徒然日記
7月18日 その1454『逢坂誠二の徒然日記』
都内は今日も強い日差しが照りつけています。
今日の予想最高気温は33度、
夜明け頃の気温は既に25度を超えています。
体力をどんどん消耗する天候です。
1)新しい公共
一昨年1月、鳩山総理のもとで、
「新しい公共円卓会議」がスタートしました。
また当時、鳩山総理は、
施政方針演説(2010年1月29日)で、
初めて新しい公共という言葉を使っています。
== その演説の抜粋 ==
人の幸福や地域の豊かさは、
企業による社会的な貢献や政治の力だけで
実現できるものではありません。
今、市民やNPOが、教育や子育て、街づくり、
介護や福祉など身近な課題を解決するために活躍しています。
昨年の所信表明演説でご紹介したチョーク工場の事例が
多くの方々の共感を呼んだように、人を支えること、
人の役に立つことは、それ自体が歓びとなり、生きがいともなります。
こうした人々の力を、私たちは「新しい公共」と呼び、
この力を支援することによって、
自立と共生を基本とする人間らしい社会を築き、
地域の絆を再生するとともに、
肥大化した「官」 をスリムにすることにつなげていきたいと考えます。
一昨日、「新しい公共」円卓会議の初会合を開催しました。
この会合を通じて、「新しい公共」の考え方を
より多くの方と共有するための対話を深めます。
こうした活動を担う組織のあり方や
活動を支援するための寄付税制の拡充を含め、
これまで「官」が独占してきた領域を「公(おおやけ)」に開き、
「新しい公共」の担い手を拡大する社会制度のあり方について、
5月を目途に具体的な提案をまとめてまいります。
※チョーク工場の事例は以下で。
http://www.kantei.go.jp/jp/hatoyama/statement/200910/26syosin.html
== 以上、抜粋終了 ==
こんな考え方を出発点にして、
政府では現在も「新しい公共推進会議」を継続開催し、
公(おおやけ)の担い手を拡大する取り組みや、
公のあり方を考えることを進めています。
また鳩山総理が述べられた寄付税制の拡充も
実現することになりました。
こうした点が、最近やっと、広く認識されるようになり、
過日も毎日新聞(7月12日付)、北海道新聞(7月15日付)などでも、
紹介されるようになりました。
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以下、北海道新聞の例示から寄付税制の変更を説明します。
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課税所得500万円(所得税率20%)のAさんが、
認定NPO法人に2万円を寄付した場合。
== 従来 ==
所得税 (2万円−2千円)×20%=3,600円
住民税 (2万円−5千円)×10%=1,500円
合計で税が5,100円軽減
== 今後 ==
所得税 (2万円−2千円)×40%=7,200円
住民税 (2万円−2千円)×10%=1,800円
合計で、税が9千円還付されます。
(所得控除を選択すると税が5,400円軽減)
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つまり1万1千円の本人負担で、2万円の寄付が実現する、
寄付がしやすい方向に制度が大幅に拡充されたのです。
2万円の寄付によって、9千円分の税金の払い先を、
国や自治体から認定NPO法人に変えることになるとも理解できます。
多くの関係者から、日本の社会の公の担い手を拡充する、
極めて画期的な制度と言われています。
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この寄付税制の対象になるNPO法人は、
個別性よりも、
多くの市民に支持された大衆性のある「認定NPO法人」でなければなりません
が、
これまでは、認定NPO法人になるための基準が厳しく、
現在約4万のNPO法人のうち200強しか認定NPO法人になっていません。
そこで今回、この認定NPOになるための基準を大幅に緩和しました。
== 従来の認定要件の柱 ==
市民から幅広く支持を受けているNPOであるかどうかを判定するための
PST(パブリック・サポート・テスト要件は、
総収入金額のうちに寄附金等収入金額の占める割合が5分の1以上。
== 今後の認定要件の柱 ==
・
PST要件に絶対値基準を設け、従来のPST要件との選択制とする。
絶対値要件:
寄付金額が年3千円以上の寄付者の数が年平均100人以上
・
またNPO法人設立初期の活動支援として、
仮認定制度が設けられました。
この仮認定制度を活用すれば、
PST要件に該当しなくても、
3年間に限って寄付金優遇税制の適用を受けられるため
この期間のうちにPST要件を満たすよう努力すれば、
認定NPO法人への道が拓かれることになります。
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また来年度から、国が行っていた認定事務を、
国民生活に身近な自治体が行うことになります。
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一昨年の1月以降、
こうしたNPO等の仕組みの大改正に取り組んでいたのですが、
各種民間団体の皆さん、さらに超党派の議連の皆さんなどの力など、
数多くの皆さんの力を得て、日本の公(おおやけ)のあり方に関し、
新たな道を拓くための取り組みが実現したのです。
さあ、今日もしっかりと前進します。
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2011・7・18 Seiji
Ohsaka
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