徒然日記
木彫り熊(逢坂誠二の徒然日記)
午前5時の都内、空全体に雲が広がり弱い雨が降っています。気温は19度程度。日中も曇ったり雨が降ったりの天候です。予想最高気温は21度程度の見込みです。
1)木彫り熊
先日、ウポポイで木彫り熊の研究をされている田村実咲さんの話を伺いました。木彫り熊のことがコンパクトにまとまった講演は、木彫熊への理解を深める秀逸な内容でした。
田村さんは、北大大学院で木彫り熊に関する研究に取り組み、博物館展示や出版、フィールドワークを通じて、木彫り熊の文化的価値を多面的に掘り下げてきました。田村さんの調査は、単なる民芸品の分析にとどまらず、木彫り熊を通じて人・地域・記憶をつなぐ実践的な研究として展開されています。
研究の出発点として田村さんは、北海道における木彫り熊の二大発祥地である「八雲町(旧徳川農場)」と「旭川近文地区(アイヌ工芸)」の系譜に注目しています。八雲では農民芸術運動の一環として、旭川ではアイヌ文化と観光産業の中で、異なる文脈から木彫り熊の製作が始まりました。このように、発祥地によって目的や技術、文化的背景が異なることを丁寧に整理しています。
田村さんはまた、木彫り熊を鑑賞する際の着眼点として、「造形表現」「毛並み」「塗り」「材」「目」「サイン」の6項目を提示しています。ポーズや台座の有無、毛並みの彫り方(玉毛彫り・柳彫り・面彫り)、塗装方法(黒塗り・草木染め・素彫りなど)に職人の流派や時代性が表れ、材として用いられるシナ、カツラ、埋もれ木などからは地域性や持続可能性への配慮もうかがえます。
特に田村さんが重視するのが、「サイン(銘)」です。サインは作り手、販売者、購入者、第三者によって刻まれ、それぞれに異なる意味を持ちます。たとえば、職人によるサインは作家性を示し、購入者による「祝新築」などの墨書きは贈答文化の痕跡として機能します。田村さんは、こうしたサインを“記憶の媒体”と位置づけ、木彫り熊が単なる物体ではなく、人生の節目や地域の歴史を記録する「社会的な存在」であると捉えています。
さらに、函館市内での調査では、地域の土産店や博物館を訪ね、木彫り熊の語り部となる人々との対話を通じて、個人史や土地に根差した記憶を丁寧に収集しています。こうしたフィールドワークは、民俗資料としての収集だけでなく、教育・観光・文化政策への展開可能性を持つものです。
田村さんの研究は、木彫り熊を起点に、地域文化の継承、観光資源の再発見、そして「物を通じて記憶をつなぐ」新たなアプローチを提示するものとして高く評価されるべきものだと思います。最終的に、田村さんは北海道の木彫り熊を文化財に位置付けたいと話されておられましたが、私もそのことを強く感じています。素晴らしい講演でした。田村さん有り難うございます。
【25年6月10日 その6499『逢坂誠二の徒然日記』8196回】
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一次産業の持続性を保つためには、就業人口の若返りはできないことを前提にした制度と財政規律の設計が必要です。例えば日本の国家・地方公務員全員の採用予定名簿登載者を一次産業へ2年間就業させ、その結果をみて、採用の可否や配属先を決めれば、常に若者の労働力を半永久的に供給できると思います。勉強と忖度テクニックのみで厚遇公務員天国を目指す若者へ社会貢献の体験をチョッピリでもさせるということも狙いです。その間の給与は自衛隊と同じ国庫から、社保つき、定額支給、残業なし。田植えをし、牛ブタの排泄の世話をし、山奥の樹木を管理し、定置網の網を引く経験があれば、だんだんに行政力の視野拡大へ繋がっていくと思います。そして、米価は準公定価格扱いにして標準小売価格を税込みで価格で設定することがはじめの一歩だと思います⇒消費税が上がっても下がっても関係のない領域へ疎開させる国家の非課税戦略物資ヘ。営農者の年間手取り、農協のピンハネ率の固定化、政治家への献金額の抑制へつなげていく予算計画可能な価格の設定がまず必要だと思います。農協や漁協なども含め、損得勘定のみで国家の大計を無視してメシを食う中間でピンハネする流通業界の就労者を養うコストが膨らみすぎていますからカイゼンが必要です。