徒然日記
公金による買収?、恫喝? 【26年10月7日 『逢坂誠二の徒然日記』8678回】
代表質問は、委員会質疑のように、一つの答弁を受けてさらに問いを重ねる、という形ではありません。
各党・会派の代表が、総理の所信表明演説などに対して質問し、政府が答弁する。一問一答ではないため、どうしても議論が深まりにくい面があります。
しかし、代表質問には大切な役割があります。
今、国民の暮らしに何が起きているのか。
日本が直面している課題は何か。
政府は何を優先し、どこへ向かおうとしているのか。
そして各党は、それに対してどのような考えを持っているのか。
国会冒頭に、こうした課題全体を俯瞰し、今国会で何を議論すべきなのかを明らかにするのが代表質問です。
個々の質問だけではなく、各党が「何を重要な課題として取り上げるのか」も注目すべき点です。
1)公金による買収?、恫喝?
昨日、Xにも投稿しましたが、重要なことなので、改めて日記でも言及します。
簗農林水産大臣の問題は、実際に予算を削ったかどうかだけが問題なのではありません。
「自民党を支持しなければ予算が減る。与党議員がいれば予算が来る」
そう有権者や自治体に思わせること自体、公金を使った買収まがい、予算を人質にした恫喝まがいの政治ではないでしょうか。
私はニセコ町長時代、これとよく似た経験をしています。
もう30年近く前のことです。
あるとき町村会の会議に出席すると、いつもとは少し違う雰囲気がありました。何となく、ひそひそとした感じだったことを覚えています。
そこには、自民党から参議院選挙に立候補することが決まっている候補予定者が来ていました。
その方は私たちに挨拶をして退席しましたが、その後、各町村について、自民党候補が獲得すべき目標票数を記した紙が配られました。
そして、それぞれの町村で目標達成に向けて頑張ってほしいという話がありました。
さらに、自民党候補を応援しなければ、特別交付税や補助金の採択などに影響が出るかのような話もありました。
私は強い違和感を覚えました。
しかし当時、町長だった私が何よりも大切にしなければならないのは、ニセコ町であり、そこで暮らす町民の皆さんでした。
もし自民党候補を応援しなかったために、町への特別交付税が減ったらどうするのか。
必要な補助事業が採択されなかったらどうするのか。
その結果、不利益を受けるのは私個人ではありません。町であり、町民の皆さんです。
そして、町と町民のことを最大限に考えた結果、関係者から言われるままに自民党員になり、自民党議員の後援会を組織し、自民党候補への票集めもしました。
それをしなければ、町や町民が不利益を受けるかもしれない。
「こんなことはおかしい」
そう思いながらも、当時の私はそれに従いました。
だからこそ、今回の簗大臣の一連の発言を、私は単なる失言として聞き流すことができません。
実際に簗大臣の働きかけによって予算が増減したのかどうかは、事実関係をさらに明らかにする必要があります。
しかし、それとは別に、
「与党を支持しなければ予算が減る」
「与党議員がいれば予算を持ってこられる」
と自治体や有権者に思わせること自体が、大きな問題なのです。
30年近く前、町長だった私が感じた圧力と、今回の発言には、共通する構造があるのではないでしょうか。
実際に予算を減らさなくても、「言うことを聞かなければ予算で不利益を受けるかもしれない」と思わせれば、人は行動を変えることがあります。
私自身が、そうでした。
だから私は、今回の問題を他人事として語るつもりはありません。
当時、違和感を抱きながらも、その政治のあり方に従った自分自身の経験も含めて、改めて考えなければならないと思っています。
実は私はこれまで、幾度か自民党から国政選挙等への立候補のお誘いを受けたことがあります。
しかし、自民党に所属する気持ちにはなれませんでした。
理由はいくつかありますが、その一つが、町長時代に経験したこうした政治のあり方です。
「こちらを支持しなければ、地域への予算に影響が出るかもしれない」
「こちらを支持すれば、必要な予算を取ってこられる」
公金を背景に、そう思わせることで政治的な支持を求める。
私には、それがどうしても受け入れられませんでした。
今回の簗大臣の一連の発言を聞いていると、30年近く前に私が感じたものと同じような政治の体質が、今も残っているのではないかと感じます。
私が最も許せないのは、お金という、人が生活していく上で避けて通ることのできないものを利用して、人の不安につけ込むような政治です。
特に自治体にとって、国からの交付税や補助金は、住民の暮らしに直結します。
だからこそ首長は、「予算を減らされたら町民に迷惑をかける」と考えます。
私自身がそうでした。
その不安につけ込み、「支持しなければ不利益があるかもしれない」と思わせて政治的な支持につなげる。
私は、そういう政治を受け入れることができません。
特別交付税も補助金も、政治家のお金ではありません。
自民党のお金でもありません。
国民の公金です。
誰を応援したか、どの政党を支持したかによって、その地域への公金が増えたり減ったりするようなことがあってはなりません。
そして、実際には増減させていなかったとしても、「与党を支持しなければ予算で不利益を受ける」と自治体や有権者に思わせ、政治的な支持を求めること自体が問題です。
公金の私物化は、誰がやっても許されることではありません。
与党であろうが野党であろうが関係ありません。
今回の簗大臣の問題を、一人の大臣の失言やスキャンダルで終わらせてはなりません。
これを奇貨として、「与党議員でなければ予算が取れない」という言葉が選挙のたびに語られる政治、公金を政治的な力の源泉であるかのように扱う政治に、ピリオドを打たなければなりません。
公金は政治家のものではありません。
国民のものです。
誰が政権を担おうとも、この原則だけは揺らいではなりません。
さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
【26年10月7日 その6981『逢坂誠二の徒然日記』8678回】
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