徒然日記
5月24日 その3247『逢坂誠二の徒然日記』(4891)
福井県を訪問するのは、久々のことだ。
1)高浜原発
高浜原発3、4号機の再稼働に向けた対策について、
関電から現地視察を含め種々の説明を受けた。
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「事故発生防止対策」
基準地震動700ガルを想定した対策を実施
8.5メートルの津波を想定した対策を実施
外部火災対策として防火帯を設置
内部消火対策の強化
風速100m/秒の竜巻への対策を実施
「重大事故等対策」
電源設備の強化
冷却機能の強化
放射性物質の放出抑制対策
格納容器の水素爆発防止対策
がれき除去によるアクセスルート確保
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これらについて説明を受けた。
確かに個々の対策は必要なものだろう。
しかし実際の事故や災害時に、
これらのことが、機能するのかどうかは判然としない。
しかもそれぞれの対策は、
カバーで覆ったり、ポンプを増設したり、
電源車を配置するなど、極めて直接的で、
最先端の科学技術を集めたように思われる原発の観点からは、
ある種原始的なものであり、心もとない印象を受ける。
全体を見通したというよりは、
個別の事象に対して、場当たり的な対応に見える。
しかも原子炉本体のあり方など、
福島で最も深刻なことになっている
核心への対策は取られていない。
さらに使用済核燃料の問題や
原子炉本体の脆性が高まることへの、
独自の言及は全くない。
今回の対策経費は、千億円を上回るようだ。
原発の新設の半分近い経費を負担しても、
再稼働する経済的意味がどこにあるのか、
正直なところ、私には理解できない。
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原子炉の周辺には、猿の糞がたくさん落ちていた。
聞いてみると、猿がフェンスを越えて、
頻繁に侵入しているとのこと。
猿が、発電所構内を走り回る姿を想像して、
何か背筋の凍る思いをした。
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一方、1号機、2号機は、運転開始から40年以上経過している。
こちらは40年原則の例外として、
現在、新規制基準と延長利用の審査中だ。
40年以上使用するのは、例外中の例外との位置付けだったはずだが、
例外中の例外が、当たり前のように適用される可能性があり、
これも恐ろしいことだ。
高浜原発1,2号機原子炉の脆性遷移温度は、
関電の説明によれば97度だという。
脆性遷移温度は、金属の脆さを示す値。
温度が高ければ脆い。
多分、原子炉の使い始めの頃は、30度程度らしい。
それが何年も使ううちに、中性子が当たって脆さを増す。
徐々に温かくしたガラスコップに氷水を入れると、
コップが割れる場合がある。
原子炉もこれと同様で、
使い始めの頃は多少冷たい水をかけても割れない。
だが使用年数が長くなれば脆くなって、冷たい水じゃなくても、
割れやすくなり、その目安になるのが、脆性遷移温度だ。
高浜原発の場合、この温度が結構高くなっている。
すなわち脆さが増していることになる。
脆性遷移温度には、いろいろな見方があるようなので、
これで、即、使用禁止とはならないようだが、
劣化していることは事実だ。
ならば、どの程度まで使用できるのか。
そのあたりは、必ずしも明確ではない。
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いずれにしても手探りの中で、
今日も早朝から、私用をこなして国会に向かう。
さあ今日も、確実に前進します。
2016.5.24
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