徒然日記
2月8日 その3456『逢坂誠二の徒然日記』(5153)
今日も予算員会で質疑だ。
時間は、14時52分からの30分間だ。
残念ながらテレビ中継はないが、
衆議院のインターネット中継で視聴可能だ。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php
みなさんにご覧頂きたいと思う。
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一昨日、法務省が記者向けに出した文書が
あまりにも酷すぎる。
聞くところによれば、金田大臣の指示で
この文書を作成し、
秘書課長が記者に配布し、
その内容を説明したらしい。
金田大臣には、申し訳ないが、
それが事実なら大臣の職はアウトだと思う。
これが法案と国家審議に対する
大臣の認識なのだろう。
このような大臣とは、
国会で審議をするわけには行かない。
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今回、法案提出前に共謀罪に議論が、
これほどまでに盛り上がっているのは、
新共謀罪に関する
総理と官房長官の次の主旨の発言が発端だ。
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一般の人は対象にならない。
名称をテロ等準備罪と変更すること。
テロ等準備罪は、共謀罪とは全く違うもの。
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総理と官房長官は、
強い自信と確信を持って、
この発言をしている。
しかも東京五輪を口実にして、
共謀罪法案の成立を訴えている。
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私は、
一般の人が対象にならない理由が分からないし、
名称変更の合理的理由も分からない。
共謀罪と新共謀罪が
全く違うという理由も分からない。
総理と官房長官の発言を放置しておけば、
共謀罪について、
国民に誤ったイメージを与えかねない。
だから早急にその真意を質す必要があると
考えて質疑している。
逆に政府は、共謀罪の本質を変更せずに
単に名称変更などをすることによって
共謀罪に対する国民の悪いイメージを
払拭しようとしているなら、
それは極めて姑息で悪質なことだ。
成案の得られていないものを
無理に議論しているのではなく、
総理と官房長官が、新共謀罪について、
明確な発言をしているから議論せざるを得ないのだ。
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その最中にその議論を阻害するような文書を
記者に配布するとは、言語道断の愚行だと思う
今回の配布された文書の主旨は、
概ね次のとおりだ。
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新共謀罪に関し、
与党協議が終了していない、
関係省庁と調整中である。
ことは法案に関するものであり、
成案を得た後に議論を行うことが、
国民の利益に叶う。
国会に提出した後、
法務委員会で議論を重ねていくべきもの。
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一読して、当たり前のことを
言っているように感ずるかもしれない。
しかしこの文書は、民主主義を壊し、
国会の権威を貶めるものだ。
検討中の法案について、
国会は議論できないというのなら、
民主主義を履き違えている。
民主制とは、
多様な価値観を確認し合い、
その中からある一定の結論にたどり着く、
あるいはたどり着かない
過程を共有する営みだ。
過程を共有するとは、
その過程を知ることができる、
その過程に意見を述べることができる、
その過程の議論の当事者になることができる、
こうしたことなのだと、私は理解している。
だから多くの場面で、
様々な公的なことに関し、
成案を得る前から、情報を公開し、
多様な意見を戦わせ、試行錯誤を重ねつつ、
成案を得るため作業を進めている。
これが民主的と言われる所以だ。
ある課題があり、
それを解決する成案だけを提示するのは、
決して民主的な行為ではない。
独裁的な行為だ。
以前も書いたことがある。
かつてイラクのフセイン大統領が、
スラム街に上下水道を整備した話を紹介した。
これは悪いことではないし、
多くの皆さんが喜ぶことだった。
だが、
どこに上下水道を整備するか、
他の政策との優先順位はどうかなどを
全く考慮することなく、
フセイン大統領の胸先三寸で実施されていた。
これは民主的とは言わない。
決定の過程が明らかでなければ
それは民主的とは言わない。
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その意味で、
現在の内閣と国会の関係は、
極めて非民主的なものになっている。
内閣が成案を得る過程を
国民や国会に等しく公開していないからだ。
(いずれ何からの形で正さねばならない課題だ。)
今回の金田大臣の文書は、
この非民主的なあり方を追認するものであり、
これを認めることは断じてできない。
また法務委員会での審議を慫慂し、
予算委員会での議論を否定するかの発言は、
国会審議への介入であり、
三権分立に反する行為だ。
金田大臣は、記者団に対し、
文書ではなく口で言えば良かったかの
発言をしているようだ。
これも暴言だろう。
こうした内容を文書にすることも問題だが、
こうした民主主義を否定するかのようなことを
当たり前のことだと認識している大臣、
そのものが問題だ。
金田大臣は、昨日、この文書を撤回したが、
自分の考えは変わっていないという。
しかも文書ではなく、
口で言えば良かったとも発言している。
何とも呆れた認識だ。
こうした非民主的なことを口に出し、
それを文書にして配布する大臣のもとでは、
一切の法案審議はできないと感ずる。
さあ今日も、確実に前進します。
== 2017.2.8 ==
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