徒然日記

ベッセント発言が問いかけるもの 【26年9月7日 『逢坂誠二の徒然日記』8648回】

東京都新島村に、レベル5の土砂災害に関する情報が発表されています。
新島空港では、雨の降り始めから24時間の雨量が300ミリを超えています。
新島村の皆さんはもちろん、その他の地域でも最新の気象情報を確認し、身の安全を第一に、十分に警戒してください。
今日は、デニー沖縄県知事候補の応援のため那覇入りしています。
色々な方々から要請をいただき、今回の応援が実現しました。
終日、沖縄で活動します。

1)ベッセント発言が問いかけるもの
アメリカのベッセント財務長官が、日本の経済・金融政策について踏み込んだ発言を続けています。私には、随分と異例のことに思われます。

1日の記者会見では、日本は「リフレ政策をやめるべきだ」と発言しました。また、植田日銀総裁との会談では、「円の大幅な過小評価」に対処するため、日本が断固とした市場・金融政策上の措置を講じることを強く支持すると伝えています。円安が日本の物価上昇を強めているとも指摘しました。

なぜ、アメリカの財務長官が日本の政策にここまで踏み込むのでしょうか。

まず背景にあるのは、行き過ぎた円安です。日本の低金利が続けば円安圧力が残り、輸入物価を通じて日本の物価高をさらに強めます。
同時に、円安・ドル高はアメリカにも影響します。円安によって日本製品はドル換算で相対的に安くなり、米国市場などで価格競争力が高まります。一方、アメリカ企業の輸出品は相対的に割高となり、競争上不利になる面があります。過度な円安は、日本の暮らしだけではなく、アメリカの企業や貿易にも影響するのです。

そのためベッセント氏は、円安を是正するため、日銀が必要な金融政策の正常化を進めることを支持していると考えられます。

しかし、ベッセント氏は、日本の金利なら何でも上がればよいと考えているわけではありません。

日本が積極財政を続け、国債の増発や財政の持続可能性への懸念から日本国債が売られれば、長期金利が急上昇する可能性があります。これは日本の財政を圧迫するだけではありません。
日本の金利が大きく上昇すれば、日本の機関投資家が米国債から日本国債へ資金を戻し、米国債の価格下落、さらに米国の長期金利上昇につながる可能性があります。巨額の政府債務を抱えるアメリカにとっても、これは避けたい事態です。

つまり、ベッセント氏の考えは、単純に「日本は金利を上げろ」というものではないと考えられます。

円安を是正するための秩序ある金融政策の正常化は必要。しかし、過度な財政拡張への懸念から日本国債が売られ、長期金利が急騰することは望ましくない。だからこそ、金融政策だけではなく、「リフレ政策をやめるべきだ」と、財政を含む政策全体のあり方にまで言及しているのでしょう。

ベッセント氏の一連の発言の背景には、円相場や米国債市場など、アメリカ自身の事情、国益があります。しかし同時に、日本の経済政策を取り巻く環境が大きく変わったことも事実です。

ベッセント氏は、公表されている以上のことを日本側に伝えているのかもしれません。それは分かりません。
しかし、アメリカの意向に従って政策を決めるのではなく、日本経済の現状を自ら分析し、日本国民の暮らしと将来にとって何が必要なのかを判断する。経済環境の変化に対応した財政・金融政策を、日本自身の意思で組み立て直すべき時です。

では、日本はどうすべきでしょうか。
大切なのは、アメリカに言われたから政策を変えることではありません。

デフレと超低金利を前提とした時代から、物価と金利が上昇する時代へと経済環境が変わったことを、私たち自身が直視しなければなりません。
金融政策については、物価、賃金、景気などを丁寧に見ながら、日銀が政府から独立して適切に判断することが基本です。
一方、財政は「積極か緊縮か」という単純な二者択一ではありません。将来世代への負担や金利上昇のリスクにも十分に目を配りながら、教育、子育て、研究開発、地域、医療・介護など、暮らしを支え、日本の将来の成長力を高める分野に重点的に資源を配分する必要があります。
そして何より重要なのは、物価上昇を上回る所得の増加を実現し、国民の暮らしを実質的に豊かにすることだと考えます。

さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
【26年9月7日 その6951『逢坂誠二の徒然日記』8648回】

#逢坂誠二 #歩く歩く聞く聞く
#函館

  
  

皆様のコメントを受け付けております。

  1. 途中まではおっしゃる通りだと思いますが、後半はもう少し踏み込んで逢坂さんのご見解を伺いたいところです。

    「金融政策については、物価、賃金、景気などを丁寧に見ながら、日銀が政府から独立して適切に判断することが基本です。」

    →その通りですが、実際には日銀が金融政策の基本中の基本を大きく踏み外した結果、国債の半分以上を保有しています。この状況で「独立して判断」し、もし金利を上げれば日銀に巨額の含み損が発生します。それでも「独立して」判断できるのか?すべきなのか?そして、そんな異常な状況での「適切」とはどういうことなのか?

    「教育、子育て、研究開発、地域、医療・介護など、暮らしを支え、日本の将来の成長力を高める分野に重点的に資源を配分する必要があります。」

    →これもその通りで深く共感しますが、その上で「将来世代への負担や金利上昇のリスクにも十分に目を配る」とは具体的にどういうことなのか?
    他の分野では歳出を見直す、あるいはトータルでの増税しかないと思いますが。

    「何より重要なのは、物価上昇を上回る所得の増加を実現し、国民の暮らしを実質的に豊かにすることだと考えます。」

    →そのために政治としてどのような政策手段を講じるべきとお考えですか? 通貨の価値自体が下がっている現状でのバラマキ的な財政出動は無意味どころかむしろ火に油を注ぐこととなり、将来世代への負担を増やすだけだと思いますが。

    私は「今だけ金だけ自分だけ」ではない政策を期待、支持したいです。

    • ご指摘ありがとうございます。いずれも重要な論点だと思います。特に「重点化すると言うなら、何を減らすのか」「所得を増やすために具体的に何をするのか」は、私自身、さらに具体化しなければならない課題だと考えています。
      日銀の国債保有による含み損については、それによって直ちに金融政策ができなくなるわけではありません。ただ、巨額の国債を保有したまま金融政策の正常化を進める難しさは、以前から私が強く問題意識を持ってきた点です。
      日銀は、物価、賃金、景気、為替、国債市場など様々な状況を見極めながら、いわば「匍匐前進」のような、極めて慎重な対応をせざるを得ないのだと私は受け止めています。
      財政についても、単純な緊縮か、国債を際限なく増やす積極財政か、という二択ではないと思っています。既存歳出や基金、補助金、税制上の特例などを不断に検証すると同時に、本当に必要な分野にはしっかりと資源を振り向ける。その具体的な優先順位を示すことが政治の責任です。
      また、所得を増やすには、中小企業が適切に価格転嫁できる環境づくり、生産性向上、人への投資、最低賃金、税・社会保険料のあり方などを総合的に考えなければなりません。
      ご指摘の通り、理念や方向性を示すだけでは十分ではありません。何を見直し、どこに重点を置き、どのように所得を増やしていくのか。私自身、もう一段具体的に整理してみたいと思います。

      • 沖縄でお忙しいところご返信、そして今日の日記でも触れて下さりありがとうございます。
        おかげで私自身も認識の浅かった点がクリアになり、内容を整理できました。

        批判的なコメントも度々させていただきつつも、逢坂さんを政治家として信頼し、国政に戻っていただきたいと思う最大の理由は、公文書や再審と冤罪の問題を始め、選挙での票には恐らくあまり結びつかないものの、民主主義や法治国家の根幹、大前提の問題に粘り強く取り組んで下さっていることです。

        この財政と日銀、国債の問題は、物価と国民生活、日本の競争力などに直接影響する問題で、現状は今日の車の喩えで申し上げれば、この車は既に庶民を轢きながら(円安物価高の負担を押し付けながら)走っている状態で、先日の日米協調為替介入を招いたこと自体が既に破綻を物語っていると思います。それだけに、自民党政権との対立軸を強く打ち出すことが可能なはずだとも思います。

        中道改革連合の分裂が、これ以上公明党や支持団体に引きずられずに逢坂さんの目指す(私も共感する)「主権者本位」の政治へ向かう、その転換点になればと願っています。

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