徒然日記

人が基本の社会と健康 【26年9月11日 『逢坂誠二の徒然日記』8652回】

張本勲さんが亡くなられました。86歳でした。
通算3085安打。日本プロ野球史に大きな足跡を残した「安打製造機」でした。
同時に、張本さんは5歳の時、広島で被爆された被爆者でもあります。
長く胸の内にしまっていた被爆体験を後年になって語り、戦争の悲惨さ、平和の大切さを次の世代に伝えてこられました。
偉大な野球人であり、戦争の記憶を伝える一人でもあった張本さん。
その歩みに敬意を表し、心からご冥福をお祈りいたします。

1)人が基本の社会と健康
本年1月現在、日本の高齢化率は29%程度です。75歳以上の高齢者の割合も17%程度となり、全人口のおよそ6人に1人に達しています。まさに超高齢社会と呼ぶにふさわしい状況です。

こうした中、次のような要因を背景として、今後、必要な医療や介護などのサービスを十分に提供できなくなる可能性が高まっています。
*医療・介護サービスを担う人材の不足
*社会保障を支える財源の制約
*医療・介護サービスを必要とする人の増加
*地域によるサービス提供体制の偏在

もちろん、高齢になれば誰もが医療や介護を必要とするわけではありません。
できるだけ長く健康で、自立した生活を送ることのできる環境を整えることが重要です。
これは単に医療費や介護費を抑えるためではありません。一人ひとりが年齢を重ねても、自分らしく生活し、社会とのつながりを持ち続けるために大切なことです。

今日は、私自身が日頃、特に大切だと感じていることをいくつか挙げてみます。

まず運動です。
私は、歩くことの重要性を痛感しています。それに加えて、柔軟性と筋力を保つことも極めて大切です。
私の場合、1日3キロ、月100キロを一つの目安に歩いています。さらに日々、特別な器具を使わずにできるストレッチや筋力トレーニングも心がけています。

次に、口の中の健康です。
口腔の健康は、食べる、話すという日常生活の基本であるだけではなく、全身の健康とも深く関係しています。
歯や歯ぐきの状態が悪くなり、噛む力が衰えると、食べられるものが限られ、十分な栄養をとりにくくなります。それが体力や筋力の低下につながることもあります。
また、高齢になると、飲み込む力が低下し、口の中の細菌などが誤って気管や肺に入ることで、誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。そのため、歯や歯ぐきだけではなく、口の中を清潔に保ち、噛む力や飲み込む力を維持することも大切です。
さらに、歯周病は糖尿病など全身の病気との関連も指摘されています。口の中の健康を保つことは、単に歯を守るだけではなく、全身の健康を考えることでもあります。
また、歯磨きや食事などを意識することは、日々の生活習慣を見直すことにもつながります。
悪い歯があればまず治療し、定期的に歯科検診を受ける。私自身は、3か月程度に一度の受診を心がけています。

そして、社会参加も大切です。
積極的に人と会い、話をし、さまざまな活動に参加することは、身体の健康だけではなく、心の健康にもつながります。
何歳になっても社会とのつながりを持ち、自分なりの役割や生きがいを感じながら暮らすことは、とても重要なことだと思います。

もう一つ、意外に見過ごされがちなのが「聞こえ」です。
目が悪くなれば、多くの方は当たり前のように眼鏡を使います。しかし、耳が聞こえづらくなっても、そのまま我慢してしまう方は少なくありません。
聞こえにくくなると、人との会話がおっくうになり、外出や社会参加の機会が減ってしまうこともあります。必要に応じて検査を受け、補聴器などを適切に活用し、「聞こえ」を保つことも、健康で社会とのつながりを維持する上で大切です。

体と心の健康を保つために大切なことは、これだけではありません。食事、睡眠、健診、認知機能の維持など、ほかにも多くあります。今日は、私自身が日頃感じていることの一例を挙げました。

特に高齢期には、「病気があるか、ないか」ということだけではなく、歩く、食べる、人と会う、話す、外出するといった日常生活を維持することが重要です。

ただし、健康づくりを個人の努力だけに委ねてはなりません。

歩いて外出できる環境がある。移動するための公共交通がある。地域に人が集まれる場所がある。スポーツや文化活動に参加できる。孤立したときには誰かが気づき、支援につながる。
こうした環境を整え、健康を支える地域社会そのものをつくっていくことも、政治や行政の重要な役割です。

そして、もう一つ忘れてはならないことがあります。

体と心の健康を支える大切な土台の一つは、日々の暮らしに経済的な安心があることです。
毎日の生活に追われ、食費や光熱費、住まい、医療費などに不安を抱えている状態では、健康を保とうと思っても、なかなか思うようにはいきません。
十分な食事をとる。必要な医療を受ける。運動する。人と会う。時には趣味を楽しむ。こうしたことにも、ある程度の経済的な余裕が必要です。

国の税収が過去最高となり、株価も高い水準にある。一方で、多くの皆さんが物価高などによって暮らしの苦しさを感じている。これでは、本当の意味で健やかな社会とは言えません。
経済の数字が良くなることはもちろん大切です。しかし、その成果が一部にとどまるのではなく、一人ひとりの暮らしの安心につながっているかどうかが、何より重要です。

安心して食べることができる。必要な時には医療を受けられる。住まいがある。人とのつながりがある。そして、将来に過度な不安を抱えずに暮らすことができる。
そんな「人が基本」の社会を実現しなければなりません。

健康は、個人の努力だけで決まるものではありません。所得や雇用、住まい、地域の環境、医療や福祉のあり方など、社会の仕組みにも大きく左右されます。
だからこそ、健康や老後の安心も政治と無関係ではありません。
どのような社会をつくるのか。そのために税金をどう集め、何に使うのか。医療や介護をどう支えるのか。安心して暮らせる地域をどうつくるのか。
これらはすべて政治の課題です。

より多くの皆さんが政治に関心を持ち、声を上げ、選挙をはじめ様々な形で政治に参加する。
一人ひとりのこうした積み重ねが、「人が基本」の社会をつくる力になるのだと思います。

さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
【26年9月11日 その6955『逢坂誠二の徒然日記』8652回】

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