徒然日記
再処理から撤退すべき/逢坂誠二 7899回
1)再処理から撤退すべき
9日、青森県、むつ市、東京電力ホールディングス、日本原子力発電の子会社「リサイクル燃料貯蔵」が9日、使用済み核燃料の中間貯蔵に関する安全協定を結びました。
原発から発生する使用済み核燃を再処理するまでの間、当面、青森県で保管するとの考え方です。青森県やむつ市は難しい中での決断だったと思います。
原発には、色々な課題がありますが、発電によって発生した放射性廃棄物の処分方法が決まらず、原発のことを「トイレのないマンション」と批判的に表現することもあります。この廃棄物の代表例が、今回、青森県で中間貯蔵する使用済み核燃料です。
日本には現在、約1.9万トンの使用済み核燃料があります。政府は、この使用済み核燃料を再処理して、再度、発電に使う方針を決めています。したがって日本の使用済み核燃料は、廃棄物ではなく利用できる有価物だというのが、政府の考え方です。
再処理後の燃料からは、また新しい使用済み核燃料が発生します。したがって再処理は単なる、問題の先送りに過ぎないことは、誰の目にも明らかです。しかし政府は、問題の先送りであることを認めず、再処理にこだわっています。
再処理の前提になる青森県六ヶ所村の再処理工場は、当初1997年に完成する予定でしたが、完成が26回も延期され、未だに完成していません。しかも仮に完成してもこれまでの取り組みを見ると、コストもかさむ上、安定的な操業は難しいのが現実です。
原発
↓
使用済み核燃料発生
↓
再処理でプルトニム取り出し
↓
MOX燃料製造
↓
使用済みMOX燃料発生(処理できない)
アメリカでは、再処理による発電はコストが高すぎて経済合理性がないとの理由で、早々と撤退しました。
また日本は、約45トンのプルトニウムを抱えていますが、核不拡散の観点も含め、国際的にはこの全てを発電に使うことになっています。現在、これほどのプルトニウムを抱え込んでいますので、当面は、使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出す意味はありません。
技術面、経済性、核不拡散のいずれの観点からも、使用済み核燃料の再処理は破綻していることは、誰の目にも明らかです。しかし政府はこれにこだわり続けています。
政府は、再処理から撤退し、乾式貯蔵で長期保存に、政策の転換をすべきです。
さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
【24年8月17日 その6202『逢坂誠二の徒然日記』7899回】
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こんにちは。
再処理ですが、工場の完成が延々と伸びていますね。エンドレスで続くような気がします。
どういう技術的問題があるのかが明示的に出てこないのも不思議なことです。政治的に
明らかに出来ないのか、技術的な目途が付きかねるので明らかに出来ないのか、それすら
明らかではないところが、何ともいやはや。放射性物質を扱う日本の技術は終わていると
言う気がします。
ところで、原発の使用済み燃料は各電力会社の貸借対照表の上では、資産計上されて
いると思いますが、もしそうであれば、再処理を諦めると、途端に、この資産が負債
の部に書き換えられるわけですよね。そうすると、経済的にも再処理を諦めることは
出来ないと言う事に成るのではないでしょうか。その意味からも、完成の技術的目途が
付かないことを明らかとすることは出来ないと思います。
自縄自縛の泥沼に陥っているのではないでしょうか。既に再処理に投じられた国民の
資産は数十兆円。付き合わされる我々国民には良い迷惑ですね。
これもまた、自民党政権の失政の一つといって良いでしょう。
旧民主党の失敗など、可愛いものです。
うらべ
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