などによる
影響額も対応策も明確に示されず、
議論不十分な中での承認です。
日本の食料をどう守るかの根幹議論はありません。
また今国会冒頭で明かになった
関電の不適切な金品受け取り問題も
政府は全く説明する気がありません。
大学入試共通試験の記述式をどうすかも、
政府は国会終了後に判断するようです。
自衛隊の海外派遣も
国会が閉会してから決定する方向です。
経済対策も規模は示されましたが内容は不明です。
何もかにも、不都合なことは先送りです。
不都合なことは見ない、言わない、聞きかない、
見ざる言わざる聞かざるの「さんざる内閣」です。
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毎度まいど、国会のたびに公文書や
情報のことが問題になります。
そのことだけで
国会の多くの時間が消費されます。
この異常な状態を
何とかしなければなりません。
そのためには、情報公開や公文書管理を
行政府から独立させる必要があります。
行政府からの独立性の強い
公文書記録管理院設置法案を国会に提出済です。
この内容に沿って、
公文書管理などの内閣からの独立制を
確実に実現しなければなりません。
今日もブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2019.12.10===
パフォーマンスとしか言いようのない会見もそうですが、改竄隠蔽、どんな酷いことをやっても支持率が下がらない(45%、NHK)ことも気持ち悪いです。
以前なら人々の間に共通の前提としてあったことが失われている、例えば中曽根さんの時代にこんなことがあったら、内閣が吹っ飛んだだろう、という識者のコメントを見かけました。