徒然日記
18年12月20日 その4131『逢坂誠二 の徒然日記』(5833)
一昨日の防衛大綱、中期防の決定は、
日本のあり方を大きく変える可能性がある。
私は、安全保障政策を時代の変化に応じて、
適宜、適切に見直す必要性は理解している。
しかし国のあり方を変え、
国論が割れる問題になればなるほど
国民に真正面から向き合おうとしない
安倍政権の不誠実な姿勢に
強い憤りを覚える。
しかも自分に都合の良い論を展開する
法制局長官に首をすげ替えて
ここまで押し切っていることに
恐怖すら覚える。
今回の決定は、
特定秘密保護法、
憲法違反の安保法制、
日米防衛協力のための指針、
共謀罪、
トランプ大統領からの武器の購入要請など、
これら一連の安倍政治の
具体的産物といえる。
日米の軍事的一体化、
憲法制約のない自衛隊の軍隊化を既成事実化し、
その結果を追認するような形で、
憲法九条を改正したいのではないか。
実に姑息な、
絶対に行ってはならない手口だ。
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そして問題は専守防衛だ。
ヘリコプター搭載型護衛艦を空母化し、
短距離離陸と垂直着陸ができる
F35Bを搭載する。
大陸間弾道ミサイル(ICBM)、
長距離戦略爆撃機、攻撃型空母など保有は
専守防衛の観点から許されない。
これは従来政府の一貫した見解だったのではないか。
このことは現在も防衛省のHPに記載されている。
少し長いが、以下に引用する。
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憲法第9条第2項で保持が禁止されている「戦力」にあたるか否かは、わが国が保持する全体の実力についての問題であって、自衛隊の個々の兵器の保有の可否は、それを保有することで、わが国の保持する実力の全体がこの限度を超えることとなるか否かにより決められます。
しかし、個々の兵器のうちでも、性能上専ら相手国国土の壊滅的な破壊のためにのみ用いられる、いわゆる攻撃的兵器を保有することは、直ちに自衛のための必要最小限度の範囲を超えることとなるため、いかなる場合にも許されません。たとえば、大陸間弾道ミサイル(ICBM)、長距離戦略爆撃機、攻撃型空母の保有は許されないと考えています。
==以上、引用終了==
攻撃型空母の保有は、
専守防衛をこえる可能性が大だ。
戦闘機を常時搭載しないから
攻撃型の空母ではないと
政府は主張しているが詭弁だ。
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改めて今回決められたことなどの一部を列挙する。
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海上自衛隊の護衛艦「いずも」、「かが」の二隻を改修し、
短距離離陸・垂直着陸可能なSTOVL機を搭載し、
事実上の空母として運用
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米軍の戦闘機の搭載も想定
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米国から地上配備型迎撃システム
「イージス・アショア」などを購入
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北朝鮮が米領グアムやハワイを狙って弾道ミサイルを発射した場合、
安全保障関連法で認められた集団的自衛権を行使して迎撃することも可能
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長距離巡航ミサイル「JASSM」「LRASM」のほか、
無人偵察機グローバルホークや早期警戒機E2Dを購入
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五年間の中期防の予算総額は
前回を約2兆8千億円上回り、
過去最多の27兆4700億円
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ステルス戦闘機F35は、
AB両型を合わせて新たに105機取得。
費用は少なくとも1兆2 千億円以上。
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うち短距離離陸・垂直着陸が可能なF35Bは42機。
F35Aは六十三機
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F35 の105機は、
F15のうち改修困難な99機分の代替機
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既にF4の後継として42機のF35Aの配備が進行中。
F35は将来的に計147 機体制
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今後、F35取得は、
最終段階の組み立てを国内で行う方式から、
完成機の輸入に変更
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サイバー防衛能力の強化、宇宙領域専門部隊の新設
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今回決まったことを
知れば、知るほど問題が多い。
まず予算だ。
人口減少社会の中で、
福祉、社会保障、教育など、
これまでと違った形での支出が必要になっているが、
これほどジャブジャブ防衛予算を使って良いのか。
負担を先送りしている兵器ローンの
今年度残高は5兆7168億円で、
この5年間で約1兆8千億円増えた。
将来負担も心配だ。
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サイバー対策は重要なことだ。
しかし議論が圧倒的に不足している。
防衛面も含む国家全体の
サイバー対策をどうすべきか。
サイバー上の専守防衛、
超えられない一線は何か。
これらの法整備をどうするか。
こんなことの議論が少な過ぎる。
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日本が置かれている環境が変化することは、
多くの人が承知することだ。
しかし、それに呼応して、
防衛力を増強することには限りがある。
力による防衛に限界があることを認識したのが、
日本国憲法だったのではないのか。
しかし安倍総理の六法にその考えはなさそうだ。
とにかく防衛力の増強あるのみなのではないか。
実力組織を持つことは理解する。
しかし力に対して力で抑止をすることが中心になれば、
予算はいくらあっても足りないし、
安全保障のジレンマに陥ってしまう。
必要最小限の実力組織に加えて必要なのは
対立を緩和する政治の力だ。
今最も必要なのは政治の力だ。
ところが安倍総理の近隣外交はことごとく失敗だ。
その失敗のツケを補うために、
周辺環境の悪化を喧伝し、
国民の恐怖心を煽り、
防衛力の過大な増強をする。
これが安倍政権の現実なのではないか。
こんなことでは、財政的にも、
現実的危機の観点からは、
一番割りを食うのは国民だ。
多くの皆さんに、結局は国民が困るという
安倍総理の自作自演の悲劇に気づいて貰いたい。
さあ今日もブレずに曲げずに、
確実に前進します。
==2018.12.20==
皆様のコメントを受け付けております。
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>戦闘機を常時搭載しないから
攻撃型の空母ではないと
政府は主張しているが詭弁だ。現政権では本当の理由や目的を隠して、何かを強引に進めることがあまりにも多いですね。入管法改正では「移民だけど移民じゃない」今回も「空母だけど、空母じゃない」、このような言い分がまかり通っていることは疑問です。
アメリカとの関係、9条との兼ね合いからか、防衛をどうするのかについて、なかなか正面からの議論がされないことが気になります。
「軍隊持ってるけど、軍じゃない」という憲法の矛盾に、いつかは向き合わなければならないような気がしています。もちろん、条項を足すなどというお為ごかしではなく。(ところで知事選でいろいろな噂が飛び交っていますね。新橋での力強い演説は、国政でやっていくのだ!という意思表明のようにも見えました…うがった見方ですかね(-.-;)どちらに行かれたとしても応援しています)
12月20日の道新朝刊に、逢坂さんが次期道知事選の候補に取り沙汰されている旨が報じられていましたが、もしもそのために国会議員を辞職されるようになるのであれば残念でなりません。とても心配です。
現下の安倍政権は、与党共々、問答無用とばかり強権的な国会運営を行い、国民の多くが望んでいない、危うい法律や制度等を矢継ぎ早に定め、我が国の行く末に大きな不安と危機感を招いています。
このような安倍政権に対峙し、我が国の進むべき方向に禍根を残さないためにも、何としても逢坂さんには国会議員に止まり活動を続けていただきますようにお願いいたします。
国民主権と民主主義を守り、戦争の無い平和な日本であり続けるために逢坂さんの国会議員としての活動が必要です。お願いいたします。