徒然日記
7月16日 その2519『逢坂誠二の徒然日記』
夜明け前の函館は、雲が広がっている。
しかし厚い雲ではない。
今後晴れ間が広がることを予感させる雰囲気だ。
予報でも、
雲があるが晴れ間が広がるようだ。
予想最高気温は何と28度だ。
函館は、今年一番の暑さになる見込みだ。
1)平和主義
14、15日と、集団的自衛権に関し、
衆参たった一日だけの審議が終了した。
審議を通しての印象は二つだ。
====
・
多角的な議論が不足している
・
総理の同じ言葉を繰り返す答弁によって、
国民が思考停止状態に引き込まれる雰囲気を感ずる
====
集団的自衛権に関しては、
色々なことを議論しなければならないが、
その一つが、戦後日本の平和主義の検証だ。
日本の平和主義が果たした、果たしている役割、
さらに平和主義の課題…、
こうした議論が圧倒的に不足している。
さらに世界平和はどうあるべきかという大きな目標と、
その中で日本の果たす役割はどうあるべきかの議論もない。
こうした議論が全くないままに、
・
日本を取り巻く環境が変化している
・
一国のみで自国の安全を守れない
・
だから自衛隊の武力行使の範囲を広げる
などの個別議論に終始している。
これはどう考えても急ぎ過ぎだ。
何とも嘆かわしい。
2)情報公開
沖縄密約に感ずる一昨日の最高裁判決は、
日本の情報公開制度を崩壊させかねない危うさを孕むと、改めて感ずる。
沖縄返還に絡む日米の密約文書の開示を求める裁判だ。
判決では次のようなことを述べている。
====
・
情報公開請求された外交文書が実際に作成されていたとしても、
不開示の決定時に国が文書を保有していたとまでは推認できない
・
情報公開請求訴訟では、
行政機関が文書を保有していることの立証責任を原告にあること
・
外交文書について、
他国との信頼関係を理由に
保管の状況が通常と異なる場合も想定される
====
作成された文書が、情報公開請求の時点で、
存在するかどうかは分からないとの指摘は、
公文書管理制度を根底から否定するものに感じられる。
最高裁の保有推認できないとの指摘は、
公文書管理の杜撰さを是認しかねない認識だ。
そんなことを是認するのではなく、
保有を推認でいない状況がおかしいと指摘すべきなのだ。
====
その文書の存在を
原告が立証することは可能なのだろうか。
ほぼ不可能だと思う。
ほぼ不可能な責任を原告に課せば、
行政機関は公文書を廃棄しさえすれば、
全ての責任を回避できることになる。
逆だろう、
仮に文書が存在しないとしても、
行政は、なぜ存在しないかを八方手を尽くして説明し
不存在に対する責任を明確にするのが道理だろう
裁判所は、
この判決が中立だと考えているのかもしれないが
基本姿勢が違っている。
情報公開が基本だ、
との前提がないということだろう。
====
今回の文書の存在は、
アメリカの国立公文書館で確認されている。
こうした事実があるにも関わらず、
日本政府は、これをずっと否定し続けてことが問題なのだ。
今回の判決は、
日本政府の無責任な姿勢を黙認したに等しい。
====
文書の廃棄があったのなら、
その経緯などを徹底的に調べるのが当然。
外交文書について、
保管の状況が通常と異なる場合も想定される
とも述べているが、これも情報公開に対する不見識だろう。
外交文書であれ何であれ、
問われるべきは保管のあり方では、
公開の可否、あり方だ。
最高裁は、こうした感性もないのだろうか。
====
今回の判決で、司法の無力さを痛感する。
行政が暴走し、司法が機能しない中で、
特定秘密保護法が施行されることを思うと
空恐ろしい感じがする。
さあ今日も、しっかりと前進します。
============
2014・7・16
============
マグマグの送信登録・解除はこちらです。
http://www.ohsaka.jp/magazin/
こんにちは。
言われることはよく解ります。
小職が北大時代に身に着けたことの最大のものは、
このような多方面からのアプローチする根底的思考を
前提に事象を分析し、統合する事でした。
もしかしたら、校風なのかも知れません。
—————————————-
多角的な議論が不足している
・
総理の同じ言葉を繰り返す答弁によって、
国民が思考停止状態に引き込まれる雰囲気を感ずる
====
集団的自衛権に関しては、
色々なことを議論しなければならないが、
その一つが、戦後日本の平和主義の検証だ。
日本の平和主義が果たした、果たしている役割、
さらに平和主義の課題…、
こうした議論が圧倒的に不足している。
さらに世界平和はどうあるべきかという大きな目標と、
その中で日本の果たす役割はどうあるべきかの議論もない。
こうした議論が全くないままに、
・日本を取り巻く環境が変化している
・一国のみで自国の安全を守れない
・だから自衛隊の武力行使の範囲を広げる
などの個別議論に終始している。
これはどう考えても急ぎ過ぎだ。
何とも嘆かわしい。