徒然日記

国は上告するな(逢坂誠二の徒然日記)

【25年5月31日 『逢坂誠二の徒然日記』8186回】
午前4時の都内は、空全体に薄めの雲が広がり曇りです。朝の気温は15度程度で、日中も16度と終日、気温変化がありません。日中は曇りか雨の予報です。今日は早朝の便で帰函します。

1)国は上告するな
生物兵器に転用可能な装置を無許可で輸出したとして外為法違反罪に問われた、横浜市の大川原化工機の社長らが提起した国家賠償訴訟の控訴審判決において、東京高裁は1審に続いて警視庁公安部と東京地検の捜査の違法性を明確に認め、国と東京都に対し賠償を命じました。

1審では、「必要な捜査が尽くされていない」として公安部の捜査を違法と認定し、起訴に至った検察の判断も「捜査不足による違法」と断じました。さらに2審では、公安部が外為法の関連規定を独自に拡大解釈し、それを根拠に逮捕・起訴に至ったこと自体が不当であるとまで言及し、「犯罪の嫌疑の成立にかかる判断に根本的な問題があった」と踏み込んだ判断を示しました。

この事件及び判決は、我が国の刑事司法におけるえん罪の深刻さを改めて突きつけるものです。国家権力が無辜の市民が逮捕・起訴するという問題は、民主主義と法の支配の根幹を揺るがしかねません。国はこの判決を重く受け止め、えん罪の再発を防ぐための抜本的な制度改革に直ちに取り組む必要があります。

取り調べの全面可視化、証拠開示の徹底、そして弁護人の早期関与の確保など、刑事手続き全体の透明性と公正性を高める制度整備は不可欠です。これらはえん罪を未然に防ぐうえでの基本でありながら、現状では依然として不十分なままです。

そして、国は今回の東京高裁判決に対して上告すべきではありません。度重なる違法性の認定に加え、捜査機関の判断そのものに「根本的な問題」があったと明示されている中で、これを争うことは、国が自らの責任を回避しようとしているとの誤解を生むだけでなく、えん罪被害者にさらなる精神的苦痛を与える行為です。過ちを認め、潔く非を受け入れることこそが、被害者への謝罪であり、再発防止に向けた第一歩です。

この事件は、一企業経営者の尊厳と人生を踏みにじっただけではなく、刑事司法への国民の信頼をも著しく損ないました。国は上告を断念し、えん罪の構造を放置しないとの強い意思を明確にすべきです。誤りがあったと認める勇気こそが、法治国家としての品格であり、未来のえん罪を防ぐために国がなすべき責任です。

【25年5月31日 その6489『逢坂誠二の徒然日記』8186回】
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