徒然日記
鹿を害獣から地域資源へ(逢坂誠二の徒然日記)
午前5時の都内、梅雨に入ったとは思われないほどスッキリと晴れています。朝の気温は19度。日中も晴れ間が広がり、28度程度になる見込みです。
1)鹿を害獣から地域資源へ
北海道内ではエゾシカによる農作物への被害が深刻化しています。2023年度には、シカによる被害額が約51億円に達し、野生動物による被害全体の8割以上を占めています。特に牧草や飼料用作物、野菜、果樹など幅広い作物に被害が及んでおり、農業者の経営に大きな打撃を与えています。また、被害は道内全域に及び、収穫量の減少や耕作意欲の低下が顕著に見られます。
これまでは、主に個体数管理を目的とした捕獲や、電気柵などによる物理的な防護策が講じられてきました。しかし、個体数の増加ペースや生息域の拡大に対して、従来の対策だけでは限界があるのが現状です。そこで、今後は単なる被害防止にとどまらず、エゾシカを「害獣」ではなく「地域資源」として積極的に利活用していく視点が必要です。
まず第1に、ジビエとしての活用を促進することが重要です。シカ肉は高たんぱく・低脂肪であり、健康志向の高まりと相まって、需要の拡大が見込まれます。学校給食や病院食、観光地のレストランなどでの活用を進めることで、安定的な消費先を確保し、捕獲された個体の有効利用が可能となります。加えて、処理施設の整備や衛生管理の強化、品質表示のルール整備を進めることで、安全性と信頼性のある供給体制を構築することが求められます。
次に、皮革や骨、角といった副産物の利活用も大きな可能性を秘めています。特にエゾシカの革は柔軟性、耐久性、通気性、吸湿性に優れ、ファッションや工芸品の素材としてだけでなく、アウトドア用品や作業用手袋、登山靴、乗馬用品などの実用製品にも適しています。水に濡れても硬くなりにくく、使用感に優れる点からも、実用性の高い天然素材として評価されています。こうした特性を活かし、道内の伝統工芸やクラフト産業、さらには地域の実用産業と連携した商品開発を進めることで、観光業やデザイン産業、アウトドア産業との相乗効果も期待できます。
こうした取り組みを地域単位で推進するためには、捕獲から解体、加工、販売までを一体的に担う地域循環型の体制整備が不可欠です。小規模な処理施設の整備、担い手育成のための講習会や支援制度の拡充、若者や女性の参入支援など、地域全体でシカ資源を活用する仕組みを構築することが必要です。また、学校や地域住民への普及啓発も行い、シカを「身近な資源」として捉える意識の醸成を図ることが望まれます。
エゾシカの利活用は、単に被害を減らすための手段にとどまらず、地域経済の新たな柱としての可能性を秘めています。北海道が全国に先駆けてこの取り組みを先進的に展開することで、持続可能な地域社会の実現につなげたいと考えております。
【25年6月12日 その6501『逢坂誠二の徒然日記』8198回】
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