徒然日記
緊急事態条項(国家緊急権)/逢坂誠二 #7779
午前5時、都内はすでに明るく、雲も少なめです。気温14度。日中も晴れ、今日は25度、夏日になる見込みです。穀雨です。
1)緊急事態条項(国家緊急権)
芦部信喜さんの『憲法第8版』(2023年)に、今、憲法審で議論になっている緊急事態条項(国家緊急権)について次の記述があります。
==以下、引用==
戦争・内乱・恐慌・大規模な自然災害など、平時の統治機構をもっては対処できない非常事態において、国家の存立を維持するために、国家権力が、立憲的な憲法秩序を一時停止して非常措置をとる権限を、国家緊急権と言う。
(国家緊急権は、)立憲的な憲法秩序を一時的にせよ停止し、執行権への権力の集中と強化を図って危機を乗り切ろうとするものであるから、立憲主義を破壊する大きな危険性をもっている。
==以上、引用終了==
国家緊急権は、「立憲主義を破壊する大きな危険性をもっている」との指摘です。
当然と言えば当然です。
一方、国家緊急権を実定化する方法として次の二つの方式を紹介しています。
==以下、引用==
1.緊急権発動の条件・手続・効果などについて詳細に定めておく方式
2.その大綱を定めるにとどめ、特定の国家機関(例、大統領)に包括的な権限を授権する方式
==以上、引用終了==
この実定化について次のように指摘します。
==以下、引用==
しかし、危険を最小限度に抑えるような法制化はきわめて困難であり、二つの方式のいずれも、多くの問題点と危険性をはらんでいる。
==以上、引用終了==
芦部先生の指摘は、
「危険を最小限に抑えるような法制化は極めて困難」、
「二つの方式いずれも、多くの問題点と危険性をはらんでいる」です。
現在、衆院憲法審では、緊急事態への対応として、衆院議員の任期延長が俎上に上がっています。議論を聞いていますと、推進派の皆さんは、任期延長は立憲主義を破壊する懸念はないと感じているように受け止められます。本当にそうでしょうか。
私は、もっと慎重に、多角的に議論すべきだと感じています。
憲法審の議論では、芦部先生の指摘も踏まえた落ち着いた議論をしなければなりません。
さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2024.4.19===
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こんにちは。
緊急事態条項を憲法に規定したい人々の意図は、
「自分たちの独裁」ですね。ド・厚かましくも愚かの極み。
彼らは、非常時に衆議院議員の任期延長が必要との理由
を言い立てているようですね。よくよく自分の顔を鏡で
見てみると良いと思います。
国全体の緊急事態が起こるとすれば、それは全面戦争、
首都東京が壊滅する大地震、抑えようのない感染症の蔓延、
この3つでしょう。
第一のものは、そもそも、そういう事態を招いたことに
対する国会議員の責任を取り、全員、辞任閉門蟄居が
相当でしょう。任期延長など烏滸がましい。参議院で
代替したので十分。衆議院議員が居たところで、官僚に
おんぶにだっこでしょう。
第二に関しては、そもそも、東京一極集中が間違いで
あるので、議論すべきはそこからです。100年早い。
第三の問題は、日本の医学が科学ではないことが、今般の
新型コロナ禍で明確になっていますから、学者を含めた
国民教育の問題から議論すべきです。さらには、電子投票を
制度化しておけば、任期延長など不要。
すべて法律で処理できるではないですか。
推進派の言う「現実」に憲法を合わせる愚を犯す前に、
なすべきことが山ほどある。立憲民主党は、憲法審査会が、
その党名が泣くような議論に墜してしまわないよう、
堂々と主張すべきことを主張していくべきです。
あ、そうだ、憲法審査会は議事録を含め、もちろん、
全面公開ですよね? もし一部でも非公開であれば、
審査会は、憲法を公明正大に審査する場ではなく、
談合の場に近いと言えます。
うらべ
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