徒然日記
23年2月9日 その5647『逢坂誠二の徒然日記』(7344)
随分と症状が改善したと感じつつも、未だに熱が高くなる雰囲気や、喉の痛みが続いています。半世紀近くも前のことになります。私は高校1年生の今頃の季節に、重篤な肺炎になったことがありました。病院を受診する段階で、立って歩くことも無理なほどの呼吸困難に陥ったのです。当然、即、入院となり、即刻、抗生物質による治療が開始されました。するとひと晩もしないうちにみるみる回復し、翌日には呼吸困難も解消され、 3日もするとすっかりと元気になりました。あの時は、極寒のニセコで相当に無理をしたこと、つまり自分の健康管理の不味さであんな重篤な病状になったのですが、その際も3日程度で回復しています。しかし今回は、1週間経過しても十分な回復感がありません。コロナ感染は、本当に恐いものです。
1)失われた10年以上の時限爆弾
昨日の衆院予算委員会での野田元総理の質疑、異次元の金融緩和によって時限爆弾が埋め込まれたとの指摘がありました。全くその通りです。大量の国債発行、その大半を日銀が保有、イールド・カーブ・コントロール (YCC)の歪み、日銀が多額のETFを保有など、日銀は数々のリスクを抱え込んでしまいました。これが時限爆弾です。この爆弾を爆発させないように処理するのが、次の日銀総裁になりますが、こんな仕事は誰もしたくはありません。しかし誰かが、やらねばならないのです。テレビドラマのシーンのように、時限爆弾の赤、青、黄のコードを順番を間違わずに慎重に外さねばなりません。外す順番や外す時期を間違えれば、一瞬で爆発する恐れがあります。しかも時限爆弾は、 1個ではありませんし、どこに埋まっているかも分からないのです。異次元の金融緩和を長く続けたことによって、日本をこんな状態に落とし込んでしまったのです。この罪は深いと言わざるを得ません。
日銀が抱え込んだ時限爆弾はたくさんありますが、その一つは、“禁じ手”とされていた ETFの買い入れです。この購入は、2010年10月、白川総裁の時代にリーマンショック後の措置として、臨時異例との位置付けで始まりました。絶対に恒常化させてはならないという強い危機感を持って決断したのですが、黒田総裁に交代してからは、恒常化してしまいました。ETF は、通常の株購入とは違って、銘柄を指定せずに買う方式です。だから日銀が特定の銘柄を支持するしないは関係がないのですが、株価全体の価格向上、維持の役割を果たしていると言えます。事実、株価が下がると、日銀はたくさんETFを買っているように見えます。日本の株式市場は、実際の経済の実力とは違って、公的資金によって市場が歪められた官製相場と言える状態です、日銀は実質的に世界最大の日本株保有者です。こんな歪な市場の上に成り立っているのが日本経済です。昨年 9月時点の日銀保有株の時価は約50兆円と言われており、これは東証構成銘柄の時価総額の7%余りとの試算もあります。日本国に支えられた民間企業が結構な数存在することを意味します。
日銀のETF 購入はいつまでも続けられません。株ですから、安くなることもあります。一昨年1月の参院予算で、株価が2万1000円程度を下回ると日銀が含み損を抱え込むと、黒田総裁が答弁しています。こんな不健全な状態を脱却しなければなりませんが、日銀保有株を一気に売却すれば、株価は下落します。下落すると日銀は赤字になりますので、それを支えるために国民の税金の投入が必要になるかもしれません。株価の上昇によって、一部の投資家が潤い、損をするときは全ての国民に影響が及ぶのだとすれば、そんな間尺に合わない話はありません。だから日銀は、株価に影響を与えないように保有株を慎重に放出しなければなりません。仮に 1年間に1兆円売ったとしても、全てを手放すためには50年かかりますし、年5千億円の売却だとすれば、日銀や日本市場の健全化には、100年、1世紀もかかるのです。異次元の金融緩和は、こんなことをやってしまったのです。この10 年は、単に失われた10年ではなく、将来に大きな負の遺産を残すことになった10年だと私は考えています。この責任を誰が、どのように果たすのか、今の政府や与党からはそのことに言及する人はおりません。
さあ今日もブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2023.2.9===
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