徒然日記
18年10月25日 その4080『逢坂誠二 の徒然日記』(5777)
昨日、197臨時国会が召集された。
会期は12月10日までの48日間だ。
総理所信演説は、具体性に乏しく、
「新しい日本の国創り」など
国民を煽り立てるスローガンが多く、
正直、聞くにたえないものだった。
障害者雇用水増しに対する反省も、
少子化、人口減少に対する危機感も
出口戦略の描けない経済に対する言及もない。
空疎な演説というほかはない。
前国会で大きな問題になった、
公文書の改ざん、隠ぺい、
廃棄、ねつ造に対する言及もない。
今年の通常国会終了後の7月31日、
大島衆議院議長が談話を発表した。
国権の最高機関の長が様々な懸念を示したのだが、
これについて言及することもない。
大島議長の談話は極めて重要だ。
少し長いが全文を引用する。
==衆議院議長談話(今国会を振り返っての所感)==
まず、今般の西日本の豪雨災害により亡くなられた多くの方々に対し、心より哀悼の意を表しますとともに、御遺族の方々にお悔やみを申し上げます。また、被災された方々に対し心よりお見舞い申し上げます。衆議院では、10日の本会議で決議を行いました。先日の台風12号により、被災地の皆様には、二次災害の危険など更なる過酷な状況が続きますが、政府におかれましては、この決議の趣旨を十分尊重して、被災者の方々に寄り添いながら、対応に万全を期していただきたいと思います。
先般の通常国会は、1月22日にはじまり、7月22日まで、延長を含めて182日間の会期となりました。
1.この国会において、1)議院内閣制における立法府と行政府の間の基本的な信任関係に関わる問題や、2)国政に対する国民の信頼に関わる問題が、数多く明らかになりました。これらは、いずれも、民主的な行政監視、国民の負託を受けた行政執行といった点から、民主主義の根幹を揺るがす問題であり、行政府・立法府は、共に深刻に自省し、改善を図らねばなりません。
2.まず前者について言えば、憲法上、国会は、「国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関」(憲法41条)として、「法律による行政」の根拠である法律を制定するとともに、行政執行全般を監視する責務と権限を有しています。これらの権限を適切に行使し、国民の負託に応えるためには、行政から正しい情報が適時適切に提供されることが大前提となっていることは論を俟ちません。これは、議院内閣制下の立法・行政の基本的な信任関係とも言うべき事項であります。
しかるに、(1)財務省の森友問題をめぐる決裁文書の改ざん問題や、(2)厚生労働省による裁量労働制に関する不適切なデータの提示、(3 )防衛省の陸上自衛隊の海外派遣部隊の日報に関するずさんな文書管理などの一連の事件はすべて、法律の制定や行政監視における立法府の判断を誤らせるおそれがあるものであり、立法府・行政府相互の緊張関係の上に成り立っている議院内閣制の基本的な前提を揺るがすものであると考えねばなりません。
3.また、行政・立法を含む国政は、「国民の厳粛な信託によるもの」であり(憲法前文)、民主主義国家においては、国政全般に対する国民の信頼は不可欠なものであります。
にもかかわらず、行政執行の公正さを問われた諸々の事案や、行政府の幹部公務員をめぐる様々な不祥事は、国民に大いなる不信感を惹起し、極めて残念な状況となったのではないでしょうか。
4.政府においては、このような問題を引き起こした経緯・原因を早急に究明するとともに、それを踏まえた上で、個々の関係者に係る一過性の問題として済ませるのではなく、深刻に受け止めていただきたい。その上で、その再発の防止のための運用改善や制度構築を強く求めるものであります。
5.以上のような問題を生起せしめた第一義的な責任は、もちろん行政府にあることは当然でありますが、しかし、そのような行政を監視すべき任にある国会においても、その責務を十分に果たしてきたのか、国民の負託に十分に応える立法・行政監視活動を行ってきたか、については、検証の余地があるのではないでしょうか。国会議員は、私自身も含め、国民から負託を受けているという責任と矜持を持たねばなりません。このような観点から、最近、各党各会派や議員グループから、国会改革に関して具体的な提言がなされていることも、衆議院議長として、承知しているところであります。
今国会を振り返り、私たちは、国民から負託された崇高な使命とあるべき国会の姿に思いをいたし、憲法及び国会関係諸法規によって与えられている国会としての正当かつ強力な調査権のより一層の活用を心掛けるべきであります。そして、必要とあれば、その実効性を担保するため、それら国会関係諸法規の改正も視野に入れつつ、議会制度協議会や議院運営委員会等の場において、各党各会派参加の上で、真摯で建設的な議論が行われることを望むものです。(平成30年7月31日)
==以上、引用終了==
現下の課題を捉えることができず、
自己の実績だけを誇り、
空疎なスローガンで国民を煽り立てる方には、
リーダーとしての資質は皆無だろう。
29 日以降の代表質問や予算委員会などで、
そのことを厳しく質さねばならない。
さあ今日も ぶれずに曲げずに、
確実に前進します。
==2018.10.25==
皆様のコメントを受け付けております。
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>国会としての正当かつ強力な調査権のより一層の活用を心掛けるべきであります。
野党が野党性を発揮できるように、権力の監視を強められるような国会の改革ができないものでしょうか。
所信表明演説についてニュースは定番とも言える構成で、「力強く」叫ぶ総理の姿と、その内容に批判的なコメントをする枝野さんの姿を取り上げました。私は枝野さんのコメントは的を射た真っ当な批判だと思いますが、構図にはめられてしまうことで、関心のない人にとっては、強い安倍さんと、文句を言う野党に見えているかもしれません。
先日子供の学校の政経の授業で、国政選挙の模擬投票なるものがありました。自、公、立憲、共産を模した政党から現党首の名前をもじった候補(小枝野とか…)が出馬し、政策も辺野古移設など論点ごとに各党の主張に沿ってまとめたものが配られたそうです。(学校の先生方も頑張ってますね。)
ただ、その政策を読む生徒は少なく、判断できない、と思った子の多くが
「わかんないから安倍さんでいいよ」と、投票した、と聞きました。投票結果はまだですが、このような判断の仕方は子供に限ったことではないのかもしれません。権力を持ってる側を監視する必要性も、野党の役割も、理解されていないなあ、と感じます。
大島議長の談話で指摘されている、重要な多くの問題点が何一つ解決されないまま、まるでなかったことのようにして未来に向けて一緒に行こうではありませんか!と言われても無責任だとしか言葉がみつかりません。行政の腐敗は、時間が経てば解決できる問題ではなく、時間が経てば経つほど悪化していく問題だと思います。
ISから安田さんが解放されて本当に良かったと思います。しかしせっかく帰ってきた日本で、陰湿な情報操作による自己責任論で追い詰められないか心配です。
国が認めた報道しかしないのならジャーナリストの意味がないと思います。
真実を追及することをあきらめさせようとする空気が今の日本には蔓延しているように思えます。
だからこそ、逢坂先生が際立ってしまうのかもしれません。
しかし、無理はしないでお体を大切にしてください。
それでは、おやすみなさいませ。