徒然日記

JR北海道の黄色線区について 【26年9月12日 『逢坂誠二の徒然日記』8653回】

函館の朝の気温は15度程度です。完全に秋の雰囲気です。日中は25度と夏日で、晴れ間が広がります。

1)JR北海道の黄色線区について
JR北海道の「黄色線区」をめぐる議論が、大きな局面を迎えています。
JR北海道は2016年、10路線13区間について「単独では維持することが困難」と公表しました。

このうち、輸送密度が1日1キロ当たり200人未満の5区間、いわゆる「赤線区」は、沿線自治体との協議を経て、今年3月末までにすべて廃止されました。

一方、輸送密度200人以上2000人未満の8区間は「黄色線区」と呼ばれています。釧網線、花咲線、石北線、宗谷線、富良野線、根室線、室蘭線、日高線です。
これらは、地域住民の通学、通院などの日常生活はもちろん、観光や地域間交流など、北海道の暮らしと経済を支える重要な鉄道網です。

国土交通省は2024年3月、JR北海道に監督命令を出し、2026年度末までに、8区間それぞれについて「事業の抜本的な改善方策」を確実に取りまとめるよう求めています。
これを受け、JR北海道は今年4月、黄色線区を持続的に維持するための考え方を示しました。
利用状況に応じた輸送体系の見直し、踏切除雪や駅業務などの担い手確保、鉄道資産の自治体への譲渡、さらに運行主体と鉄道施設の保有主体を分ける「上下分離方式」の検討などです。
しかし、上下分離方式などは北海道や沿線自治体に新たな負担を生じさせる可能性があります。当然、自治体側からは厳しい声が上がり、本格的な協議に入れない状態が続いていました。

ところが、今日の北海道新聞によれば、この協議の枠組みが大きく変わる方向です。
JR北海道は国土交通省と北海道に対し、黄色線区の存続策を議論する協議会の設置を要請する方針です。国と道も応じる方向で、10月にも初会合を開くと報じられています。
これまでJR北海道が事務局を担い、国はオブザーバーという立場でしたが、今後は国と道が共同で調整役を担い、8区間ごとの協議にも深く関わる方向です。

また、自治体の強い反発を招いた「上下分離方式」は、当面、議論の対象から外されると報じられています。
国と北海道がこれまで以上に主体的に関与する方向となったことは、一歩前進だと思います。

しかし、これで問題が解決するわけではありません。
人口減少が進む北海道で、地域の努力だけによって鉄道利用者を大幅に増やすことには限界があります。財政力の弱い地域ほど人口減少が進み、公共交通の維持も難しくなっています。そこに新たな負担を求め続ければ、鉄道を必要とする地域ほど鉄道を維持できないという矛盾が生じます。

そもそも鉄道の役割は、利用者数や赤字額だけで測れるものではありません。
高校生の通学、高齢者の通院、観光客の移動だけではなく、北海道の農産物などを全国へ運ぶ物流、災害時の交通手段、さらには食料安全保障や国土政策という観点もあります。
国土交通大臣も国会答弁で、JR北海道の路線は旅客輸送だけではなく、貨物輸送のネットワークの一部を構成するなど、多様な役割を果たしているとの認識を示しています。

まず考えるべきなのは、個々の路線の赤字を誰が負担するのかではありません。
北海道や日本の将来にとって、どのような鉄道ネットワークが必要なのか。
その全体像を、国、北海道、JR北海道、沿線自治体が一緒になって描くことです。

その上で、必要な鉄道網を維持するために、それぞれがどのような役割と責任を担い、費用をどう分担するのかを考えるべきです。
国が2026年度末という期限を設けて抜本的な改善を求めている以上、国自身にも大きな責任があります。

北海道の鉄道は、単なる一企業の経営問題ではありません。
北海道で暮らし続けるための基盤であり、北海道と日本の未来をどうつくるのかという問題です。
国と北海道が前面に出る新たな協議を、単なる負担割合の調整の場にしてはなりません。
北海道全体の交通体系をどうするのか。その大きな視点から議論を始める必要があります。
近々、私も関係者から直接話を伺い、この問題について議論する予定です。

さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
【26年9月12日 その6956『逢坂誠二の徒然日記』8653回】

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