徒然日記
7月28日 その3626『逢坂誠二の徒然日記』(5323 )
三日間のイタリア訪問を終えて、
昨夕、ベルリン入りした。
1)イタリア議会
イタリア滞在中、法曹に関し、
極めて大きな勉強ができた。
最終日の昨日は、イタリア下院に出向き
日伊友好議員連盟の会長や
司法委員会委員長をはじめ、
多くの国会議員の皆さんと
面談をさせて頂いた。
さらに日伊財団の理事長にもお会いした。
今後、日本とイタリアの
さらなる交流を確認しつつ、
1時間に渡って懇談をした。
この10月には、
彼らのうちの数名が来日する。
その際には、また面談をすることも約束した。
昨日の懇談では、今後何をするかという
具体的な事項にまで話は発展していないが、
今後、こうした懇談を積み重ねて、
良い関係を築くことができればと思う。
国会議員は、
地元の案件に全力で立ち向かうと同時に、
日本を代表する立場でもある。
国際社会の中で、
その役割も確実に果たさねばならない。
2)代表の辞任
昨朝8時過ぎ、日本からの連絡で
蓮舫代表が辞任すると聞いた。
何と胆力のないことかと思う。
今回、野田幹事長の辞任は、
仕方のないことだと感じていた。
一方、蓮舫代表の評判も、
必ずしも良いものではない。
しかし自分が代表に最もふさわしいと判断し、
多くの皆さんに必死に支持を訴え
代表の座に就いた。
それならばもっと歯を食いしばって
この地位にしがみつかなければならない。
以前から何度かこの日記でも書いたが、
政治家は地位や権力に貪欲でなければならない。
そもそも政治家という職の宿命は、
評価されたり、 賞賛されることは少ない。
多くの皆さんは、
そんなことはないだろう
と感ずるかもしれない。
確かに色々な場面で、頑張っているねとか、
おかげさまで何とかなったとか、
評価の言葉を頂くことはある。
しかし政治の本質的な役割は、
合理的根拠の少ないところに道筋をつけたり、
利害を調整したりすることだ。
合理的根拠の少ない判断をすれば、当然、批判がくる。
利害の調整は、損をする人や分野、
得をする人や分野を生み出す。
損をする側からは、当然、批判を受ける。
これは政治の持つ宿命だ。
だから政治家が、
多くの方から賞賛を受け、
順風満帆で進むことは少ない。
評価の声がある一方で、
必ず批判が付きまとう。
そうした厳しい状況の中にあるのが当然であり、
その中で、自分が理想とする状況を目指して、
したたかに、あるいは我武者羅に、
あるいはしなやかに進むことが必要だ。
だから多少苦境に陥っても、
地位にしがみつく欲が必要だ。
この欲を持たずに、
単なる合理的な判断だけで、
物事が進むと思ったら大間違いだ。
我々の仲間の議員には、この貪欲さが、
少ないと常々感じている。
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2012年11月の
野田内閣解散の判断も同様だった。
確かにあの時の政権の状態は
極めて悪いものだった、
しかしその悪さの中であっても、
どうすればより良い状態で着地できるかを、
もっとしたたかに考えるべきだった。
ところがそのしたたかさを
完全に欠いていた。
今回も同様だろう。
確かに野田幹事長も蓮舫代表も評判が悪い。
だからといってあまりにも正直に、
その評判の悪さを真に受けては、
政治の世界で物事をなすことはできない。
蓮舫、野田両氏に対して、
表向き色々と厳しい声はあったが、
今回は野田幹事長だけが辞め、
蓮舫代表の続投を容認する雰囲気もあったと思う。
地位にしがみつく貪欲さがあれば、
この容認の雰囲気をテコにして、
もう少し工夫の余地があったものと思う。
今回、蓮舫代表辞任の背景には、
幹事長の後任が決まらないことがあったようだが、
野党の幹事長が多少の時間決まらなくても
大勢に影響はない。
国会閉会中ならなおさらだろう。
幹事長が決まらなくても持ち堪えるしたたかさ、
こうしたことが必要だったのだと思うが、
あっさりと辞任となってしまった。
こんなに潔いのであれば、
この10ヶ月間の良いことも
悪いことも含めた蓄積が、
水泡に帰してしまう。
党の将来や、仲間のこと、
そして最終的に国民のことを考えるなら、
もっとやり方があったと思う。
とにかくしがみつく胆力がなさ過ぎる。
この後、どのようかたち、あるいは構図で
代表選挙が行われるのか分からないが、
私にとっては何とも気乗りのしない選挙となりそうだ。
3)大使と食事
昨夜、在ベルリン日本大使館の
八木大使と大使公邸で食事をした。
この公邸での食事は、
数年前に引き続き二度目になるが、
とても良い雰囲気の中で、
ドイツの政治情勢や経済などについて意見交換をした。
私の人生の中で、
もっとも多くの訪問した国がドイツだ。
この30年余の間に何度訪問したか分からないが、
東西統一後のドイツの動きを、
割としっかりと観察することができたと思う。
そんな目で見ていると、今のドイツは、
ある種の頂点にいる印象を受ける。
ただ気になるのは、EUとユーロのことだ。
EUは、関税を廃止し、通過を統一したが、
財政調整というか、財政移転の仕組みがない。
そうなれば経済の条件の良い地域の
一人勝ちになる可能性が高い。
この状況に、
EUの中で経済と財政の厳しい国からの
不満が爆発する日が来る懸念を払拭できない。
そんなXデーが来るのか、来ないのか、
ドイツの好調ぶりを見ると、
そんなことが頭をよぎる。
今日はドイツ弁護士会、
さらにドイツ司法省を訪問する。
さあ今日も、確実に前進します。
== 2017.7.28 ==
皆様のコメントを受け付けております。
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参考になります。
逢坂さんは頑張ってください。
私は代表の辞任は、よかったと思います。それは、逢坂さんが言われる「利害調整」など政治の本質を理解していない未熟な政治家ではないかと思っていたからです。村田蓮舫さんというのが本名なのに、村田を名乗らないことにも強い不信感がありました。村田は結婚後の姓だからでしょうか。もちろん、旧姓を名乗ってもいいと思います。でも、蓮舫だけでは、タレントとしての名前を名乗り続けている、あるいは、日本的な名前は名乗りたくない、のいずれかだと思えてなりません。
野田氏の首相時代については、同感です。消費税増税は、避けて通れないと思います。でも増税という最も非ポピュリズム的な政策と国会の定数削減というポピュリズムの典型のような主張を抱き合わせにして解散するというのは戦術としても全く理解できなかった。消費税増税はポピュリズムの世界では全く受け入れられない話ですから、時間をかけて理詰めで説明しなければなりません。そして、財源不足に伴う利害調整が国債発行を通じて将来世代に押し付けられている(このことは説明していました)ことだけでなく、社会保険料を「税」のように扱い始め、現役サラリーマンの生活を圧迫していることをもっと説明しなければいけなかった。高齢者の医療費を現役世代も負担するのは仕方がないとしてもなぜ、給料にかかる社会保険料に負担を押し付け、株の譲渡益や配当、不動産収入、高額給与(社会保険料には上限がある)には免除するのでしょうか。なのに今度は「子供保険」という提案まで自民党から出てきている。これは、社会保障負担を誰が行うのか利害調整ができないまま、安易な国債発行と社会保険料の増額に走ってきた政治の劣化です。
そんなことはいくら説明しても、十分浸透することはなかったかもしれませんが、2012年は春ごろから景気が年後半に向けて弱くなるが、短期間で回復すると言われていた(結果的にそうなりました)。景気がもっとも暗い局面で解散し、株価上昇のすべてを安倍政権の手柄にされてしまう(実際は半分は景気循環、残りは異次元緩和によるバブル)ことになりました。
翻って右派勢力には、憲法改正で高等教育費の無償化を決めるという人もいます。同じ勢力が旧民主党政権の高校授業料無償化をばらまきだと批判しており、整合性がとれませんが、そうした図々しさを持ち合わせているということなのでしょう。