徒然日記
啄木忌【26年4月14日 『逢坂誠二の徒然日記』8502回】
午前4時の函館、薄雲が広がって、山の稜線がうっすらと確認できます。夜明け前は4度程度。日中は晴れ、14度になる見込みです。昨日、松前町で桜の開花が確認されました。いよいよ北海道に桜前線、上陸です。これは平年より14日、昨年より7日早く、記録が残る1982年以降、2番目に早い開花です。
1)啄木忌
昨日は、石川啄木の命日でした。1912(明治45)年4月13日、結核のため26歳という若さで亡くなっています。あまりにも短い生涯ですが、その中で残された言葉は、今なお私たちの心に強く迫ってきます。
立待岬の近くにある啄木一族の墓にお参りしてきました。海を望むあの場所に立つと、啄木の人生の重みと同時に、どこか静かな時間の流れを感じます。生き急ぐように駆け抜けたその人生と、今の穏やかな風景とが重なり、さまざまな思いが去来しました。
初めて買った旺文社文庫が啄木の歌集だったと思います。有名な歌はもちろんですが、以下の歌も随分と気になった作品です。
真夜中の 倶知安駅に 下りゆきし 女の鬢の 古き痍あと
忘れ来し 煙草を思ふ ゆけどゆけど 山なほ遠き雪の野の汽車
煙草の歌は、私の父に紹介された作品です。雪原を進む蒸気機関車の絵葉書にこの歌が載っていました。
また、啄木忌に合わせて行われた講演にも参加しました。講師は、啄木研究家として知られる医師の水関清先生です。今回は、啄木の娘である石川京子について、1時間にわたりじっくりとお話を伺いました。
啄木その人について語られる機会は多いのですが、娘の人生に焦点を当てた話は貴重です。啄木の死後を生きた京子の存在を通して、あらためて啄木という人間の姿が、より立体的に見えてきたように感じました。
さらに印象的だったのは、水関先生の講演の運びです。1時間という限られた時間の中で、論点を整理し、無理なく聴衆を導いていく話し方は見事でした。内容はもとより、その構成力や語り口も大変勉強になりました。
昨日は、啄木の命日にふさわしい、静かでありながらも学びの多い一日となりました。
さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
【26年4月14日 その6805『逢坂誠二の徒然日記』8502回】