徒然日記
10月12日 その2242『逢坂誠二の徒然日記』
夜明け2時間前のニューヨークは、
まだ真っ暗だ。
雨は降っていないが、
気温は14、5度で結構な肌寒さを感ずる。
日中は20度になる見込みで、
曇り時々晴れの予報だ。
数日前のように、
スッキリとした秋晴れの天候になってほしいが、
予報を見る限り、難しそうだ。
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函館とニューヨークの
今日の日の出、日の入りの時刻は、
次のとおりだ。
日の出:
函館5時46分、ニューヨーク7時4分
日の入:
函館16時59分、ニューヨーク18時20分
日中の長さは、いずれも11時間強で同じだが、
朝の同時刻の雰囲気から判断すると、
ニューヨークの暗さは、函館の冬の雰囲気だ。
1)国立公文書館(NARA)
今日から週末、
さらに14日はコロンバス・デイで祝日だ。
残りのアメリカ滞在予定とやるべきことを考えると、
平日をフルに活用してワシントンDCを訪問できる日程は、
昨日が最有力だった。
そのため、
予算未成立による政府機関閉鎖中だったが、
昨日は、無理をしてワシントンを訪問した。
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案の定、
一番の目的だった国立公文書館の扉は固く閉ざされ、
守衛ボックスにも全く人影がない。
しかも昨日のワシントンは、終日、冷たい雨。
入口には、次の看板が掲げられていた。
We’re sorry. Due to the shutdown of the Federal Government, the
National Archives is closed.
Please check for www.archives.gov update information.
時折、強く降る雨が、私の肩を濡らす。
まさに完全なshutdown状態で、
ネズミ一匹すら寄せ付けない感じだった。
誠に残念と言うほかはないのだが、
諦めるしかない。
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アメリカ国立公文書館の取り組みは、
私の政治姿勢の大きな支柱となっている。
1985年から10年間に渡って、
館長を務めたジョン・カーリン氏は
「公文書館はアメリカが
100年後も民主的な社会でいられるかどうかの鍵を握っている。
公文書館の衰退は,民主主義の衰退を意味する」
とまで言い切っている。
私も全く同感だ。
民主主義の基礎は情報だ。
さらに情報の基礎は、
瞬間の垂れ流しではなく、
どう記録するかだ。
アメリカの国立公文書館の正式名称は次のとおりだ。
国立公文書記録管理局(NARA:
United States National Archives and Records Administration)
アメリカの公文書館は、単なる所蔵庫ではない。
「記録」にもしっかりと重点が置かれ、
絶えず進化している。
ここが私がNARAに注目する凄さの一つだ。
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これに比べると日本の公文書管理は、
まだまだよちよち歩きの状態だ。
確かに公文書を管理することに対する、
ある一定の見識はある。
(もちろんこれもよちよち歩きだが。)
しかし、どう記録するかに関しては、全く考えが足りていない。
どんなに公文書管理が徹底していたとしても、
公文書に何も記録されていなければ、
それは意味を成さないのだ。
公文書の出発点は、
行政の諸活動等を、
どの程度、誰がどう記録するかが肝心なのだ。
この視点が抜けた公文書管理は、
空っぽの宝箱に等しい。
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日本の公文書管理は、
どう記録するかの観点が全く抜け落ちている。
というより、政治、行政レベルでは、
あえてこの点の議論を避けている印象がある。
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日本で、公文書管理法が施行されたのは2011年4月。
たった2年半前のことだ。
それまでは、日本には公文書管理法がなかったのだ。
(これも相当な驚きなのだが。)
そしてこの法案審議の際も、私が重視したのは、
公文書の定義、
つまり行政の諸活動をどう記録するかだった。
ここがキチンとしていなければ、
空っぽの宝箱を後生大事に保管しても
何の意味も成さないからだ。
しかし法案立案、修正の過程では、
ここまで審議するレベルには達していなかった。
これが日本の公文書の大きな盲点になっている。
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アメリカの国立公文書館は、
この点に一つの力点を置いて、
何を誰がどう記録するかについて、
常に進化している。
特に電子媒体が多用される現在は、
記録の改ざんなどが簡単に可能となり、
特にこの点が重要だ。
こうしたことも含めて、
アメリカ国立公文書館(NARA)の取り組みには、
民主主義の本質が包含されている。
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政府機関閉鎖で、
昨日は、このNARAの取り組みに
触れることはできなかったが、
いずれ再訪しなければならない。
さあ今日も、しっかりと前進します。
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2013・10・12 Seiji Ohsaka
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