徒然日記

12月5日 その3756『逢坂誠二の徒然日記』(5453)

都内の朝、気温は4度だが、
日中は14度程度になる見込みだ。

1)福島第1原発

昨日、朝早く東京を出て
福島第1原発を視察した。

これは、超党派の議連「原発ゼロの会」が
毎年行なっているものだ。

私も事故後、毎年、訪問しており、
自分なりに経年変化が見える感じがする。

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結論を先に言えば、
地震発生から6年が経過したが、
事故の深刻さは何も変わっていない。

何年でキチンと廃炉にできるのか、
どの程度の費用がかかるのか、
帰還困難地域には帰ることができるのか、
こうした点は、何も明確になっていない。

とにかく今できることをやっている。

そんな印象だ。

これしか対応のしようがない、
それが原発事故の現実だ。

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2015年10月に海側遮水壁が
ほぼ完成し閉合作業が行われた。

それによって海に流れる放射性物質は減った。

しかし震災前の10倍以上の
放射性物質濃度が確認されている。

事故直後に比べると随分減ったのは事実だが、
今も海の汚染が続いているのも事実だ。

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かつて1日に400トンの汚染水が出ており、
それを貯めるために、容量千トンのタンクを、
二日半に一基ずつ準備していた。

それを地下水の汲み上げなどによって、
1日に200トンあまりまで減らしたという。

しかしタンクを作り続けている現状に変化はない。

漏水し易いボルト締めタンクから、
溶接型タンクへの取り替えは、今も行われている。

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雨水の土壌浸透を防ぐことなどを目的に、
発電所敷地の多くの部分を
コンクリートで覆う作業が行われている。

これによって地下への浸透水は減ったようだが、
逆に汚染された雨水が直接、
海に注ぎ込む可能性も高くなっている。

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凍土遮水壁はほぼ完成のようだが、
効果は、今後、時間をかけて
検証しなければ分からないとのこと。

また凍結が進むことで氷壁が厚くなり
既存配管を圧迫する懸念もあるとか。

凍土遮水壁は、分からないことが多い。

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作業員の被曝線量は減っているとのことだが、
示されたグラフからは判然とはしない。

東電社員よりも他社作業員の
被曝線量が多いのが実態。

個別具体の作業は、
他社社員が行なっているためと思われる。

何となく腑に落ちないが、
作業の実態からはそうならざるを得ない。

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使用済み燃料の取り出し開始は以下。

1号機と2号機:2023年度目処
3号機:2018年度中頃

終了時期は、いずれも不明。

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燃料デブリの取り出し開始は以下。

初号機の方法の確定:2019年度
初号機の開始時期:2021年内

終了時期は不明。

デブリは、取り出し方法も問題だが、
取り出した後、それをどう保管するかも大問題だ。

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これに加えて様々なレベルの廃棄物の処理は、
必ずしもその扱いは明確ではない。

敷地内に留め置く方針のようだが、
それも簡単ではないだろう。

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最後にコストだが、
これもよく分かっていないのが現実だ。

燃料デブリ取り出しの方法も決まらないのだから、
コストが決まらないのは当然だが、
相当額のお金が国民の懐から出るのは間違いがない。

福島の現場を見るたびに、
原子力発電から一日も早くてを切らねばならない、
そのことを強く感ずる。

さあ今日も確実に前進します。
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    2017.12.5
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皆様のコメントを受け付けております。

  1. 東電社員は守られている人々なので線量が測定されるのを見越して作業しているはずです。
    逢坂先生も書かれていますが、派遣労働者の線量と健康被害の方が深刻な話だと思います。大事なところはいつも隠すので困ります。

  2. 福島原発事故の今を詳しく調査された結果を、お教え下さってありがとうございました。昨日は動画ありがとうございました。

    朝、昼、晩と三回拝読いたしましたが、原発事故は私達に襲い掛かる魔物の様に感じ、ただただ出るのはため息ばかりです。
    かつて安倍首相はオリンピックを招致したさに、「福島はアンダーコントロールされてるから心配の必要はない」と演説で恥ずかしくも無く大嘘をつきました。大多数の日本人は信じなかったと思いますが。

    逢坂議員と原発ゼロの会の皆さんが視察されてご覧になった様に、原発事故は人間の人知では押さえ込む事が出来ず、未来にとてつもなく恐ろしい負の遺産を残す罪は許されないものです。

    「原子力発電から一日も早く手を切らねばならない」、仰せの通りです。
    福島の原発事故の現在の状況を、最近は報道でも詳しくしてない様に思います。
    再稼動に都合の悪い報道は、させない様にしているのではと、疑ってみたくなります。

    逢坂さんの貴重なご報告は、日記を見る人だけに限られてるのでは余りにもったいなく、原発ゼロの会の皆さんと共に、この情報を国民に広く知らせて頂きたいと思います。
    先日の衆議院選挙の時、原発を争点に上げた選挙民が、私の予想とは違って少なくがっかりしました。
    やはり情報量が少なければ、人々は忘れていくのでしょうか。

    チェリノブイリの燃料デブリは30年以上経った今も、建屋内に残されたままになって、手付かずと聞いてますが、恐ろしい福島の燃料デブリ、どうなっていくんでしょう。
                       出田

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