徒然日記

『逢坂誠二の徒然日記』 その1078



昨日、札幌市内で用務があったため、
今日は札幌からの発信ですが、
早朝のうちに都内に移動します。

1)予算案
25日、
「いのちを守る」
来年度予算案が決まりました。

一般会計の総額は92.3兆円です。

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歳出:

一般歳出    53.4兆円
(うち社会保障27.3兆円)
(うち経済危機対策1兆円)

地方交付税等 17.5兆円
国債費     20.6兆円など

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歳入:

税収      37.4兆円
その他収入 10.6兆円
公債費    44.3兆円など

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この予算案では、
3つの変革が盛り込まれています。

・ コンクリートから人へ
・ 政治主導の徹底
・ 予算編成編成プロセスの透明化

これを徹底した予算と言えます。

報道などでは色々と言われていますが、
政治主導で方向付けが決まった、
初の予算と言えるのではないでしょうか。

旧政権のもとでは
絶対にできなかったことです。

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【コンクリートから人へ】

・ 子ども手当月額1.3万円の支給
・ 高校の実質無償化
・ 雇用調整助成金を10倍以上に増額
・ 診療報酬を10年ぶりにプラス改定
・ 介護労働者の処遇改善
・ 肝炎対策の強化
・ 戸別所得補償をモデル的に実施
・ 景気対策枠2兆円を確保

公共事業は、18.3%の減となっていますが、
北海道開発予算は17%減と
全国よりも低い下げ幅になっています。

また8区管内では、

・ クラスター事業の復活、
・ 新函館までの新幹線工事費の大幅増額
・ 函館・江差自動車道
・ 函館新外環状道路
・ 230号国縫道路
・ 278号鹿部道路
・ 北海道縦貫道
・ 大野平野地区国営かんがい排水事業
・ 今金国営農地再編整備事業
・ 新幹線新規着工留保額の確保

以上などの主要事業の予算付が
ほぼ大丈夫な見込みです。

また、

・ 地方交付税1.1兆円の増額
・ ザラボヤ対策自治体単独事業費の
  特別交付税算入
・ 森町国保病院関連交付税大幅減額を修正

など点でも今回、大きく貢献できたものと思います。

地元の皆さんの声に応えることができ、
安堵しています。

この結果、マニフェスト主要事項実現のための
必要な財源は3.1兆円となりましたが、
それを次のように賄っています。

要求段階からの削減 1.3兆円
仕分け結果の反映   1.0兆円
基金等の返納      1.0兆円

以上、合計        3.3兆円

【政治主導の徹底】

政治が考え、政治が責任を持つ予算編成を実施

・ 財務省原案の実施
・ 官邸(総理、副総理)主導
・ 閣僚委員会の開催
・ 税制調査会の一本化

【予算編成プロセスの透明化】

・ 事業仕分け
・ 予算の中抜きの阻止
・ 不要な基金の無駄排除

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辛口の報道もあるようですが、
総じて自治体の皆さんをはじめ多くの方々から、
たて前での批判とは別に、
本音ベースで評価を頂いた予算案になったと思います。

特に自治体関係者からは、
予算編成に関し、
国とこんなに情報交換したことはなかった
との声も届いています。

2)居抜き
飲食店業界には、
「居抜き」という言葉があります。

ある飲食店が閉店し、
その不動産物件を次に転売する場合、
厨房機器など撤去して全てをもとに状態、
つまりサラの状態にするのが普通です。

「居抜き」とは、これとは全く逆の考え方で、
前の経営者がやっていた状態を
そのまま引き継ぐ方法であり、
厨房や食器など、
新規の投資が少なく済むメリットがあると言われますが、
反面、自分の経営戦略に沿った
店舗づくりができない等のデメリットもあります。

実は、今回の政権交代は、
まさにこの「居抜き」状態だと言えるのです。

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これまでは、国民から遠い、
経営内容も明確ではない、
さらに栄養価もあまり高くない、
しかも手持ちの現金が少なく、
借金の多い食堂だったのです。

ところがこの8月、
居抜き状態で経営者が変わったのです。

厨房も看板も、食器も内装も、
さらに負債から従業員から何から何までも、
以前の経営状態のまま新しい経営者に変わった、
究極の居抜き状態が今回の政権交代です。

新しい経営陣は、
旧来の設備や従業員、
そして財務体質を引き継いで、
新たな食堂経営に乗り出します。

経営の方針は、従前と大きく違っています。

・ どんな食材を使い、どんな調理方法をするのか、
  お客様に徹底して情報公開を行う

・ これまでは間接的に食事を提供する割合が高かったのですが、
  これからは直接食事を提供する割合を高めたり、
  食材を自由に選択して頂き、
  お客様、自らが調理できる方式も取り入れる

など、経営方針も提供する料理も違います。

それはまるで、コストの高い食堂を、
国民のためになる、栄養価の高い、
大衆食堂に切り替えるような作業です。

しかし、厨房施設などが、
新しい方式に一致する設備になっていません。

さらにこれまでの負債もあります。

そんな中でのスタートですから、
店の状態を手直ししながら、
新しい料理を提供する難しさがあるのです。

しかも今の店舗は、
60年近くも、
前の考え方に沿うよう造られた店舗です。

それを手直しするのは簡単ではありません。

しかも、この食堂は唯の一日も
休むことは許されないのです。

24時間営業を続けながら、
店舗設備の改修や従業員の意識改革も行い、
さらに財務体質を強化しながら、
新しい料理を出すとことが、
新しい経営者の使命なのです。

これはもとより大変なことであるのは
自明のことですが、
とにかく前進あるのみです。

3)権力者の自戒
ニセコ町長に就任して以来、
権力者としての力の大きさを
権力者そのものが自覚することの
大切さを痛感しました。

権力者とは、何も首長だけではなく、
組織の中の課長も係長も、
あるいは対人関係の上下など、
色々な権力関係があります。

こうした中で、
自分がどんな程度の権力を持っているかを、
権力者そのものが知ることが必要なだと、
私は考えています。

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権力は刃物に例えることができます。

自分が持っている刃物の、
形、大きさ、種類を認識することが必要です。

つまり、それがたとえば、
カッターなのか、日本刀なのか、
出刃包丁なのか等
自分がどんな刃物を持っているかです。

そして権力者自らが、
それをどう使う予定なのかを、
十分に認識することです。

こうした認識がないままに、
手に刃物を持ったまま勝手気ままに、
刃物を振りかざすと、
権力者も予期しない重大な事態が発生しかねません。

もっとも恐ろしいことは、
権力者であるにも関わらず、
自分が刃物を持っていることすら
認識していない権力者が少なくないことです。

これは極めて危険です。

実は権力者は、刃物を持っているだけで、
何もしない場合であっても
その権力を背景にして、
他者に影響を与えている場合があります。

権力を持っていることを認識しない権力者は、
誠に困った存在です。

また権力を持っていることを認識していても、
その権力の大きさ強さなど、
その内容を認識していない権力者も同様です。

権力とは厄介なものですが、
最近、改めてこんなことが気になっています。

3)無作為の失政
私の仕事柄、当然ですが、
色々な自治体の政策について相談をうけることが
多々あります。

自治体首長の交代期などに、
そんな相談を受けることもあります。

新たな首長さんなどが、
どう政策を実現するかなどについて、
真摯に考え立ち向かう姿に、
感動を覚える場面も多々あります。

その際に、どうしても前任首長のやり方と
対比をせざるを得ない場面があります。

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首長などは、
新しい仕事をしたり、
何かを判断すれば、
良い評価とともに、批判があるのも通例です。

逆に何も
新しい仕事をしなければ、
あえて難しい課題を設定せずに判断を下さなければ、
評価もありませんし、
当面、批判が起きないのも事実です。

しかし、首長が変わったりした場合に、
こうした経過も踏まえつつ、
相談を受けていると、
前任者の不作為が、
その自治体に大きな損害をもたらしているケースに
遭遇すことことが少なくありません。

その損害額は、数億円であったり、
数十億円であったりと様々なです。

しかし、この損害は、
不作為のために、
そもそも得られる利益と認識されていないため、
白日のもとで批判されることはあまり多くはありません。

こんなとき私は、
不作為の不利益について、
いつも頭を抱え込んでしまいます。

4)国立八雲病院
一昨日、国立八雲病院を訪問しています。

八雲病院は、
重症心身障害と筋ジストロフィーの専門施設として、
渡島・檜山圏域はもとより、
全道、全国から患者さんが集まっています。

しかし、看護師さん不足だったり、
病棟を更新できないなど、
様々な問題も抱えています。

独立行政法人としての課題もあるようです。

過日は、こうした話も含め、
国立八雲病院の現状をお聞きしています。

国立八雲病院は、
日本で大変重要な役割を果たしています。

これらの課題にしっかりと立ち向かいます。

さあ、今日もしっかりと前進します。
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 2009・12・28 Seiji Ohsaka
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  1. […] This post was mentioned on Twitter by フジタツヨシ, j8takagi. j8takagi said: 究極の居抜き、か。なるほどな比喩。http://www.ohsaka.jp/blog/article-314.html […]

  2. 12月26日の国立病院機構八雲病院のご視察の際に、お会いできなくて、残念でした。ブログに当院のことが書かれており、恐縮です。
    故山田晃睦(元栗沢町長)が、会合などで、ニセコ町長時代にお会いさせていただいたようで、常々「逢坂さんはものが違う」と一目置いて尊敬していました。
    ご活躍を、亡き父も、どんなにか期待しているかと思うばかりです。

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