徒然日記
22年12月23日 その5599『逢坂誠二の徒然日記』(7296)
1)原子力規制員会の崩壊
以前の日記で、今年7月に規制委の事務局を担う原子力規制庁の長官に片山啓次長が昇格し、発足以来初めて、長官、次長、原子力規制技監のトップ 3を経産省出身者が占める体制になったことを書きました。この際、私は規制委員会が壊れるとの懸念にも言及しました。こんな懸念は現実のものとなって欲しくないのですが、規制委員会の独立性の崩壊が着実に進んでいます。
一昨日、NPO法人「原子力資料情報室(CNIC )」が会見を開き、規制庁が規制委員会の指示を受ける前から経済産業省と連絡を取り、運転期間の延長などについて詳細な検討をしていたとみられる内部文書の提供を受けたと発表したのです。
この発表を受け、原子力規制庁は、指示を受ける前に経産省から検討状況などを聞いていたことや、 9月の時点で、3人の職員に制度作りを担当する部署への併任を命じていたことを明らかにしました。規制委と経産省の職員が、日常的に非公開の場で情報交換をしていたのです。
規制委員会は高い独立性が求められるのは言うまでもありません。この件に関し、山中伸介委員長は、「最終的な議論や決定は規制委員会が行うので、その前に制度設計の準備や頭の体操をすることは問題ない」と述べました。この山中委員長の認識に愕然とします。
山中委員長は、今年9 月の就任以降、規制庁と経産省などとのやり取りに関して「公開することが原則」と発言していましたが、そうしたことは全く守られていない上、委員長自らが事前のやり取りについて問題がないとの認識であれば、規制委員会の独立性は、無いものに等しいと思います。原発推進側の経産省とそれを規制する規制庁が一体化すれば、規制は無力化します。東日本大震災という、あれほどの事故を経験しながら、懲りずに先祖返りする政府の馬鹿どもに呆れるばかりです。こんなお手盛りをやるから日本の原発は信用できないのです。避難できない原発は一度も使用しなくても廃炉にしたアメリカのように、国民の命を守ることに誠実でなければなりません。しかし呆れてばかりでは済みません。来年の国会では、確実に政府の愚かさを追求します。
さあ今日もブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2022.12.23===
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