徒然日記
備蓄米の入札(逢坂誠二の徒然日記)
午前4時の都内、薄雲が広がっています。気温は既に20度に近くなっています。日中も多少雲のある状態ですが、予想最高気温は30度とのことです。
江藤農水大臣が辞任、更迭、いずれかは分かりませんが、交代する方向となりました。当然のことと思います。
1)備蓄米の入札
以下は、先日のBS朝日「激論!クロスファイア」で話した備蓄米の入札に関する詳細内容です。
現在、全国的にコメ価格が高騰し、国民生活への影響が深刻化しています。こうした状況に対し、政府は価格抑制を目的として、主食用米の政府備蓄米を市場に放出しましたが、その手法として入札方式を採用しました。しかし、この対応が果たして物価高対策として有効だったのか、疑問を抱かざるを得ません。
入札方式は、市場原理に基づいて備蓄米を民間事業者に売却する仕組みであり、平時においては公平性や透明性を確保する合理的な方法です。ところが、今回のように米不足が懸念され、需要が高まっている局面では、入札において高値がつきやすくなり、落札価格自体が上昇してしまいます。1回目の落札価格は22,914円、2回目が22,380円と、決して安い価格ではありませんでした。結果として、備蓄米の放出にもかかわらず市場価格はそれほど下がらず、価格抑制の効果は限定的となってしまいます。
そもそも政府備蓄米制度は、自然災害や不作などで供給が不足した際、国民の主食の安定供給を確保し、価格の過度な高騰を防ぐことを目的としたものです。したがって、目的達成のためには、形式的な手続きよりも実質的な効果が優先されるべきであり、今回のように物価高が続く異常時には、通常の入札方式を見直す柔軟な対応が求められていたと考えます。
具体的には、入札によらず、政府が買い入れた価格(令和5年度12,829円/俵)、あるいはそれに保管・流通コストを加えた適正な価格で定額売却を行うことが望ましかったといえます。このようにすれば、民間事業者が低価格で仕入れた米を市場に供給することが可能となり、全体としての価格引き下げ圧力が働くことになります。
また、物価高の影響を最も強く受けるのは、低所得世帯や子育て世代、高齢者です。こうした層への生活支援の一環として、学校給食や福祉施設などを通じて備蓄米を優先的に供給する施策も併せて実施すべきです。これは、価格そのものの引き下げとともに、実質的な生活支援という観点からも重要です。
危機時においては、政府の備蓄がいかに適切に活用されるかが、政策の信頼性や国民の安心に直結します。今後は、備蓄米の放出にあたり、入札方式と定額売却方式を状況に応じて柔軟に使い分けられるよう、制度の運用指針や基準の整備が急務です。
物価高対策としての備蓄米放出が本来の目的を果たすためには、何を目的として放出するのかの原点に立ち返り、効果的な実施方法を選択する冷静な判断が政府に求められています。形式の維持ではなく、実効性のある運用こそが今、必要とされています。
物価高対策なのに12,000円程度で買った米を22,000円で販売するのは意味不明です。
【25年5月21日 その6479『逢坂誠二の徒然日記』8176回】
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