徒然日記
副首都構想が目指すものは何か 【26年10月22日 『逢坂誠二の徒然日記』8693回】
結局、傘を差しながらの活動に。片手がふさがるため、胸にピンマイクをつけてお話ししました。
終了後は、手がかじかんで、箸も持てないほどの冷たさでした。
気温の高い日もありますが、季節は確実に進んでいます。朝の街頭活動にも、冬の気配を感じるようになりました。
1)副首都構想が目指すものは何か
副首都法には、大きく三つの目的があります。
*東京の首都中枢機能のバックアップ
*東京一極集中の是正と国土の多極分散
*副首都を中心とした経済成長
この法律は、東京と同じ機能を持つ「第二の東京」を創設するものではありません。
副首都は、平時には首都中枢機能の代替に備えるとともに、地域経済の成長拠点としての役割を担います。平時から東京と並んで同等の首都中枢機能を担うわけではありませんが、国の行政機関の拠点整備や機能強化などを進めることが想定されています。
そして、東京が大規模災害によって首都中枢機能を維持できなくなった場合には、必要に応じて一定期間、その全部または大部分を代替します。
つまり、副首都とは、災害時の国家機能の継続に備えるとともに、平時には国土の多極分散と地域経済の成長を担う地域なのです。
==副首都の候補は4道府県==
先般、政府は副首都の指定要件を示しました。
人口や経済規模、国の行政機関の立地などの基準から、副首都の候補となるのは、北海道、愛知県、大阪府、福岡県の4道府県と考えられます。
ただし、この4道府県が自動的に副首都に指定されるわけではありません。道府県と指定都市の連携体制など、必要な要件を満たさなければなりません。
副首都の指定は、道府県議会の議決を経た道府県からの申出に基づき、内閣総理大臣が行います。
また、副首都は一つに限定されず、複数の道府県が指定されることも想定されています。
==三つの目的は共存できるのか==
私は、この法律が掲げる三つの目的が、果たしてうまく共存し得るのか、悩ましい問題だと考えています。
というのも、この法律は、単に東京の首都中枢機能をバックアップするだけではなく、多極分散型の国土構造を形成し、その中で副首都を経済成長の拠点として発展させるという、これまでにない新しい姿を目指しているからです。
首都機能の代替には、災害に対する安全性や、国家機能を確実に継続できる体制が求められます。
一方、経済成長には、人材、企業、資本、研究機関などの一定程度の集積が必要だと思われます。
そして、多極分散を実現するには、特定の地域への過度な集中を避け、それぞれの地域が特性を生かして発展することが必要です。
これらは必ずしも矛盾するものではありませんが、自然に両立するものでもありません。
例えば、東京から大阪や札幌などへ人口や経済機能が分散すれば、東京一極集中の是正にはつながります。
しかし、その結果、北海道では札幌への人口や経済機能の集中がさらに進み、道内の他の地域の衰退が加速するようなことがあれば、それを多極分散型の国土形成と呼べるのでしょうか。
全国的には分散が進んでも、それぞれの地域の内部では新たな一極集中が進む可能性があります。
首都機能の代替、多極分散、経済成長という異なる要請を、どのように調和させるのか。
副首都法が目指す新しい国土の姿がどのようなものなのか、より具体的に明らかにする必要があると考えています。
==道府県が副首都になるとは、どういうことか==
もう一つ、私が気になっていることがあります。
それは、副首都に指定されるのが市町村ではなく、広域自治体である道府県だということです。
しかし、副首都への指定によって、道府県の行政機能や役割が具体的にどのように変わるのか。また、指定された道府県にどのような利点がもたらされるのかについても、現段階では不確かな部分があります。
例えば、北海道が副首都に指定された場合、札幌市を中心に首都中枢機能の代替拠点が整備されることが想定されます。
しかし、それによって北海道全体にどのような変化が生じるのでしょうか。
国の行政機関の配置、交通・通信基盤の整備、企業活動の活性化などが考えられますが、その具体的な内容や財政措置は、まだ十分に明らかになっていません。
また、副首都への指定によって国からどのような支援が得られるのか、逆に道府県や市町村にはどのような財政負担や行政上の負担が生じるのかも、明確にする必要があります。
さらに、札幌への機能集積が進むことで、函館、旭川、帯広、釧路など道内各地域にも経済成長の効果が及ぶのか。それとも札幌への一極集中が一層強まるのかという問題もあります。
副首都への指定によって道府県全体がどのように変わり、住民の暮らしにどのような利益が生まれるのか。
その具体像は、法律からはまだ十分に読み取れません。
==北海道と大阪府の連携協定==
北海道と大阪府は、8月31日に「副首都の実現に向けた連携・協力協定」を締結しました。
両地域が協力して首都中枢機能の代替に備えることや、互いの強みを生かして経済成長を目指すことが目的とされています。
複数の地域が連携し、国家機能の継続や地域経済の発展を目指すことには、一定の意義があると思います。
しかし、なぜ副首都の指定前に両地域が協定を結ぶ必要があったのか。また、この協定によって具体的に何が実現するのかについては、まだ十分に理解できていません。
特に、協力分野として挙げられているスタートアップ、食、AI、GXなどについては、副首都に指定されなくても自治体間で連携することが可能です。
副首都制度によって従来の自治体間連携と何が変わり、どのような新しい効果が生まれるのでしょうか。
さらに、北海道と大阪府がそれぞれ副首都に指定された場合、首都中枢機能の代替について、どのような役割分担や相互補完を行うのでしょうか。
それぞれが東京の首都中枢機能の全部または大部分を代替できる体制を整えるのか。それとも、地域ごとに異なる機能を担い、互いに補完し合うのでしょうか。
こうした点についても、具体的な説明が必要だと考えています。
==副首都構想の具体像を明らかに==
北海道、愛知県、大阪府、福岡県の4道府県は、それぞれ副首都の指定を目指す方針を明確にしています。
「副首都構想」という言葉だけを聞くと、何か新しい可能性が広がるような、魅力的な印象を受けます。
しかし、法律の内容を詳しく見ていくと、まだ分からないことが数多くあります。
そもそも、首都機能のバックアップ、東京一極集中の是正、地方経済の振興は、従来の法律や政策でも取り組むことができます。
それらを「副首都」という一つの制度にまとめることで、従来とは何が変わり、どのような新しい効果が生まれるのでしょうか。
また、副首都に指定されることで、具体的に何が変わるのでしょうか。
首都機能の代替、国土の多極分散、地域経済の成長という三つの目的を、どのように共存させるのでしょうか。
指定された道府県や住民に、どのような利益や負担が生じるのでしょうか。
こうした点について、国も道府県も、さらに踏み込んだ具体的な説明が必要だと考えています。
副首都構想を、名称やイメージだけで判断するのではなく、その実態を丁寧に見極めることが大切です。
私自身も、引き続き勉強を重ね、副首都構想の意義と課題を考えていきます。
さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
【26年10月22日 その6996『逢坂誠二の徒然日記』8693回】
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