徒然日記
9月23日 その2588『逢坂誠二の徒然日記』(4283)
昨日は、超党派国会議員で構成する
「原発ゼロの会」の顧問として、
昨年9月に引き続き、福島第一原発を視察した。
(本来は、7月に訪問予定だったが、
台風のため9月に延期になったのだ。)
今回も、石崎副社長をはじめ、
幹部の皆さんに対応頂き、
現在のイチエフの状況を説明頂いた。
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昨日の主な視察箇所は、次のとおり。
・免震重要棟
・原子炉注水ポンプ,処理水貯蔵ポンプ
・事務本館
・乾式キャスク仮保管設備現場
・サブドレイン浄化新設設備
・多核種除去設備
・地下水バイパス一時貯留タンク
・貯留タンク
・1~4号機外観
・地下水バイパス揚水井
・4号機原子炉建屋オペフロ
・凍土遮水壁工事現場
・非常用ディーゼル発電機6B
・海側遮水壁
・夜ノ森線鉄塔倒壊現場
・入退域管理施設
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私が感じたものも含め、
昨年との主な変化は次のとおり。
・
敷地内の作業員の数が多くなった
・
4号機使用済燃料プールから
80%程度の使用済み核燃料が搬出された
・
汚染水などの貯留タンクが増えた
・
新たな多核種除去施設の建設が進んでいる
・
瓦礫の処理が多少進んだ
・
敷地確保のため構内の森林伐採が進んだ
・
素掘り側溝が少なくなった
・
汚染水などの貯留タンクの錆が目立つ
・
作業員の休憩場所の建設が進んでいる
・
構内線量が下がり気味のため、
全面マスク着用の範囲が大幅に減った
・
汚染水対策など、
やるべきことが明確になったため、
粛々と作業が進んでいる
・
凍土遮水壁の工事が進んでいる
・海側遮水壁の工事が完成間近
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私が感じたものも含め、こんな変化があった。
良い方向に進んでいる部分もあるが、
相変わらず手探りで対応していることも多く、
現場の綱渡り状態は変わらないようだ。
幾つか気になったことを思いつくまま、以下に記す。
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現場の作業員数は、
一日に5~7千人程度だという。
この方々の移動を管理し、
防護服への着替え、放射線量の管理などを、
日々行うのは、膨大な作業量だ。
今後、この数が増えるのかどうかは分からないが、
質疑からは、東電もこの作業員の全体像を
把握していない印象を受けた。
作業員と作業工程の多さゆえに、
構内で渋滞が発生したり、
作業資材の置き場がない等の問題発生が懸念される。
また被爆管理が適切に行われているのか、
これもハッキリとは分からなかった。
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敷地内に産廃の処分場があったように感じたが、
イチエフ敷地は、様々な汚染物質の仮置き場になっている。
これらをどのように最終処分するのか、
そのめどは立っていない。
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地下水バイパス、凍土遮水壁など、
昨年は机上のプランに近かったものが、
今年は具体的に進んでいる。
しかし直接説明を聞いても
その効果がどうなるのか、
必ずしも確信の持てるものなっていない。
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凍土遮水壁には、
大量の電気を必要とするという。
原子力発電所は、発電のためにも電気が不可欠だが、
事故処理のためにも多くの電気が必要となっている。
何とも皮肉な現実だ。
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現場の状況を打開するためには、
一定の期間内に、たくさんの作業が必要になり、
当然作業員が増える。
しかし作業員が増えれば増えるほど、
作業環境は悪化する印象だ。
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質疑でも、明らかになったが、
廃炉はもとより、
将来に向かって技術者の確保が課題となっている。
また何かトラブルがあると、
当然、それが報道される。
この繰り返しが作業員の
モチベーションの低下に繋がる可能性があるという。
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廃炉、さらに汚染水対策に、
昨年以上に力を特化させている印象を受けた。
しかし地下水汚染水対策などが、
綱渡り状態であることには変わりはない。
これらの対策をしつつ、
廃炉作業に取り組まねばならないのだが、
原子炉格納容器内で
溶け落ちた核燃料の実態が分かっておらず、
本丸作業が本格化するのはまだ先の印象だ。
今後、30年とも、40年とも言える、
生産性のない作業に、
膨大な費用を要することも現実だ。
原子力発電所のコストとは、いかなるものであるのか、
今一度、丁寧に検証する必要がある。
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昨日は、JRいわき駅で下車し、国道6号を北上。
広野町、楢葉町、富岡町を経て、
大熊町の福島第一原発に入った。
いわき市では平穏で日常的な住民生活が
繰り広げられているように見えるが、
当然のことながら、
原発に近づくにつれてその姿は一変する。
荒廃した農地、草だらけの民家、
人のいないガソリンスタンド、
看板の落ちたドラックストアなど、
機能を失った町が眼前に広がる。
ここで生活し、仕事をしていた皆さんのことを思うと
悲しくて、心痛くて、言葉も出ない。
これが国富の流出だと、改めて痛感する。
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視察を終えて、昨夜遅く、都内入りした。
疲労感はあるが、今日は帰函だ。
ちょっと安堵しつつ、
今日は十分な睡眠時間を確保したいと思う。
さあ今日も、しっかりと前進します。
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2014・9・23
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