徒然日記

10月15日 その2610『逢坂誠二の徒然日記』(4305)




パリの朝は遅い。

午前6時でも真っ暗だ。

だが空には雲が無く、快晴の雰囲気だ。

1)World Nuclear Exhibition 2014
昨日は、パリ郊外ル・ブルジェの見本市会場で、
14日から3日間の日程で開催されている、
World Nuclear Exhibition 2014を訪問した。

World Nuclear Exhibitionは、
本来、ビジネス関係者のみが参加できるものだ。

しかし今回は、
ラ・アーグの再処理工場の
視察調整ができない見返りと言えばちょっと大げさだが、
在日フランス大使館からの声掛けもあり、
私も特別の参加となった。

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パリでは、ほぼ毎日にように
国際的な見本市や会議が行われており、
ル・ブルジェは、その会場の一つだ。

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World Nuclear Exhibition 2014は、
原子炉の建設・保守・解体、廃棄物処理・再利用、
計測・モニタリング機器、危機管理、被曝対策、
トレーニング、ロボット、医療、保険、金融など、
原子力に関するあらゆる製品やサービスを網羅する展示会だ。

主催は、フランス政府関係組織だが、
フランス最大の原子力企業AREVAや、
フランス電力(EDF)の大きな支援を受けての開催。

出展企業は300社を遥かに上回る規模で、
日本からは三菱重工や東芝など数社の出店があった。

会場では、
日本原子力産業協会の発行する
「Nuclear Energy Buyers Guide in Japan 2014-2015」が
無料配布されていた。

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この冊子について同協会のHPでは、
以下のように説明されいている。

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当協会では、海外向けに原産協会会員各社の業務内容やコンタクト先を英文で紹
介する「Nuclear Energy Buyers Guide in Japan 2014-2015(JAIFバイヤー
ズガイド)」(A4版82ページ、)を3年ぶりに改訂し、このたび刊行いたし
ました。
 
本バイヤーズガイドでは、原子力プラントメーカーをはじめとする機器製造や建
設、サービス、素材分野など、当協会を構成する幅広い会員企業群計55社を紹介
しています。
 
今後、本冊子を日本の原子力産業界の層の厚い全体像を示す唯一の英文資料とし
て、海外VIP来日時や、国内外の各種イベントで配布する予定です。

==以上、引用説明終了==

この冊子は、以下からダウンロード可能だ。

http://www.jaif.or.jp/ja/news/2014/buyersguide2014.pdf

この冊子を読むと、
福島第一原発のことなどはすっかり忘れ、
日本企業が世界に向かって
熱心に売り込みをしている印象を受けるが、
それは穿った見方だろうか。

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ル・ブルジェの会場は、本当に広い。

正門から数百メートルも歩いて、
いくつもの展示会場を通り過ぎた先に、
今回のWorld Nuclear Exhibition 2014の会場がある。

主催者から電子メールで、
予め送付された参加証と
パスポートのチェックを受けて会場入りする。

昨日は、開催初日で、私がお邪魔したのは、
開場後、それほど遅くない時刻だったが、
もう既に会場は、大勢の来場者でごった返している。

各企業のブースでは、まさにビジネス、
商談の真っ最中という感じの話し合いが行われている。

会場の中でも、ひときわ目を引くのは、
AREVAやEDF、
さらにAREVAと提携する三菱重工のブースだ。

AREVAブースには、
資料を貰えないほどに多くの方が殺到している。

もちろん大企業だけではなく、
ロボットや無人探査機、原子力の細かな部品を扱う企業、
そして警備やコンサルタントなどの
中堅や小規模企業も参加している。

原子力産業の裾野の広さを感ずると同時に、
これほどの経済の渦巻く流れをどう押しとどめるのか、
気の遠くなる印象を受ける。

お金の濁流に押し流されて、
個人の意思や倫理観ではどうにもならない雰囲気を感ずる。

小さな小舟に乗った私が、
いつのまにかナイアガラ瀑布の上流に流し込まれ、
渦巻く濁流にあらごうこともできず、
崖っぷちは目前に迫っている。

どう大声を上げようが、
手足をバタつかせようが、なすすべはない。

目前に迫った滝の真上から、滝壺へと真っ逆さまに落ちて、
自分もその経済の濁流に巻き込まれる。

そんな印象を受けるほどの、数多くの企業群の展示会だ。

ものの良し悪しではなく、
これほどの利益が目の前に存在するのに、
みすみすそれを見過ごす手はない、
多くの人にそう思わせる空気に満ち溢れている。

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ラ・アーグ再処理工場の視察が実現しなかったのは残念だが、
別の観点から大きな収穫のあった
World Nuclear Exhibition 2014への参加だった。

https://www.world-nuclear-exhibition.com/

今日は、フランスの公文書館を訪問する予定だ。

さあ今日も、しっかりと前進します。
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        2014・10・15
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皆様のコメントを受け付けております。

  1. 相変わらず、フランス、イギリスは、原発推進。 日本企業は太陽熱に、三菱重工と日立製作所が開発しながら、原発推進をしている。まさに、めざとい。ところで、法人税引き下げについて、大企業が40%はらっているのか、民主党は追及してほしい。今の税制度をそのままにして、外形標準課税を導入すると中小企業にとっては、増税になってしまう。

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